写真出典:http://www.subaru.jp/impreza/impreza/design/exterior.html
今年の日本カー・オブ・ザイヤーが決まりました。スバル・インプレッサ・スポーツ/G4が受賞です。
受賞理由
(1)衝撃吸収・横揺れ防止などを抑える車台」などによる走行性能の向上。
(2)歩行者保護エアバッグ標準装備。
などとなっています。
出典:http://www.subaru.jp/impreza/impreza/safety/safety3.html
これはスバル・グローバル・プラットフォームと名付けられた新ボディーを装備したことが大きく貢献したものと言えます。
この新しいボディーは剛性を高めて、サスペンションの効き具合を飛躍的に高めたものと推定されます。もちろんボディーだけで走行性能が上がるわけではありませんが、剛性が低いとサスペンションの働きにボディーの歪が加わって、よからぬ動きを生んでしまい、接地性やハンドリングを損なう結果となってしまいます。そこで剛性を上げることでサスペンションセッティングが生きてくるようにしたのでしょう。
水平対向エンジン(ボクサー)のおかげで重心が低いことのメリットを生かすことにもなり、効果が大きいものと感じます。
スバル・グローバル・プラットフォームの主たる狙い
出典:http://www.subaru.jp/impreza/impreza/safety/safety1.html
このプラットフォームは非常に戦略的動きで、スバルの社運を賭けた開発です。トヨタのTNGA・マツダのスカイアクティブ・テクノロジーなどと同じ動きです。スバルは少し遅れている感があります。
世界の自動車メーカーがしのぎを削る戦略ですが、燃費競争と共に激しさを増しています。車のユーザーやマスメディアには理解できないことのようで、カー・オブ・ザイヤーなどの受賞理由にも取り上げられることがないのは、業界全体で反省するべきでしょう。
この動きの本当の狙いは、「ボディーの標準化」にあり、メーカーの生き残りがかかっています。現在の製造業の生産方式は「多種少量生産」でこの生産方式の進歩が本当の戦場なのです。これは大きさや多少の形状の差があっても、同じ部品として生産現場では扱えることを目指しています。同じ生産現場で多種多様な車種・仕様の車を生産できるようにすると、コストが激減するのです。そのためボディーを多種類の車種を共通部品として認識できる造りにして、同じものを多量に作っているようにしているのです。
マツダが先行しておりスカイアクティブ・テクノロジーと称して、コストダウンに成功しています。それが企業全体に勢いを作ってヒット商品も生み出し業績を伸ばしたのです。
トヨタはTNGAとして、全世界で車種・仕様の整理を進めており、プリウスが先行してこのボディーを使っています。自動車メーカーの本当の戦いの場が「生産技術」なのです。
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