【松山英樹・石川遼のウェッジ(2)】PS(ピッチングサンド)の考案者は実はジャンボ尾崎!

ゴルフギア(道具・用品)

2015年年末ゴルフ番組「KYOKUGEN・極限」で松山英樹と石川遼の直接対決がすごかった!【画像あり】で大御所北野たけしの案内で、見事なショットを披露した松山英樹と石川遼のキャディバッグには、ロブウェッジが入っていたのが印象的でした。

松山英樹プロと石川遼プロ、今では米PGAの影響を多大に受けているのがわかりますが、実は日本の有名プロもウェッジ作成には大きく貢献しているのです!

その功績を見てみましょう。

ジャンボ尾崎・中嶋常幸のウェッジの功績

ジャンボ尾崎・中嶋常幸のウェッジの功績とは?

かつてですが、日本のアマチュアゴルファーの間で、ジャンボ尾崎のウェッジが流行りました。
グースネックの強い、今からすると独特の形をしたウェッジでしたが、ジャンボ尾崎が日本の芝の条件から独自に形状を編み出したのです。

グースネックのクラブとは?
アドレスしクラブを上から見たとき、シャフトの中心線の延長線よりフェースのリーディングエッジが後退しているクラブ。そのためクラブのネック部分がガチョウの曲がった首のように見える。
また、このシャフトの中心線の延長線とフェースのリーディングエッジとの差を数値にあらわしたものをFP(フェースプログレッション)という。下図。

そのため、当時、日本ではジャンボ尾崎の影響が強く、グースネックのウェッジは日本のアマチュアゴルファーの基準となっていました。

その後クリーブランドのクラブが多く輸入された始めると、アメリカのウェッジを「出っ歯」と言うようになりました。
つまり、FP(フェースプログレッション)が大きくリーディングエッジ(クラブの刃先)がシャフトの中心線よりかなり前に出ているためです。


出典:http://www.hm-golf.com/golf-club/fp.htm

実は、PS(ピッチングサンド)の第一考案者はジャンボ尾崎!

実は、ジャンボ尾崎は「P/S(ピッチングサンド)」、つまり今で言うAW(50°52°など)の考案者で、日本でいち早く普及していきました。ジャンボMT-N。

タイガーがデビューした当初はPWとSWだけで距離を打ち分けていましたが、当時の世界の常識では「ウェッジは2本」でした。

ケンゾー
ケンゾー

SWはジーンサラゼンの発明で、P/S(AW)はジャンボ尾崎の発明なんだよね。

ジャンボはことのほか道具にも熱心で、ブリジストン「J’s」を監修して、現在までの「ツアーステージ」「ブリジストン」の銘柄(ブランド)を創り上げました。

名器、TN87モデル(中嶋モデル)を生み出した中嶋常幸

一方、ミズノのTN87モデル(中嶋モデル)をミズノの職人と作り上げた中嶋常幸がいます。

ジャンボ尾崎・中嶋常幸、この2人のプロゴルファーは、ゴルフクラブの分野でも語り継がれるべき日本の逸材です。
ちなみに、TN87はタイガーウッズがデビュー当時使っていたことでも知られています。

ケンゾー
ケンゾー

ボクもアプローチについてはだいぶ中嶋常幸プロを参考にしたな~。だから、TN87は今でも大事にとってあるよ!

↓↓↓こちらは、現在ジャンボ尾崎プロと二人三脚でゴルフクラブ造りを担当しているマスダゴルフの人気ウェッジ!グースネックは引継いでおり、評価の良いクラブです!


↓↓↓こちらはウェッジではないですが、やはりジャンボ尾崎プロがその先見性で先駆けて使い、ラフからも出しやすいとブレークしたフェアウェイウッド。中古ですが興味ある人はどうぞ!


■日米ゴルフクラブの最大の相違点|FPの違い

当時、ゴルフクラブ設計では、それぞれの国のプロの意見で大きく左右されていました。

最近ではグローバル化が進んで、それほど差はなくなったのかもしれません。クルマのデザインも同じで、当時はお国柄でずいぶん違っていたのに、今ではあまり差が感じられなくなっていますよね。

かつて、アメリカのクラブでは「重心距離が長い・FPが大きい」のが、最大の特徴であると言えました。FPが大きい、つまり上画像のようにリーディングエッジが出ている(出っ歯)のはボールを早く捉えるためです。

それは、ラフの刈高の違いから要求される「ボールを上げる必要性」であり、「ボールを拾う」という感触やイメージをより求めているとも言えるかもしれません。

最近は、アメリカのゴルフクラブもアマチュアゴルファーの増大により易しいクラブを開発して世に出しており、日本のアマチュアゴルファーもその恩恵を受けています。
でも、依然としてアメリカのツアーウェッジはFPが大きめです。

↓↓↓こちらはキャロウェイのオーパスSPウェッジです。シャフト軸よりリーディングエッジが前方に出ている(出っ歯でFPが大きい)のがわかるでしょう。(石川遼プロや、2021年東京五輪で金メダル・24年全米プロゴルフ選手権でメジャー初制覇したザンダー・シャウフェレプロも使用しています。)

キャロウェイ オーパスウェッジ 出っ歯
キャロウェイ オーパスSPウェッジ

逆に、グースネックのクラブを見て比較してみましょう。

↓↓↓こちらはマスダゴルフのM425ウェッジです。シャフト軸よりリーディングエッジが若干後退しているのがわかるでしょうか。ネックもぐにゃりと曲がってグースになっていますね。これがジャンボ尾崎由来の日本のゴルフコース向きのウェッジです。

マスダゴルフM425ウェッジ グースネック(2) ジャンボ尾崎
マスダゴルフM425ウェッジ FP値2mmという強いグースネック

ここで、FPフェースプログレッションの大小の違いを対比まとめてみました。みてみましょう。

① アドレス時のフィーリング(構えた瞬間)

観点FPが大きい(出っ歯FPが小さい/マイナス(グースネック
見た目フェースが前にあるフェースが引っ込んで見える
安心感プロ向け・緊張感やさしそう・安心
ボール位置シビアに感じる多少雑でも当たりそう
心理「操作するクラブ」「助けてくれるクラブ」

👉 日本でグースが好まれる最大理由はここ
→ 打つ前から「捕まりそう」と感じる。


② インパクト時の物理的違い

FPが大きい(出っ歯
  • フェースがシャフト軸より前
  • ハンドファーストの打ち方が前提
  • 入射角・フェース向きが結果に直結

👉 自分の形がそのまま出る

FPが小さい/マイナス(グースネック
  • フェースがシャフト軸より後
  • 実質的にインパクトが「遅れる」
  • ロフトが立ちやすい

👉 打ち方が一定でなく形が多少崩れても結果が出る


③ ショットフィーリングの違い(ここが一番体感差)

フィーリングFP大(出っ歯FP小/マイナス(グース
打感シャープ・硬質マイルド・厚い
乗り感「パチッ」「グッ」
操作感フェースを感じやすいヘッドが仕事する
距離感シビアだが正確合いやすいが幅が出る

🔑 プロが出っ歯を好む理由
→ 距離の誤差が「感覚と一致」する。


④ ミス傾向の違い(最重要)

FPが大きい(出っ歯)のミス
ミス原因
右に出るフェース管理が甘い
トップ入射が浅い
距離が合わないロフト管理ミス

👉 ミスは明確。再現性は高いが厳しい。だから正確に打てる確率が高いプロ向き。


FPが小さい/マイナス(グースネック)のミス
ミス原因
左に引っかけフェースが返りすぎ
距離が合わないロフトが勝手に立つ
高さが合わない打ち出しが揃いすぎる

👉 当たりやすいが、狙いとズレる。アマチュア向きで当たることが重視されるが、距離や狙いは不正確。


⑤ 芝・ライとの相性(条件別)

ラフ・芝が絡む状況
  • FP大:ヘッドが減速しにくい(粘り気のあるバミューダグラス芝のラフでもOK)
  • FP小:フェースが被りやすい

👉 PGAツアー芝ではFP大が有利

薄芝・ベアグラウンド
  • FP大:クリーンヒット必須
  • FP小:ミスに強い

👉 日本の冬芝・高麗芝ではFP小が安心

 

松山英樹が使う”出っ歯”のクリーブランド

アメリカPGAが主戦場の松山英樹の使用するクリーブランド588も、アメリカのクラブの特徴を表しています。ウェッジではやはりFPの差が目につきます。FPが小さい、すなわちグースが強いと・・・➡【松山英樹・石川遼のウェッジ(3)】