【グローバル発注と系列】カルロス日産と章男トヨタの戦い[1]

トヨタ・TNGA

写真出典:トヨタGAZOO

 

(1)日本経済新聞 電子版 2017/1/4 5:30

日産のゴーン社長が引き金を引く再編劇

(2)ロイター日本版 Business 2016年 12月 30日 

「トヨタ、新型パワートレーン外販へ 投資回収を加速」



グローバル発注と系列

一昨年ぐらいから表面化してきた部品調達システムの見直しですが、いよいよ世界の自動車関連サプライヤーの再編が進むのでしょうか? 日産とトヨタは対照的なサプライヤー体制を取ってきましたが、ここに来て、日産自動車は配下のカルソニックカイセイの売却に乗り出しました。従来の日本式系列の解体を進めて、ついにファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却しました。すでに既定路線とはなっていましたが、系列の売却を進めてコストダウンを行うということは、系列が資金効率が悪いと判断したことになります。

一方トヨタは系列を引き連れた日本式体制の代表者でありますが、プリウスのハイブリッド・パワーシステムのエンジンとミッションをスバルやスズキに供給するというのです。このシステムは現在世界最高の効率を持つと言われるトヨタの重要なパテントにもなっています。これで資金回収を急速に進め、次の開発に乗り出すスピードを速める狙いのようです。

狙いは資金効率

この背景には、部品の開発そのものの高度化があり、1社では販売数量が少なくてコスト高となること、技術の専門性がより要求される時代で、開発が追い付かない事情があるようです。トヨタの燃料電池のパテントは公開されましたが、水素社会が来るのかも確定できず莫大な開発費はトヨタと言えども大きな負担でありましょう。こうした中でサプライヤーの果たす役割が大きくなってきており、その力関係にも影響が顕著になりつつあります。

より専門性の高い部品作りをサプライヤーが果たし、競合の中でコストも下がるとするのが、「グローバル発注」の考え方です。一方で系列による下請け制度では、生産技術の開発をメーカーラインと直結して行い、独自の生産方式を生み出し、コストダウンだけでなく商品力の向上に寄与してきました。

ブローバル発注のメリットは分りやすく感じるのでしょうが、下請け制度のメリットは専門的な知識を要するようで、経済記者には分らないようです。

生産方式によるコストダウンは日本の独占場

写真出典:http://gazoo.com/CAR/history/Pages/car_history_093.aspx

元来、生産方式で世界をリードした日本企業が製造業を中心に世界に出て行ったのですが、その資金効率のすごさを「経済専門家」が理解できていません。日本の高度成長を担った方式が「トヨタの看板方式」でしたが・・・・

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