【トランプ大統領・司法にかみつく(1)】裁判官を非難

トランプ・アメリカ大統領

どうやらアメリカの現職大統領が「三権分立」の民主主義制度を理解していないようです。民主主義国家の根幹を認識していないことは極めて危険であり、アメリカ国民のトランプ大統領の支持者は責任を持ってトランプ大統領を教育すべき時が来ています。

AFP http://www.afpbb.com/articles/-/3116691
トランプ大統領、入国禁止差し止めた判事に暴言・司法の独立に暗雲
2017年02月05日 09:21
❝トランプ大統領は「この、いわゆる判事の意見は本質的にわが国から法執行というものを奪うもので、ばかげており、覆されるだろう!」とツイッターに投稿した。❞




 

社会はシステム(制度)で成立しているのを知らない人たち

アメリカの大統領たる者が司法にかみつくとは前代未聞のことではないでしょうか。

トランプ大統領に限ったことではないのですが、社会は司法をはじめシステムで成り立ってていることを認識できない人がいます。

その人たちは、法律などのシステムによる規則が自分の都合に合わないと「規則が悪い」と無意識に受け止めています。個人主義が浸透してきていますが、それを「わがままに振る舞うことが自由」と勘違いしているのです。「暴走族」「ゴルフのマナー違反」などが、「システムに則していない悪いこと」との認識を持てない表れです。これは深刻な問題です。

例えば、村上ファンドの言動を支持する人たちがたくさんいます。でも、「物言う株主」にも制約があるのです。

企業は人間社会の中で成立しています。だから、株主だけが優遇され、労働者の権利が無視されて良い訳がありません。けれど不当労働行為を認識できない経営者が数多く出現しています。

しかも、資本主義システムでは、資本家(経営者)と労働者(従業員)は対する立場の者です。なのに、村上ファンドなどの資本家に対する労働者の立場の人の中にも、労働者の権利を認識できず、「村上ファンドはカッコ良い」と口に出している人もいます。社会システムをよく理解できていない人たちです。

東証1部上場会社の経営者でも「村上さんは良い人」と言っていた人がいると聞きます。

そしてアメリカでは、ついに民主主義社会の根幹を認識できない人が、ついにアメリカ大統領に上りつめたのです。

 

「三権分立」を認識できていない

民主主義も社会システムの一種です。

そして、「三権分立」は三民主主義の原則です。行政・立法・司法が独立して、抑制しあうことによりバランスをとります。

トランプ大統領は❝「判事の意見は本質的にわが国から法執行というものを奪うもの」❞とツイッターで発言しているのですが、「法執行」とはどのような仕組みであるのかを、この人は認識できていないのです。これは、民主主義国家の大統領としては異常者のレベルであり、世界最高の権力者としては「最も危険な人物」と考えられるのです。

司法は、これも国民が制定した憲法に反していないかを判断します。短期的な視野ではなく制度そのものを守ろうとするのです。

行政府の長である大統領も国民に選ばれた責任者ですが、「入国手続きの厳密化」を図ろうとするのであれば、個人の人権を害さない範囲で執行しなければなりません。

しかし、トランプ大統領には個人(他者)の人権を認識できないのです。これは、トランプ大統領が「三権分立」を理解できておらず、民主主義に反していることになります。

 

現代社会の問題提起「格差拡大」

しかし一方で、そういった「知性に対する反発」がトランプ大統領の支持者にはあることがよく見えます。

それに、知性あるオバマ元大統領がもたらしたものが「巨大な格差」です。これは根本的な「人権侵害」とも言えるもので・・・【トランプ大統領・司法にかみつく(2)】裁判官を非難

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