【NISSAN GT-R物語(23)】サスペンション・セッティング[2]|2017年モデル

日産とGT-R物語

この記事は、2017年モデルのGT-R(R35)についての考察です。

 

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出典:http://www.nissan.co.jp/GT-R/performance_body.html

実用車としてのサスペンション・セッティング

2017年モデルのGT-Rのサスペンションセッティングは、バネを柔らかく、オイルダンパーのオイル流通弁を工夫して小振幅と大振幅の抵抗感を変えているようです。
ホンダ・オデッセイなどでは副ダンパーを設けて、衝撃による深い振幅には2本のダンパー効果を合わせて用いる仕組みをとっています。
しかし、ほとんどの車はは1本のダンパーで工夫しています。

日産GT-Rでも、2017年モデルから取り入れてくるようです。

初代スカイラインGT-Rからずーっと知っている私から見ると、大きな変革となっていますね。

初代はレース専用車のごとき扱いで、クーラーも付けられず、クラッチ、ハンドル操作など大変重くレース専用車であることを前面に出していました。

カーレース、モータースポーツに重きがあったあの時代は、ポルシェなどでもドアハンドルまでも「ひも」状態であるほど、内装を省いてレースのために軽量化していました。

しかし、現代では実用GT(グランドツーリング、グランツーリスモ)として、つまり普段走りに重きを置いた実用車なので、クーラー、オーディオなど装備が充実して静粛性にも気を使ったつくりとなっています。

いまや、GT-Rも実用車のサスペンションセッティングとなっています。

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出典:http://www.nissan.co.jp/GT-R/performance_body.html

ハンドリングの向上のためジオメトリーの変化に気を使って、プリウスのように沈み込んだ時の挙動を抑えるセッティングは細かく見直したようです。

扁平率35%のタイヤが有効になるには、ハンドリングの遊びを極力なくしておく必要があります。それは、路面の衝撃によって沈み込んだ状態で安定側に振れる必要もあり、設計段階からの慎重さが求められます。

2017年モデルの日産GT-Rでは、以下の図のように、タイヤの溝の補強の仕方まで計算されて、ハンドリングのクイック感を追及しているようです。実用車のダルなハンドリングでは扁平タイヤは無意味であるだけでなく、違和感となってしまいます。

↓↓↓日産GT-Rのタイヤの溝 

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出典:http://www.nissan.co.jp/GT-R/performance_body.html

マツダ・ロードスターのようなライトウエイト・スポーツカーの場合は、ハンドリングは、どちらかと言えば安定方向ではなくクイックなことが要求されます。対してGTの場合は、直進安定性とクイックの両方が要求されるのが最近の傾向です。

2017年モデル GT-R の主なスペック

項目 内容
モデル名 日産 GT-R (R35 マイナーチェンジ後・2017年モデル)
エンジン形式 VR38DETT:3.8L V6 ツインターボ DOHC
排気量 約 3,799 cc
最高出力 約 565 PS @ 6,800 rpm
最大トルク 約 467 lb-ft(約 633 Nm)@ 3,300 rpm
トランスミッション 6 速デュアルクラッチ式(GR6)
駆動方式 フルタイム 4WD(ATTESA E-TS 等)
車体寸法 長さ 約 4,710 mm/幅 約 1,895 mm/高さ 約 1,370 mm
ホイールベース 約 2,779 mm
車重(空車重量) 約 1,740 kg
タイヤサイズ(純正) 前輪:255/40 R20 / 後輪:285/35 R20
サスペンション形式 前輪:ダブルウィッシュボーン式独立懸架 後輪:マルチリンク式独立懸架 (Car and Driver)
ブレーキ形式 4輪ディスクブレーキ、前後ともベンチレーテッドディスク 前輪ローター径×厚さ:約 15.4 インチ × 厚さ(仕様公表) 後輪ローター径×厚さ:約 15.0 インチ × 厚さ(仕様公表) ABS+ブレーキアシスト付き (Car and Driver)

 

※サスペンションについての基礎を知りたい方は見て!↓↓↓
自動車の基本~サスペンションの技術

 

2017年モデルの新型日産GT-R

2017年モデルの新型日産GT-Rはもちろん、最近の日本車は、フライ・バイ・ワイヤー(電子制御)で、乗り心地が良くて、ワインディングでも姿勢変化が少なく、高速安定性に優れ、感性に忠実なハンドリングをアクセルを含めて実現してきています。

↓↓↓2017年日産GT-R

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出典:http://www.nissan.co.jp/GT-R/performance_multi.html

ハンドリングにはボディ剛性が関わってきますが、ボディの作り方にも軽量化と剛性アップの技術が絶え間なく開発されています。

 

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