マツダ・CX-5

【試乗記】新型マツダCX-5に乗る(3)・電子制御ハンドリング

2017/05/28

出典:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-5/feature/design/?link_id=sbnv

2017年モデルチェンジされた新型CX-5ディーゼルエンジン仕様に試乗してみましょう。背の高いSUVのためハンドリングが犠牲になっているものと思い込んでいるのは私一人であったようです。洗練されたハンドリングと乗用車に引けを取らない乗り心地を得て、ラフロードから高速道路、日常の街乗りまで、どれをとっても高水準であるようです。

➡【試乗記】新型マツダCX-5に乗る(2)・電子制御ハンドリング
➡【試乗記】新型マツダCX-5に乗る(1)・電子制御ハンドリング


GVC(G-ベクタリング・コントロール)

出典:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-5/feature/driving/skyactiv-vd/?link_id=sbnv

分りにくく目立たず、最高の出来です。ハンドリングをコントロールするのに、前・後輪のトルク配分でコントロールしているのです。これは絶妙です。

左に曲がり少し広い道に出る交差点に差し掛かりました。そこでGVC i-ACTIV AWDなどを組み合わせた電子・ハンドリング・コントロールを試します。メカニカル制御と比較してどのような違いが感じられるのかが注目です。

左にハンドルを切ると同時に、思いっきりアクセルペダルを踏みます。42.8kgf・m/2,000rpmほどのトルクがあると、FRでスキッドコントロールがない場合には、ホイルスピンを起こしてパワースライドとなり、アクセルを戻さないとスピンとなります。FFであれば前輪がスピンして曲がることが出来ず、アンダーステアどころか、スピードによっては飛び出してしまうかもしれません。

新型CX-5はエンジン音が急激に高くなると同時に、頭を持ち上げるような挙動がありますが、きれいに回頭すると、ホイールスピンを前後輪とも起こさず、猛烈に加速し始めます。直線に入ってもスキッドコントロールのない車では、方向性が定まらずアクセルを戻すとともに修正舵が必要なのですが、CX-5は何事もなかったように、頭を持ち上げたまま猛烈に加速していきます。信じられないほどのトレースで、修正舵を必要としません。「何をしてもタイヤをスリップさせることが出来ない」のでしょう。

電子制御ハンドリング i-ACTiV AWD

出典:http://www.mazda.co.jp/beadriver/dynamics/awd/

「何もすることがない」と言うのが私の感想です。早く走りたかったら「アクセルを踏む」、曲がりたかったら「ハンドルを切る」で済んでしまうのは、まるでゲームです。「車はアクセルで曲がるもの」「ATのシフトアップ、シフトダウンはアクセルでするもの」と言った車を操縦する常識が必要がないのです。A I による自動操縦の一歩手前まで来ている感がしています。

これが前・後輪の「前後左右ではなく前後だけの」トルクコントロールで制御されていることに驚きを隠せません。アクセルの開度を制御しているだけなのですが、そういえば車の操縦とはアクセル操作が基本でした。

BMWではカメラで前方を監視し、ハンドルやアクセル、ワイパーの状況まで情報を集めて、前方の路面状況を判断して、4輪別々にマイナストルクのブレーキを含めてコントロールしようとしています。乗り心地や安全性などに極めて有効であると思うのですが、「車が動いている」感覚を運転手が学べないことが、かえって限界を感知することが出来ないのではと懸念します。車はどれほどコントロールしても、限界が来ます。それを察知して自制してきたのが人間です。

その点、メカニカルコントロールの場合、制御の限界を人間が感知することを前提としています。

スバル・インプレッサは出来の良いプラットフォームとサスペンションセッティングを基本にして、4輪制御をブレーキを含めて行い、ハンドリングを制御しています。どちらも結局はで電子制御ハンドリングですが、マツダとスバルでは、制御の目指す位置が違っているようです。

マツダは、「マーケットリサーチにより忠実に」機種ごとのユーザーの違いに合わせようとしています。スバルは、どちらかと言えば「車とはこのようなもの」としたポリシーで造ってくるようです。

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