豊洲新市場が大問題となっています。問題が非常に多岐に渡り、どこに切り口を求めるのか迷う状態です。
その中で基礎知識がいる内容も多く、今回は基礎の基礎としてコンクリートの話を取り上げておきます。
【豊洲市場問題から学ぶ(2)】水はコンクリートの天敵[1]➡
逗子マリーナの場合[2]
逗子マリーナ8号棟の地下駐車場は、半地下方式でオープンで外部からの水の侵入が見られ、10年以上前には、苔が生えていたりしていました。8号棟のコンクリートは、新築から10年以上たっても3階程度まで、室内のカビが大問題となるほど湿気が見られて、北側壁面では外壁にカビが見られ、褒められた状態ではありませんでした。地下駐車場も排水が十分でないようで苔がある場所もありました。コンクリートの防水メンテナンスは欠かせない建物です。
問題はメンテナンスに住民が関心がないことです。技術的に素人ですので管理会社の担当者に嘘をつかれても見抜けないことが、日本全国のマンションでも起こっています。管理会社のモラルの向上が望まれます。
施工不良とメンテナンス不良
新築でコンクリートのひび割れから建物内に水が入っている場合は、完全な施工不良です。壁のひび割れから水が入っている場合、多くは生コン施工時の、つなぎ目処理の手抜きによるものです。
新築から数年での、水の侵入が見られる場合の多くは、配管の穴の周りのシリコン防水目地の不良であり、シリコン目地が数年で硬化して剥離しているのを放置しているとよく見られる問題です。メンテナンス不良と言える問題も多くあることです。
エフロの恐怖
本当に深刻なのは、床と壁の継ぎ目からの水の侵入など、コンクリート壁でエフロ等が出ている場合です。エフロとはひび割れの部位から出ている白い物質で、コンクリートのアルカリ部分が水によって溶かされて出てきたものです。これはコンクリートの壁を水が通過していることを示しており、内部の鉄筋の錆が起きて爆裂を起こすのは時間の問題であることを示しています。対処しなければ強度をなくして、部位によっては建物自体を支えられなくなることを示しています。これで建物寿命を大幅に縮めてしまうことになります。
地下水位の問題
豊洲新市場の建物内の水などは、放置しておくと、さらに水によってコンクリートのひび割れを促進して建物寿命を縮めてしまいます。
マンションなどを含めて、大規模な建物では「地下水位」を予測して設計されています。その設計時の予測と違って地下水位が上がってしまっていると、豊洲市場のように床に水が溜まっている場合もあります。
地下室の壁面、床などをよく見るだけで、雨水なのか地下水なのかは判別できます。水の侵入口を突き止めることです。皆さんのマンションでも地下ピットはあるのが普通です。水が出ているのか見ておく必要があります。出ている場合、侵入口を見つけねばなりません。・・・つづく
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