【アコーディア・ゴルフのMBKパートナーズによる買収について(3)】

アコーディア・ゴルフ

アコーディア・ゴルフ(AG)田代裕子社長の、MBKパートナーズによるTOB開始発表時のGDOに対するコメントで「日本のゴルフ業界でさらに発展していくため、コースクオリティや快適なプレー環境などハード面、ソフト面双方での質の追求が欠かせない。ゴルファーに選ばれる会社を目指し、新規ゴルファーの創出にも貢献したい」との言葉を発表しています。

これは社員にとっても、ゴルファーにとっても大いに歓迎すべき言葉です。

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【ゴルフのスロープレーについて解決編(1)】

MBKパートナーズの出口戦略

メンテナンスレベル向上一つとっても、コストがかかることです。MBKパートナーズがどの程度の配当を期待し、どの程度の投資をすれば目標が達成できるのか?現場の質の問題をどの程度理解し田代社長以下の執行部隊に投資の判断をゆだねてくれるのかが予測できません。

客商売についてMBKパートナーズは経験済みのようですが、AGの買収について「出口戦略」が私の知識では見えてこないのです。現在のMBKパートナーズ日本代表は、元ゴールドマンサックス(GS)の人です。AGの内情には詳しい筈で、GSの前回の出口戦略は「株式上場」でした。今回、何をどのようにしたら再建できたと判断して売り抜けるのかが見えてこないのです。

証券化(BT)を行って配当負担が4~50億円増えているとすれば、AGアセットを含めてグループで利益を出すのは以前より、格段に困難になっています。アセットマネージャーとして大和証券が入っており、彼らの取り分の余地も考えると、5年後どのように売り抜けるのかが、私の知識では推察できません。どう考えてもさらにREITを進めて残り40コース程度を売って、所有と運営の分離を図っていくのでしょう。

どうしてもREIT、株式の両証券の価値を高める動きから判断することになります。

すると残りの土地代金がどの程度かわかりませんが、前回は80コース1,200億円でしたので半分の40コース600億円に相当するのかは、現在の価格を見ると極めて不透明です。400億円程度でしょう。すると1,400億円余りの買収資金を回収するには、1,000億円以上の価値がなければなりません。今回のTOB株式譲渡の価格を1,200円とすると、やはり1,400億円以上にしなければならないことになります。買収拡大路線の再開と、プレーフィーによる拡販を進めなければできないことです。

田代裕子社長のコメントは、中・長期の営業戦略にマッチしたものです。この状況では、出口戦略として再度上場するか、スポンサーを探すにしても営業成績向上が急務です。5年以内で急速に業績を伸ばすことを試みることを前提にするしかないのです。オリンピック景気を当て込んでのことでしょうか?私の知識では予測はできません。

(1)「質の追求が欠かせない」

■金と人

「質の追及」はどのような商売でも基本とならなければならないのですが、昔から不動産営業・建設業界営業の分野などでは「客を騙さなければ気が済まない」営業マンが数多く存在してきました。ゴルフ業界も不動産・建設業界からの参入が多くあり・・・・

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【ゴルフのスロープレーについて解決編(1)】