「公表も自主回収もしない」と当初メディアの取材に回答。ネット炎上と、ニュースとなったため急きょ公表、該当工場の一時生産休止と、希望者には商品交換と公表した。
経営者の知識不足と高慢さが招いている不祥事か・?
☚【はごろもフーズ、ゴキブリ(2)「シーチキンLフレーク」】
危機管理のセンス
はごろもフーズの現社長は、創業家の娘と結婚、異例の速さで出世した、やり手の営業マン39歳です。
「上から目線」と批判を浴びてから公表するなど、危機管理について素人のように感じます。
確かに重大な危険があるわけではありません。1つだけとすれば極めてまれな事例です。でも「再発防止策」を発表しない限り「もっとあるかも?」「また繰り返すかも?」と言った実質的な不信感がぬぐえていません。
また最も犯してはならない「上から目線」をお客様に感じさせてしまっています。つまり彼は「ゴキブリぐらいたまに入ることはあるよ!そんなことぐらいで騒ぐなよ・!」と言ってしまったのです。
ゴキブリが食品に入った状態を想像したとき「ゾッとした」お客様の感覚を「下々の者はこの程度の汚さは我慢せい・!」と見下した姿勢を感じさせたのです。
お客様なのか?訴訟相手なのか?
最近の企業の不良に対する姿勢で「訴訟」に備えて、極めて失礼な対応をする企業が増えています。
タカタのエアバッグに対応できない自動車メーカー(スバル)が、開き直ったように「エアバッグのメーカーは言えない」とまで突っ張るのとよく似ています。グローバル化の悪い例です。
Docomoがメールのシステム変更に伴いシステムエラーを起こし、認めていながら「技術的に話すことはない」と開き直っているのは、訴訟を恐れる基本的姿勢の表れです。「親切でない」と言うよりは、まるで「敵」であります。
「おもてなし」精神ではなく「訴訟大国」のしぐさです。社会が全体的にこの方向になっていますので「お得意様」感覚が薄れ、「短期的商売」の広がりを助長していきます。日本社会の長所が消えていきますね。
オリンピック招致で見せた「お・も・て・な・し」が日本のセールスポイントでもあるのですが、訴訟社会の流入で消えていきます。でも日本のPL法は消費者が証明しなければならず、実質的に訴訟に至らないことが、よっぽどのことがない限り、保証されているようなものです。
今回のはごろもフーズのゴキブリ缶詰でも、アメリカでなら訴訟になりえる話です。日本では消費者は、はごろもフーズのブランドを信じて「気を付けてくださいね~~!」で、今日もツナ缶は売れていくのです。
「お客様」の概念を「よ~~く」考えてみよう・!