イギリスやフランス政府は、2040年までにエンジン(内燃機関)車の販売を禁じる方針を決めた。中国を含め世界的にEVシフトが騒がれている。ロボット掃除機のダイソンもEV開発にの乗り出すとニュースがあったばかりだ。
しかし、一方でEVの潮流が本物かどうかの見極めも必要になってくる。
EV走行には電池が不可欠だが、現在の動力源であるリチウムイオン電池の性能に焦点が集まってくる。電池のコストはまだまだ高く、効率も悪い。EV、電気自動車に積むとなると、価格は高くなるし、車重も重くなる。それに対する航続距離も問題になってくる。
テスラ「モデル3」はEVのT型フォードか:日本経済新聞https://t.co/YIqTGEodNK
— Orange Country (@bambook1984) 2017年8月30日
電池の容量単価は、2020年になってもエンジンに届かない!
米エネルギー省(DOE)によると、2008年には電力量1キロワット時あたり1千ドルだったリチウムイオン電池の容量単価は、2015年には200ドル強まで下がった。現時点ではさらに下がり、150ドル前後という見方が有力になっている。
エンジン(内燃機関)と対等になるには、50~70ドルになってはじめていい勝負ができるようになるという。
ーまだまだ、あと3分の1まで下げなければならない。
米エネルギー省(DOE)によると、掲げる開発目標は20年時点で125ドル。
ー2020年になっても、全然届かない。先は長そうだ…。そもそも、EUのエンジン車販売禁止は、自分たちが効率の良いハイブリッドエンジンの技術では追い付けないためのトヨタ車やマツダ車の締め出し、と考えてもいいかもしれない。世界はしたたかだ。モータースポーツをよく知っている人なら、日本車一強になると「レギュレーション」(ルール)を変更するというのはよくあることだとわかっている。
また、後で入ったニュースだが、以下のようなこともある。
35年時点でも世界の新車販売に占めるEV割合は約1割にとどまり、HV、PHVを含め8割以上にエンジンが使われるという国際エネルギー機関(IEA)の予測が現実的だとみている
巨大なEV生産電力は、再生可能エネルギーでなければCO2削減にはならない
テスラがパナソニックと共同で米ネバダ州に建設しつつあるギガファクトリー。その最終的な生産能力は容量換算で年間350億キロワット時に達するという。これは世界に今あるリチウムイオン電池の総生産能力を上回るといわれている。
で、そこで作られる電池はテスラ50万台分というからすごい。
ーしかし、その電池、CO2排出しっぱなしの火力発電で造っていては、地球温暖化には役に立たない。なんでEVにするかっていったら、CO2削減するためですから。かえってそんなに作ったら、CO2増加して地球滅亡が近付いてしまうかもしれない。きちんと、再生可能エネルギーで作ることが必須です。EVが技術革新でスゴイというだけでなく、そもそもを考えなければ。
つまり、EV車が走行しているところだけ見れば、CO2排出はゼロだが、EV車を製造ところから計算してみると、CO2排出はガソリン車よりも多い。ということになりかねないのだ。
そんな中、内燃機関も燃焼効率をアップしている
ーマツダは、内燃機関の燃焼効率をあげて、燃費を3割もよくした新エンジン「SKYACTIV-X」を開発した。
【マツダ・SKYACTIV-X・新エンジンEVを駆逐するか?】SPCCIで燃費3割改善
ーまた、早稲田大学理工学部内藤教授は、熱効率60%の内燃機関の原理を発見している。
もしかしたら、エンジンのほうが地球温暖化にいいと言うことになるやもしれない。現在の資産の変更だけで新エンジンを造れるとしたら、そのほうが資金的にも効率がいいはずである。