2021年50歳にして全米プロゴルフ選手権で優勝したフィル・ミケルソンは、アプローチ、特にロブショットの名人でもあります。その絶秒さにいつも見とれてしまいます。そして、彼も使用しているウェッジは、彼が監修してキャロウェイから発売されています。さて、どんなウェッジなのでしょうか?見ていきましょう。
フィル・ミケルソンの技がすごい!
まずは、フィル・ミケルソンのアプローチショットがどれくらい熟練していて天才的なものかお伝えしましょう。
↓↓↓こちらは、ミケルソンの「逆ロブショット」‼ 離れ業をご覧あれ!(YouTubeより)
見てお判りでしょうが、ターゲットのグリーンは、左打のミケルソンの進行方向左側ではなく、右側、つまり反対側です!【逆ロブショット】です。
しかもボールは容易なライではなく、スタンスもとりづらくなっています。アマチュアだったら、そのまま進行方向に打つのでも難しいショットでしょう。
クラブのフェース面を見てみましょう。ミケルソンはウェッジをだいぶ開いてますね!ネックがカツンと当たってしまうような開き方です。でも、しっかりコミットできればボールはとても上がり、グリーンにピンポイントでボトンっと落ちます。
これが、ロブショットです。ランでどのくらい転がるかを計算しないで済むので、距離感、つまり振り幅や力加減が合えば、ベタピン間違いなし?となるのです。ミケルソンの得意技です!
どうでしょう!!!
上動画でミケルソンは、見事ベタピンにボールを寄せていきました!!!
まさに、天才的感覚ですね。憧れます!
筆者は、これに憧れてロブショットを練習し、ようやくできるようになりました(*^^*)
フィル・ミケルソン監修のウェッジはどんなの?
さて、本題です。
こうしたアプローチ、ロブショットの達人、ミケルソンの監修した独特のウェッジが発売されています。
それが、PM GRIND ウェッジです。
↓↓↓こちらは、日本正規品の19年モデルです。ミケルソン本人は、全米プロゴルフ選手権では21年モデルを使用した模様。シャフトも彼が使用しているのと同じメーカーの物です。
特長1:グースネック
出典: https://item.rakuten.co.jp/ezaki-g/cw-pmgrind19/
上記画像でネック部分を見るとわかるように、PMグラインド(左側)はシャフトの付け根がグネっと曲がっているグースネックです。右側のクラブは真っすぐになっています。
グースになっているのは、なぜか? 一般的にはボールをつかまりやすくするためです。(重心角が大きくなる)
でもこのPMウェッジは、ミケルソンらしく開いてアプローチする時に良いようにシャフトを逃しています。開いたときにシャンクするのを避けるためと思われます。リーディングエッジの形状をよく見ると根元の方がえぐれていますね。これが開いたときに効いてくるのです。
注)グースネックや出っ歯の話をするときは、FP(フェースプログレッション)も考慮しなければならないのですが、ここでは難しくなるので敢えて説明しないことにします。
特長2:フェース全面にスコアラインが入っている
PMグラインド(左側)はフェース全面にスコアライン、つまり溝が入っています。右の一般的なクラブは、トゥ側には入っていません。
溝はボールにスピンをかけるためですので、PMグラインドはどこにボールが当たってもスピンがかかってくれることになります。
ここがミケルソンらしい細工です。ウェッジを開いてアプローチショットをするときでも十分スピンがかかります。ボールはネック部分からトゥに向かってななめに駆け上がります。すると、一般的ウェッジではトゥでスピンがかからなくなってしまいますが、PMはしっかり最後までスピンがかかります。
また、達人のミケルソンは、トゥだけでアプローチすることがあります。アマチュアゴルファーはあまりやりませんが、クラブをたてて使う感じですね。それでも、PMグラインドだとスピンをかけることができるのです。
特長3:リーディングエッジが出っ歯になっている
リーディングエッジとはクラブの下端です。
PMグラインド(左側)はリーディングエッジは丸みがかって、いわゆる出っ歯になっていますが、右側のウェッジは直線です。
リーディングエッジが「出っ歯」になっている(前に出ている)方が、ボールを直接拾いやすくなります。例えば、深いラフであってもリーディングエッジがボールを拾ってくれます。
ミケルソンのように、フェースを開いてアプローチやロブショットを打つとときにも、出っ歯は有効です。
現在は、この出っ歯のウェッジが主流になってきて、例えば松山英樹の使用するウェッジ(RTX4フォージド)も若干出っ歯になっています。
出っ歯が主流になってきた理由は、アメリカのPGAツアーの影響です。アメリカのゴルフコースの芝は柔らかくて粘り強く、出っ歯になっていた方がボールを拾いややすいからです。日本の芝も洋芝に張り替えるコースが多くなったため、出っ歯のウェッジも使えるようになってきました。
出っ歯のウェッジのデメリットは、エッジが先にボールコンタクトしに行くので、トップしやすいことがあります。日本の冬芝は薄いので、トップしにくい右側の一般的なウェッジの方がいいでしょう。ウェッジは数本持って、使い分けるのが得策です。
これからは、クラブを見て「これは出っ歯だな」とスラっと言えるようになったら、友達からクラブを見る目があると尊敬されるかもしれませんね(*^^*)
ということで、フィル・ミケルソンの使用する(監修する)PMグラインドウェッジは、グースネックでボールがつかまりやすく、出っ歯でボールにコンタクトしやすいハイブリッドなウェッジともいえるかもしれません。よく考えられていますね。
特長4:バンス角が大きい(14度、12度)
PMグラインドのさらなる特徴は、バンス(バウンス)角が大きいということです。
ヘッド素材 | 軟鉄鋳造 | ||
ヘッド仕上げ | クロムメッキ | ||
クラブ長さ(インチ) | 35.25 | 35.0 | |
ロフト角(°) | 56C | 58C | 60C |
ライ角(°) | 64.0 | ||
バンス角(°) | 14.0 | 12.0 | |
バランス | D4 |
ロフト別に、56度(14度)、58度(12度)、60度(12度)となっており、バンス角としては大きいほうです。バンス角が大きいと、通常ソール面のでっぱりが大きくなります。
でも上画像を見てもらうと、バンス角が12度とか14度あっても、ソールの削り方がラウンド(丸みをおびている)しています。なので、開いたときのリアルバンス角は10度くらいしかないのかもしれません。
このクラブは、開かなくても開いても地面にソールしやすくなっています。そして地面にはじかれたりしにくいでしょう。
PMグラインドウェッジの口コミ
さて、フィル・ミケルソンの使用するウェッジの特長をお伝えしました。でも、一流のプロが使用するウェッジ。アマチュアゴルファーに使えるのでしょうか?
実際に購入した方の口コミを見てみましょう。(引用:楽天市場より)
思ってたより打ちやすく使えそうです。
フェイスを開かなくても、抜けがよく高いたまがうてて、とても使いやすく満足してます。
⇒口コミ検証:フィル・ミケルソン監修ということで難しいウェッジと思えるところですが、アマチュアでも十分使えそうです。また、無理にフェースを開いて打たなくても、上記でも説明した通り、バンス角が大きいようでいて削り方が絶妙なので、抜けが良いようです。
抜けは相変わらず良いですし
開いた時にスピンがめちゃくちゃ掛かります
⇒口コミ検証:前モデルに続いて使用している方ので、抜けの良さには定評があるようですね。それに、フェース全面のスコアラインがやはり効いているようです!
ロフト56度バンス14度を購入。58度にしようか迷いましたが56度で正解でした。良くスピンがかかりバンカーからもとても楽です。
⇒口コミ検証:PMウェッジのロフト56度をバンカーショットに使用するのは、賢い使い方で筆者も推します!!!58度がサンドウェッジ(SW)と思い込んでいるアマチュアゴルファーも多いと思いますが、56度がアマチュアにはすごく合っていると思います。それは、58度だとロフトが寝すぎていて前に飛びにくいからです。特に、バンカーの砂質がわりと柔らかいバンカーでは使用感が良いのではないでしょうか。もちろん、若干硬い砂でも、PMウェッジはバンス角があっても削られているので、砂にはじかれにくいでしょう。
このように、フィル・ミケルソンが監修した、そしてミケルソン自身も使用しているPMグラインドウェッジは、アマチュアでも使いこなせることが分かりました。
皆さんもぜひ試してみてください!