【ゴルフ市場創造のための戦略】PGM、AG、PGAの皆さんに向けて

アコーディア・ゴルフ

アコーディア・ゴルフ(AG)が「富士の杜ゴルフクラブ」を買収したようです。ちょうど幾度かプレーしたことのあるゴルフ場であり、アコーディア・ゴルフ(AG)の新戦略を感じますので、参考のため「ゴルフ市場創造」について、方向性を間違えないように基礎を書いておきます。(この記事は、集客コンサルタントとして書いています)



「富士の杜ゴルフクラブ」がアコーディア・ゴルフ グループ入り


アコーディア・ゴルフだけでなく、PGMホールディングスもPGA(日本プロゴルフ協会)なども連動することが、ゴルフ業界、ゴルファーにとって良いことですので、まずは広く連携することを望んでやみません。

アコーディア・ゴルフは2018年、新社長を迎えて、観光客や海外戦略を立てていることでしょうが、「日本市場のゴルファー」を中心に置いておいてください。トヨタはすでに8割は海外で生産・販売をするようになっていると思われますが、日本国民に対してその役割を忘れることはしません。企業としての社会的責任を自覚しているのです。

アコーディア・ゴルフとPGMの争いは長らく見させてもらいました。その戦略についてはファイナンスの専門家と自負してるのでしょうが、ビジネスモデルを理解できていない様は「子供のよう」でした。ファンドの投資理論で言えば、長期的ビジネスモデルなどお構いなしとなるのでしょうが、そのおかげでゴルフ市場は荒れてしまいました。

それは「利益率至上主義」にならざるを得ない「ファンド体質」、村上ファンド(レノ)に支配されたように「投資家の理論」で動いてしまった結果で、当然に長期的には「実質的借金」となるものを背負い込んでしまっています。それは「ゴルファーの減少に追い打ちをかける結果」となり、今日を迎えています。

↓↓↓「富士の杜ゴルフクラブ」は、富士山が間近に見える素晴らしいゴルフコース。グリーンのメンテナンスがよく、良く転がる。しかしこれからは、アコーディアゴルフの管理になる。グリーンの出来が維持できるのかが、見ものだ。

 

【楽天ゴルフ】

 

アコーディア・ゴルフが買収を再開し、練習場を重要視し始めた

アコーディア・ゴルフが、かつての悪評判を克服して、昨年後半から再び買収が可能となってきたことは何よりですが、さらに練習場を重要視できるようになったことは大歓迎です。以前からアドバイスしてきた、「ゴルフ市場創造」の基本であり、大変有意義なことです。

参考:「さくら園ゴルフ練習場」(静岡県三島市)がアコーディア・ゴルフ グループ入り

しかし、問題は『ゴルフ市場創造』の

(1)戦略ストーリーが出来ているのか?です。

その「戦略ストーリー」を実現するために、

(2)組織的動きができるのか?。

そして、

(3)組織運用ができるのか?の3段階があります。

 

(1)戦略ストーリーが出来ているのか?

昨年、PGAが矢野研究所に依頼して収集した「大変良いデータ」があることが分かりました。しかし、「データのお遊び」になっており、データを活かした対策が出来ていないこともわかりました。今年もすでにデータ収集ができている頃ですので、速やかに公表されることを望みます。

【PGA「ゴルファーライフスタイル調査」】詳細版・経過報告[1] 

上記昨年のデータでは、「行動計画」を一般から募集しても進めようとしていたようですが、その結果の具体的発表はありません。

私からは「①ゴルフ関連施設全体の組み立てなおし」「②ゴルフ場単体ごとの施策立案」を提案しました。①については、AG、PGM、PGAなど組織の壁を越えて連携する必要性を説きました。②については、ゴルフ場ごとの「経営センス」が問われますので、早く実験を開始すべきです。

①の中では、ゴルフ練習場の役割を見直すことが先決です。

ゴルフ練習場というのは、ゴルファーになるべき人の「居住地に近い立地」に多くはあります。これがヒントです。

私がアコーディア・ゴルフから物販のノウハウの提供を頼まれたとき、「茅ヶ崎ゴルフガーデン」を指名しました。しかし、アコーディア・ゴルフの当時の物販責任者の言によれば「あんな小さいところ、何にもないじゃないか!」と吐き捨てるような認識が示され、大厚木カントリークラブに変更となりました。

これはつまり、当時のファイナンス部門の責任者、物販部門の責任者、ゴルフ場運営の責任者ともに、練習場とゴルフ場の連携など眼中になかったことを示しています。

これはもったいないことですが、「商売の素人」であったために、「現状と対策の整理」がついていなかったのでしょう。練習場は「集客の戦略的場所」と認識できることが必要です。まず勉強してください。キーワードは「市場はお客様の心の中にある」です。

 

(2)組織的動きが、できるのか?

アコーディア・ゴルフ、PGMともに「派閥争い」に終始していた組織です。これを出来る限り統制の取れた組織にすることが必要です。アコーディア・ゴルフもMBKパートナーズに買収され、環境としては権限が明確に統制される環境です。しかし、派閥争いが少ない組織にするためには、「基準」を求めることが必要です。そして「基準」が社員全体の納得のいくものであることが、争いを少なくします。

【アコーディア・ゴルフに関するMBKパートナーズの取り組み(1)】

それには、人事だけでなく「上司の示す方策」が「社員が納得できる」必要があります。まず、上司、すなわちトップが「社会的博学」でなければなりません。「ブランド志向」では社員は「働く意欲」をなくすことが起きます。そして組織の作り方が「合理的」でなければなりません。さらに「組織運用」が民主的と感じられることが必要です。派閥次元で人事をするだけでは「良い人材」がいなくなってしまいます。まず人事異動について「厳しくも合理的」基準を示さねばなりません。

 

まず社長以下の経営陣が「ビジネスモデル」を理解できねば「社員の心を理解する」ことはできません。当たり前のことですが、ビジネスモデルを実践するのは、現場の社員です。大人の社会で100%派閥争いをなくすことはできません。しかし、投資家のエゴが感じられる社風を一掃しなければ、「いいゴルフを創ろうよ」とはなりません。

それが出来なければ「ゴルフ市場創造」は「スター頼み」の、見苦しいことになります。ゴルファーの大多数は「競技ゴルフ」を望んでいない現実を、業界関係者は無視しようとしてきました。そんなゴルファー無視の関係者を一掃することから、始めなければならなくなっています。

日本ゴルフ協会(JGA)に忠告! ゴルフ市場の真のパトロンは「一般ゴルファー」だ!

 

(3)組織運用ができるのか?

アコーディア・ゴルフの経営陣は、権威主義・ブランド主義が強すぎると感じました。なぜかわかりませんが「ゴルフ関係者の体質」になっているのであろうかと感じます。

このことは、サービス業では致命傷です。お客様を「さげすんでしまう」のですから、「興ざめ」です。これでは新規にゴルフをする人が少なくなるのは当然です。つまり新規にゴルフを始めようとするとき、「関係者の縄張り」を強く感じてしまい、逃げてしまうのです。

こんな体質のゴルフ業界で、どうすれば「快く初心者が入れる雰囲気」が作れるのでしょうか?

まず、思いつくのがレッスンプロの姿勢です。今まで、かなり多くのレッスンプロがお客様に対して「えばっていた」のが印象に残ります。「なぜなのか?」と不思議になるくらい、お客様をさげすんでいました。この半世紀以上変わらぬことです。「自分はゴルフがうまいのだ!」とレッスンプロが初心者にえばって見せても、生徒は上達するどころか、ゴルフをやめてしまいます。特に、中高年者で社会的地位の高い初心者が、我慢するはずがありません。


ゴルフレッスンを受けて、インストラクターの「若造が、生意気だ!」と言っている人に出会います。なので、趣味を釣りに変えてしまった人もいました。

このような結果になってしまったのは、ゴルフ界全体で「体質」を替えるのが遅すぎたからです。「スター頼り」で市場の回復を考えているゴルフ関係者は、「えばり続けられるゴルフ市場復興を、未だに夢見て」まことにみっともないことです。

これをサービス業の基本に立ち返り「おもてなし」を基本に据えられるのか?が問題です。

 

ゴルフ練習場に基礎を置くワケとは?

ゴルフ市場の基礎は「練習場」

ゴルフ場運営会社の経営陣が、「練習場」をさげすむ様子は見ていられません。

初心者だけでなく上級者にとっても、調整に使える「日常的に通えるいつもの練習場」は大切です。プロにとっては「命」と言えるかもしれません。ゴルフ練習場は、初心者にとってはまさに「登竜門」、コースの出られる腕前になるかが決まってくる大事な場所なのです。

そのサポートをすることは、ゴルフ市場にとって「基本中の基本」です。

 

ゴルフが上達するまでの階段

ゴルフというスポーツでは、練習場からコースデビューするまでの道のりは「段差」が激しく、「ゴルフ先輩」がいない人にとっては、果てしなく遠いものです。

まずは「ゴルフに触れてみる」必要があります。
→次に練習が楽しくなる必要があります。
→そしてコースに行くのが楽しくなる必要があります。
→さらには「上達することが楽しい」必要があります。

私の物販での集客ノウハウは、お客様がこの階段を一歩ずつ上がってくれるようにシミュレーションし、プロデュースします。

この道のりを「お客様(アマチュアゴルファー)に任せ切っている」のが現状のゴルフ業界です。ゴルフ業界がこの道のりを用意し、お客様に上ってもらうように、強引ではなく快く誘う必要があります。テレビで見る「スター選手」につられてゴルフをしていく人は、もうまれな時代でしょう。そもそも、テレビでゴルフトーナメントの中継が少なくなってしまいました。

私のノウハウが「物販」のノウハウでありながら、アコーディア・ゴルフのコンサルのフィールドを「練習場」と指名したのは、上記の理由で、練習場はゴルファーの入口、出発点だからです。

「ゴルフ市場を創造する」基礎を見せようとしたのです。しかし、アコーディア・ゴルフの当時の経営陣・管理職は興味を持てませんでした。

ブランド志向・ファンド体質が市場の成長を阻む

その原因の第一は、「ブランド志向」であるのが明確でした。「自分達はえらいのだ!」と一般ゴルファーをさげすんでいる言葉を幾度となく聞きました。一般ゴルファーがお客様であり、自分たちの立脚点であることが分からなかったのです。

そして、GS(ゴールドマンサックス)のファンド体質が拍車をかけていました。短期投資家にとって、ゴルフ市場の成長など眼中にないのです。短期で自分たちが儲かればよいからです。

それは当時「中期事業計画」として掲げられた経営計画の中で、「ゴルフ市場」を認識できていないことが証明されています。ゴルフ市場分析(マーケティング)に基づいていない計画でした。これも珍しいことで、「売り上げ計画」は「ゴルフ場買収計画だけ」でした。

結局、ゴルフ場会員権のメンバーが保証金などを放棄する犠牲の上に立って、現在のゴルフ場は倒産を免れてきました。それは同時に、ゴルフ場がゴルファーの資金をピンハネしている状態で、ゴルフ場側がゴルファーに向けて「舌を出している」のと同じです。

私も2000万円近くを、ゴルフ業界に寄付したことになります。ですから結果として、ゴルフ業界が、「スター選手」でまたブームを起こし市場を再活性化しようとの思惑を聞くと、「なめられたものだ」と感じます。これでレッスンプロ、ゴルフ場スタッフ、ゴルフ用品関係者が、努力せずに、上から一般ゴルファーを「素人」と見ているのを感じると、ゴルフを嫌いになってしまいます。あなたたちの方が「商売の素人」と言い返すしかありません。

そのような状況を1から変えていくには、「ゴルフ業界のほうからお客様に寄り添う」しかありません。

「練習場」での地道な集客

練習場はゴルファーの住居の近くにあるのが普通です。たとえ単なる物販(ゴルフショップ)だけであっても、ゴルフをしたことのない人々を練習場に集め、ゴルフに興味を感じてもらう以外に「方法がある」というのでしょうか?

いつまでも「ゴルフの権威者」と気取ってみても、だれもゴルフに興味がなければ、そのブランドにも意味がありません。ゴルフ関係者から市民に接していくしかありません。

具体的な方策を考えると、まずは練習場で集客する必要があり、インターネットだけでは済まない接触を作ることが出来るのです。

例えば:物販でもゴルフウエアーはデザイン性が高く、機能性にも優れています。多少高いといっても、十分に見合うものが見つかるはずです。それを「いかにして普及し、ゴルフに結び付けるのか?」を努力する必要があるのです。

スター選手で済むほど、もうゴルフ業界はイージーではありません。自動車離れ、スポーツ離れ、ゴルフ離れ、は加速しているのです。所得の問題に逃げても仕方のないことです。与えられた条件を克服する必要があります。

ビジネスマンとして、デメリットは切り捨てるものではなく、克服すべき問題点である認識も必要です。それでなければ【成長】はあり得ません。これは、日本国自身が抱えている問題ではないでしょうか。

↓↓↓例えば、発熱素材のゴルフウェアは普段でも活用できる。地域の便利なショップとして、ゴルフ場や練習場のショップを機能させることも考えられる。(これには集客セオリーにのっとってプロジェクトしていく必要がある)

 

また、トーナメントでは「地元のレッスンプロとの提携」がゴルフをその地域に定着させるいい機会となるでしょう。(これについての詳細記事はこちら)。

 

現在はなんでもマネーゲームで終わってしまうのですが、それだとよりゴルフ市場を縮小させてしまいます。いくらでも具体策は考えられます。

思いつかない、計画できない、実行できないとなるのは、単に「怠慢」です。まず組織作りをやり直すのです。次に運用技術を学ぶのです。そして何より業界を引っ張る人々が「権威主義」から抜け出ることです。できないトップは「首を挿げ替える」ことです。

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