運転の仕方で燃費が左右されることは、かなり浸透したようです。そのためか赤信号で停止している状態から発信するとき、急激にアクセルを踏まない人が増えました。
信号グランプリを制するとは・?
50年前親父が買ってくれたカローラに乗り、信号グランプリを繰り返していました。ガソリン代も親父の負担でいい気なものでした。カローラはスポーティーな車として売り出していましたが、大衆車で加速性のなどは20秒を切るのがやっとの車でした。でもその頃の小型車、コロナ、ブルーバードと言った車に比べて、サニーと共に軽快感があったのは事実です。そんな大衆向けのセダンで、スカイラインGTやベレットGTに勝つにはどうしたらよいのか、考えていました。出来ることは限られているので余計、ファイトがわいていました。
まずは、当時は「全赤信号」はありませんので、交差する信号機が黄色になったら、発進の準備です。アクセルを少し踏んで、エンジン回転を3000回転以上にしておきます。もう知らない人も多くなったと思いますが、半クラッチを極力避けてダイレクトにクラッチを繋ぐことです。当時はタイヤも細く、容易にホイルスピンを起こしますので、出来るだけ少なめで済むようにアクセルとクラッチを調整します。クラッチを繋いでもエンジン回転を落とさずに、ホイルスピンも最小にして発進します。大衆セダンのクラッチですから、スリップもしてしまいます。それも出来るだけ少なくすることが必要でした。そしてレッドゾーン、ギリギリのところまで使うのにタコメーターで見れればよいのですが、その当時の大衆車には装備されておらず、エンジンの音だけを頼りにシフトアップのタイミングを計ります。ギアチェンジするときクラッチを蹴とばすように踏み、シフトレバーを叩くように操作して、動力がクラッチにより切られている時間を出来るだけ少なくします。初代カローラのクラッチ、ミッション、エンジンは、お世辞にも良いものとはいえず、シンクロナイザーと呼ばれる、ミッションを同期させる装置は、動作が緩慢でたたくようにシフトすると「ギアなり」がしていました。同期が間に合わず、ギア同士がぶつかってしまうのです。あまり激しいとギアが欠けてしまいます。しかし構わずシフトアップして、すかさずクラッチを放すと同時にアクセルを床まで踏み込みます。こんなことをして上級車のGTに勝つと「にんまり」していたものです。確かに上級車の性能は高く、相手の運転士が下手でないと勝てないものでした。
故障とは・!
そんな無理を繰り返していたので、ある時エンジンに力がないことに気付き、ディーラーに持ち込んで見てもらいました。するとエンジンのシリンダーヘッドとシリンダーブロックを・・・・・つづく