2018年、20年ぶりにスズキ・ジムニーがフルモデルチェンジした。軽自動車でありながら、オフロードも走破できる頼れる四輪駆動車だ。最近、自動車のモデルチェンジは頻繁になってきたが、スズキ・ジムニーは45年以上の長い歴史の中でわずか3回だけだ。それだけに、スズキ・新型ジムニーのフルモデルチェンジには大きな期待がかかる。
スズキ・ジムニーのラフロード走破性能は、本格的!
スズキ・ジムニーは、 軽四輪の枠内で205mmの最低地上高を小型オフロードカー並みにとっている。最低地上高は20センチ以上あると、悪路の走破性能が上がる。
最近SUVが人気だが、マツダ・CX3のようなセダン並みの最低地上高のクルマもあるので、悪路の走破性を求めるのであれば注意が必要だ。
■スズキ・新型ジムニーXC | |
・車両サイズ | 全長3,395mm 全幅1,475mm 全高1,725mm |
・室内寸法 | 長さ1,795mm 幅1,300mm 高さ1,200mm |
・トレッド | フロント1,265mm リヤトレッド1,275mm |
・ホイールベース | 2,250mm |
・最低地上高 | 205mm |
・車両重量 | 1030~1040kg |
引用:http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/styling/
オフロード走破性能には、3アングル?!
この小さな車で障害物走破性能を上げるため、3アングル(アプローチアングル、ランプブレークオーバーアングル、デパーチャーアングル)を十分に取れる工夫をしてきている。小さな室内であることは、本格的オフロード走破性能を備えていることの証でもある。
3アングルとは:オフロードにおける走破性能を示すひとつの要素。アプローチアングルは前方の障害物を前輪が乗り越えられる角度。
ランプブレークオーバーアングルは乗り越えた障害物がアンダーボディーに接触せずに越えられる角度。
デパーチャーアングルはリヤバンパーやマフラーなどが障害物に接触せずに越えられる角度。
引用:http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/performance_eco/
3リンクリジッドアクスル式サスペンション
「3リンクリジッドアクスル式サスペンション」をあえて採用してきたのは、ロードクリアランスを乗用車の独立懸架式サスペンションよりも確実に大きく取るためだ。独立懸架式サスだと以下のようなとき、車体下部の構造が障害物に当たってしまう危険があるけど、スズキ・新型ジムニーは大丈夫!
引用:http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/performance_eco/
伝統あるラダーフレームを新開発
車体構造は、本格4WDらしくラダーフレーム構造を採用している。一般的なSUVが採用している、ボディー全体で強度を引き受けるモノコック構造と比較すると、ラダーフレームだと車重は重くなってしまう。それは、万が一ボディーがひずむとモノコックでは、致命傷になってしまうこともある。あえてひずみが出ることも考えて、直しやすいラダーフレームを採用しているのだ。
新開発したラダーフレームには、X(エックス)メンバーを採用するとともに、前後にクロスメンバーを追加し、ねじり剛性を従来の約1.5倍に高めました。また、車体とラダーフレームをつなぐボディーマウントゴムを新設計。上下方向に柔らかくすることで乗り心地を良くし、水平方向に硬くすることで操縦安定性を高めているのも進化の一つです。
引用:http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/performance_eco/
引用:http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/performance_eco/
また、総重量でスズキ・ハスラーと比較すると、ハスラー約800kgに対して、ジムニー約1tと200kgも重くなっている。しかし、他の「軽4輪FF、スライドドア装着車」と比較するとほぼ同じレベルの車両重量で、実は、かなりの軽量化が出来ていることを示している。
これは燃費などに良い影響(約100kgで1km/L)を与えているはずで、良い出来と言える。本格的オフロード走破性能を持ちながら、かなり軽く上がっていると言える。
スズキ・新型ジムニー(4AT)の燃費(SUZUKIホームページより)
燃料消費率(国土交通省審査値) | 13.2 km/L |
---|---|
市街地モード | 11.0km/L |
郊外モード | 13.9km/L |
高速道路モード | 14.2km/L |
画期的な、ブレーキLSDトラクションコントロールがスゴイ!
ESPによるブレーキLSDは機械式LSDを超えるか?…スズキ ジムニー 新型https://t.co/yJniLqNlft pic.twitter.com/zabpfqKRep
— レスポンス (@responsejp) 2018年7月9日
スズキ・ジムニーは、ESP(車両走行安定補助システム)による電子制御の「ブレーキLSDトラクションコントロール」を採用している。
通常4WDであれば、機械式ではリミテッドスリップデフを3つほど備えているものだが、スズキ・ジムニーにはこれがない。すると固まって動けなくなってしまうか、1輪が空転すると、駆動力を出すことが出来なくなってしまう。しかし、これを備えるとスズキ・ジムニーは大変重く、狭い室内となり実用性が著しく損なわれ、商品性がかなり落ちてしまう。
そこでブレーキを使った「電子制御リミテッドスリップ機能」を各輪に持たせると、これは制御次第で実用性が上がることとなる。しかもブレーキ式のスリップ制御では、機械式リミテッドスリップデフのような急激なロックでなく微妙なコントロールもできるので、実用車としては大変使いやすくなってくる。電子制御機構だけなのでスペースを取ることもなく、車重がかさむこともないのだ。
引用:http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/performance_eco/
おばあちゃんの買い物車、でもキャンプにも最適!
スズキの新型ジムニーは、上記のような開発装備に成功しているので、「おばあちゃんの買い物車」にも使える操作の易しさと、実用性を持ち合わせていると思う。
ESP(車両走行安定補助システム)はタイヤのスリップ状態を掴んで、エンジン出力やブレーキを制御して、オフロード走破性能や、コーナリングスピードを上げて、安全性も確保している。
ジムニーのエピソード
そう言えるのはなぜか?
実は20年ほど前、それまでベンツに乗っていた「おばあちゃん」が、突然、真っ赤なスズキ・ジムニーに乗り換えたことがあった。(上インスタ画像はイメージです)「私の買い物車よ!」と自慢げに言っていたのが懐かしい。都会の舗装路面しか走らない人なのだが、かなり気に入っていたようだ。ご主人を亡くして一人暮らしになって、経済的負担も考え、実用性も考えていると思われるが、それでどうしてスズキ・ジムニーなのか?当時は分からなかった。しかし、ジムニーのことをよく知るとわかってくる気もする。運転もしやすかったのだろう、確かに、とても気に入っている様子だった。
それから現在、西日本が大変な豪雨の被害に遭っていますが、そのように天気が急変して多少の水位が上がってもジムニーだったら最低地上高があるし、ぬれた路面、ぬかるんだ路面でも4WDだから走破できる可能性は高くなる!
↓↓↓本格的キャンプにジムニーを使っている人も多い!!
現在の、スズキ・新型ジムニーのメーカー希望小売価格(消費税8%込み)は、1,458,000~1,841,400円。軽自動車だから、お財布に優しい価格。2台目購入にも最適だ!
ぜひ、将来はジムニーをEV化へ!!
スズキ・新型ジムニーの電子制御「ブレーキLSDトラクションコントロール」は、将来、低回転トルクの強いEVと組み合わされると、大いなるオフロード走破性を示すこととなるだろう。
引用:http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/styling/
また、装置が軽量化されてスペースも取らないので、超小型の性能の高い4WD車両が出来る可能性が高い。バッテリー次第だが、近い将来スズキ・ジムニーEVが出現すると、小型ながら室内空間を十分に取れて、低速トルクの大きい実用域での使いやすい車になることが考えられる。出現を楽しみにしたい!
安全装置(運転支援システム)の充実と合わせると、すでに90歳にもなるであろうあの時の「おばあちゃん」も、また乗り換えることが出来ると言うものだ。イヤイヤ、今度は私の番だ…。
スズキ「ジムニー」刷新が20年ぶりだった事情 経営 https://t.co/JDSUqCdBaY
— ElizabSaudo (@ElizabSaudo2) 2018年7月10日
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