2018年9月、西日本豪雨のあとは、台風21号が関西を襲い、大変な状況です。大阪市の駐車場ではたくさんの乗用車が台風の風で吹き飛ばされた映像がニュースで流れ、もうビックリです! まるでおもちゃのようにゴロゴロ。被害に遭われた方の気持ちを察すると、いたたまれない気分です。しかし、映像を見て、ふと思うことが…
強風で横転していたのはミニバンやSUVが多い??
関西を襲った台風21号でさまざまな映像がニュースで流れましたが、映像をよく見ると、ふと疑問がわきました。
ひょってして、横転しているクルマはミニバンやSUVが多い???
「これはひどい」大阪の駐車場、吹き飛んだ車が多数:朝日新聞デジタルhttps://t.co/tFnBBX4fYkhttps://t.co/VN05lEKgVO
台風21号の強風によって、大阪市住之江区の湾岸部にある大阪府咲洲庁舎近くの駐車場では多数の乗用車が吹き飛ばされ、5日朝から車の所有者らが集まった。 「これはひどい」… pic.twitter.com/9GFcTGRkzy— はてブ(users100)エントリー (@hatebu100) 2018年9月5日
上の画像を見ても、高さがあるクルマが横転してしまって多いように見えます。(たぶん軽自動車?) で、奥の方に見えるのは、セダンやコンパクトカー??つまり、高さのないクルマで横転はせずに、風によってそのまま引きずられて吹きだまってしまった感じでしょうか。
↓↓↓台風21号の強風で横転したトラック映像。倒れる瞬間!!
↓↓↓大阪・淀川の伝法大橋では、一体何台のトラックが強風で横転したか???
やばい
大阪の伝法大橋のトラックドミノ倒し#トラック横転#淀川#伝法大橋 pic.twitter.com/ntgX6sUtxC— のーりー (@Hj4KP1fc5K8jO04) 2018年9月4日
上の画像、動画のように、トラックが横転しやすいのは誰でもがわかります。風を受ける面積が広いからです。
でも、ミニバンやSUVはどうなのでしょう?
※こちらも→水害に強い?「最低地上高」の高いクルマは??
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事故データでもわかる! 車両重心の高いクルマは横風に弱い!
財団法人 交通事故総合分析センターが行った、「車両の横転事故」の調査結果です。
下の図は、「単独事故」と「車両相互事故」での、車両種別による横転発生率のグラフです。
このグラフから、高さのないセダンと比べると、背の高いワンボックスやミニバン、SUVは、事故により横転する確率が高いということが分かります。
軽自動車がどちらにしても確率が高くなっているのは、軽く造ってあるということに、背が高いということが複合してデメリットになっているかと思います。
また、単独事故と車両相互事故を比べると、単独事故の割合がどの種別でも事故の確率が高いのは、スピードの出し過ぎが原因の1つに挙げられると思います。
つまり、どの車であってもスピードを出し過ぎれば、横転する確率は高くなるということになります。
ということで、背の高いミニバンやSUVが横転しやすいのは重心が高いからです。重心が高いということは、風を受けた時、特に横風をもろに受けた時は横転しやすいということになるでしょう。
セダンに比べ、ミニバンは約6倍も横転しやすい!
車両相互事故(右側)のグラフで顕著なのは、「セダン」「ワゴン」「スポーツ」という背の低いクルマに対して、「ワンボックス」「ミニバン」「SUV」の確率が6倍近くになっていることです。6倍近くも横転しやすいのです。
これは、「ワンボックス」「ミニバン」「SUV」は衝突したときの衝撃で横転しやすいということになります。
それは、やはり重心位置が高いということが、物理的にみても動かしがたい事実としてあるからです。
なので、横風が、しかも台風21号のような強烈な横風が吹いたときは、同様の理由で、「セダン」「ワゴン」「スポーツ」より、「ワンボックス」「ミニバン」「SUV」のほうが横転しやすいのです。
強烈な台風が来たら、背の高いクルマは風に弱い!
というように、「ワンボックス」「ミニバン」「SUV」を運転している、または所有している人は、強烈な台風が来た時、横転する可能性が高いので気を付けなければなりません。
風に弱いから、運転するのはもちろん、屋外駐車場においてあるだけで横転してしまう可能性が高いです。
クルマが倒れる風速は何メーター??(最大瞬間風速が怖い!)
以下のTwitterにあるように、車が倒れる平均風速は40m/sからとなっています。この風速だと人間も飛ばされます!
【台風9号 住宅倒壊レベルの暴風】
沖縄本島地方で予想されている最大瞬間風速60m/s以上というのは、人が飛ばされ、トラックが横転し、電柱が次々と倒れ、住宅も倒壊することがある、本当に危険な暴風です。窓から離れた部屋でお過ごしください!#台風9号 pic.twitter.com/UHR1cTKhpd— 人が死なない防災 (@bosai_311) August 31, 2020
気をつけなきゃいけないのは、メディアなんかで言われる風速は「平均風速」のことが多く、最大瞬間風速はもっと大きいことがあります。
例えば、平均風速が35~40m/sと言われていても、瞬間最大風速は50~60m/sも吹くことがあるのです。(参考:気象庁「風の強さと吹き方」)
だから、上動画であるように、風の強い、あるいは風通りの良い橋の上や河川敷の道路などを通行しているときに瞬間最大風速が吹くと、車も人もひとたまりもないのです。
クルマの台風対策はどうしたらいい??
大事な愛車、特にミニバンやSUVを所有するドライバーは、台風などの風の強い日は、どうしたらいいでしょう。どうやって車を守りましょうか。
運転することを控える、または屋内駐車場、ショッピングセンターの立体駐車場の壁側などに移動するなどして対策するのがいいかもしれません。
どうしても外出しなければならないとしたら、シートベルトは必須。でも、子供を乗せるなんてことはしないほうがいいです。もし風で横転したら、ケガをするかもしれません。
いや、絶対出かけないほうがいい!!!!!
もちろん、「セダン」「ワゴン」「スポーツ」を持っている人も、対策するに越したことはありません。
どちらも、大切な愛車をオシャカにしたくない気持ちは同じなのです。
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