2017年7月、現在アメリカでは全米シニアオープンが開催中です。そこで注目のドライバーがこれ!
バーティカルグルーブゴルフ社(VGG)が作った「バーティカル グルーブ ドライバー」です。驚きなのはフェースの溝! 通常は横に入っているのが、縦・タテです!! なんでこうなるの? ゴルファーにとってメリットは? 追跡してみましょう!!
フェースの横溝って、そもそも何のため?
上画像は、昔?のドライバーのフェースです。2008年ごろのブリジストン 「ツアーステージ X-DRIVE445」のフェース面です。フェース全面に横溝がきれいに入っています。だいぶお世話になったドライバーで今でも好きですが、もう10年近くも経つんですね~。
一方、最近の最新ドライバーのフェース面を見てみる(下画像)と、全面には溝が入っておらず、ボールの当たる中央の部分には溝が少ないもの、あるいはまったく入っていないものもあるのです。
皆さん、お気づきだったでしょうか? (溝はスコアラインともいいますね。VGGのVertical Grooveは垂直溝の意味)
出典:https://youtu.be/SUpSrDOdgY4
上画像は、今年発売になったばかりのキャロウェイのEPICドライバーですが、「ツアーステージ X-DRIVE445」のフェース面と比べてスコアラインの本数も少なく、ボールが当たる真ん中にはほとんどありません。
なんでこんなにも変化したのでしょうか?
飛ばすにはスコアライン(溝)なんていらない!?
ウェッジには角溝をつくったりして、スピンをかけて止まるボールが必要ですが、ドライバーはスピンがかかりすぎると、上がりすぎてキャリーが出ないです。ヘッドスピードに応じて適度なバックスピン量にする必要があります。
一番飛ぶスピン量は、1,500~2,500回転(一般的には2,000~2,500回転)と言われています。多少打ち方によって変わります。逆に少なすぎると「ドロップ」と言ってすぐに落ちてしまいます。
だから、ホントはツルツルのほうが、ベターっと張り付いて、スピン量が多くなるのです。
じゃあ、なぜ溝が必要なのか?
溝があるのは、飛ばすために邪魔するものを排除するためです。雨の日の水とか、砂粒とか、です。これらが挟まると適切な食いつきがなくなり滑ってしまいます。
これは、カーレースでも同じことが言えます。
カーレースにも詳しい方はわかると思いますが、レースではスリックタイヤ(晴天用)とレインタイヤ(雨天用)を天候に応じて履き替えます。
晴天用のスリックタイヤはツルツルです。できるだけベタっと路面に吸い付いて、グリップ力を増したほうがスピードが上がるからです。一方レインタイヤは、路面とタイヤの間に入る余分な水を外に逃がして、接地面をできるだけ確保しできるだけスピードを上げます。例えば、スリックタイヤを雨天に使用したら、スリップしてしょうがないですからね。
このことがゴルフクラブにも言えて、スコアライン(溝)は雨の日の水や砂粒などを逃して、ボールへの接地面を増やすためにあるのです。
なので、最近のドライバーはスコアラインが少ないですし、ボールがスリップしないように、水や砂がフェース面についていたら、こまめに拭くことも、ボールを飛ばす秘訣でもあるでしょう。接地面をできるだけ増やす努力をしましょう!
VERTICAL GROOVE GOLFのドライバーはタテ溝で飛距離アップ!
出典:https://youtu.be/SUpSrDOdgY4
上画像が、全米シニアオープンでも話題になっている、「VERTICAL GROOVE GOLFドライバー」のフェース面です。
フェース溝が“縦”のドライバー!?ジョン・デーリーら使用で注目 #ジョン・デーリー #ロッコ・メディエイト #全米シニアオープン選手権 #ツアーギアトレンド #GDO #ゴルフ https://t.co/pPZxVQARIl
— GDOニュース (@GDO_news) 2017年6月30日
見事に溝がタテになっています。横に見慣れているから、なんか変な感じですよね。
GDOニュースによると、メーカーも”インパクト時の余分なスピン量を減らし、弾道が曲がりにくく、10%の飛距離アップを狙える”と言っています。
なので、実践では砂などが全く挟まらないことは少なく、スコアラインをタテにすること(Vertical Groove=垂直溝)で、安定してフェース面とコンタクトできて、ボールのバックスピンを適切に保つことができるようです。それが、飛距離アップを可能にしているのでしょう。
また、”弾道が曲がりにくく”と言っているのですが、タテの溝がサイドスピンに対して作用し、もしかしたらドローやフェードをかかりやすくすることも可能かもしれません。
この縦溝のドライバー。全米シニアオープンでも使用されているのですから、当然ルール適合クラブです。
とにかく、新しい考え方が出てくるのはワクワクします! 「VERTICAL GROOVE GOLFドライバー」の真価がどうなるか? 楽しみです!!
VERTICAL GROOVE GOLFのドライバーのスペック
■クラブスペック
ロフト角(度) | 9.5 | 10.5 |
体積(cc) | 450 | |
長さ(インチ) | 45.5 | |
クラブ重量 | 約317g(S) / 約306g(R) | |
バランス | D4(S) / D2(R) |
■シャフト
シャフト名 | ALDILA NV2K 65 | ALDILA NV2K 55 |
フレックス | S | R |
重量 | 約65g | 約55g |
※残念ながら、VERTICAL GROOVE GOLFのドライバーは2017年モデルのため、もう通常販売はありません。
ヨネックスからなんと!斜め溝のフェアウェイウッド登場!!!
ちょっと更新を怠慢していたら、日本のヨネックスから「斜め溝」のフェアウェイウッドとユーティリティが、2019年に発売されてました!!!
発売当初から少しお安くなってるとは思いますが、ターゲットはシニアゴルファー?ではないかと思われます。
フェースを正面から見ると右下がりのスコアラインになっており、クラブを振った時にはボールがドロー回転になることが分かりますね~!
スライスに悩むゴルファーにおススメでしょう。
特に、シニアの方でスイング改造したくても体が硬くなってムリだし、でもスライスが出てしょうがない!って方には、試してみる価値があるかもしれません!!! 私もちょっと興味があります!
↓↓↓見た通り!斜め溝!カーボン素材に強いヨネックスならではのゴルフクラブ!東レ(株)の次世代航空宇宙用素材をベースに使用しているらしい。フレックスは、R、RS。
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