【いま世界は・?】ポピュリズムと反グローバリズム[1]

日記

読売新聞「反グローバリズムの拡大を防げ」(2016年1月1日)の社説では、「反グローバリズム」排撃の必要性を説いているのですが、「ポピュリズム」と「反グローバリズム」を、本来を分けて捉えないと問題の本質を逃してしまいます。



 

「反グローバリズムの拡大を防げ」 2016年1月1日

YOMIURI ONLINE 社説

多くの人に支持される「反グローバリズム」

グローバル化が進むと何が良くなるのか? 経済成長が促されると漠然とした期待感があるのですが、残念ながらグローバル経済の恩恵を受けるのはグローバル企業であり、グローバル資本だけです。むしろ極端な格差が生じ、小国を牛耳るグローバル企業が多く出現しています。

世界のたった63人の所有する資産が、人類の下位約半数の人々が所有する資産に匹敵するほど、格差は広がっています。

ピケティ理論が一昨年話題になりましたが、彼の研究が真実であるとするなら、これまでの資本主義を肯定する経済学は全てウソであったことになります。ピケティ氏が示したのは単に過去のデータですので、資本主義をこれ以上推し進めて経済拡大を行っていくと、格差が広がり「不平等の世界」が拡大していくことになります。これまでの経済学の矛盾を暴く必要があるようですね。

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グローバル経済の実態

グローバル企業に出資している者だけが富を得て、国民の大多数、それも、ほとんど全員が資産を増大することはないのです。その代わりに、移民問題やテロの危険を引き受け、失業の恐怖と向き合っていかねばなりません。

ほとんどすべての人々が「一握りのトランプ氏のような支配階層のために、ただ働きをしている状況になっているのです。

残念ながら、これがグローバル経済の実態ですが、政府を現在牛耳る、経済界、政治家、官僚組織などが、この現実を無視して「核なき世界」などの理想郷を示しても、失業者の生活を改善できないのでは、人々は不信感を抱き、現体制を維持していくことが難しくなってきているのです。

主権の喪失

EUからの離脱を決めた英国民の姿からも、自分たちの政府に対して選挙権を行使しても、EUの統治機構を動かすことはできない苛立ちを感じます。「誰が主権者なのか?」と・・・➡【いま世界は・?】ポピュリズムと反グローバリズム[2]

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