【ニッポン行きたい人応援団】で日本人だから知っておきたい!「浮世絵」について

伝統の知恵・伝統工芸

2017年5月放送の「世界ニッポン行きたい人応援団」で出演したフランスのブノワさん。いつもこの番組で思うのですが、日本人より日本の文化に詳しいのには、ホント頭が下がります! で、基礎知識としても知っておきたい、番組を参考にした浮世絵をまとめてみました!



 

1867年パリ万国博覧会でブームになったジャポニズム・ブーム


葛飾北斎、東洲斎写楽など。ヨーロッパで評価が高いのは歌川広重。ブノワさんも広重が大好きのようです。

↓↓↓歌川広重の「庄野白雨」。最高傑作の1つ。遠景の竹薮の輪郭線の無い二重のシルエットが奥行きを演出。降る雨の角度の変化。<夏>

↓↓↓歌川広重「水道橋駿河台」(名所江戸百景)。ダイナミックなの構図。遠くの富士山。<5月>

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↓↓↓歌川広重「浅草田甫酉の町詣」(名所江戸百景)。吉原で働く女性の控屋があった浅草田甫。富士山とネコと哀愁。

↓↓↓歌川広重「亀戸天神境内」(名所江戸百景)。藤の名所である亀戸天神、太鼓橋の絶妙のバランス。華やかな1品。(モネの作品の原型となったことで有名)

↓↓↓参考までに、有名なモネの「睡蓮の池」は以下のような絵ですが、やはり似ていますね!

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もとはと言えば、大衆作品

浮世絵はもとはと言えば大衆作品でした。江戸時代には、そば1杯分の値段で購入できたと言います。

ブノワさんいわく、「200年も前にフルカラーの印刷物を庶民が楽しめたのは日本だけではないか」。

う~ん、貴重なお言葉!!

 

多色刷り浮世絵のすごい技

↓↓↓葛飾北斎「凱風快晴」(富嶽三十六景)。知っている人も多い、浮世絵の王様「赤富士」。還暦・長寿祝いに最適!

↓↓↓有名な葛飾北斎の「赤富士」はいろんな商品に変身しています。こちらは人気のあるスマホケース‼ 他にも探してみると、風呂敷や湯呑茶碗などが人気。

 

多色刷りの回数は、なんと25回!!!

彫師は版木を複数つくり、それを何回もさまざまな色をのせて摺師が摺合せていきまます。その回数を知って驚きです!

今回の番組「世界ニッポン行きたい人応援団」でも、ブノワさんがお世話になった、茨城県にある「渡辺木版」さんで特別に製作したのはコレでした!

↓↓↓歌川広重「大はしあたけの夕立」。これも有名な1枚。構図、色調、描写どれ一つをとっても完璧な作品。(ゴッホが模写したことでも有名)

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これで、なんと「25回」も摺るそうなのです! すごい技ですね~。ブノワさんが思わず言ったように「25回摺ると言うことは、25回失敗する可能性がある」ということなのですから。

そして、使用する色は17色。同じ色を2回摺る場合や、「当てなぼかし」という熟練の技法を使ったりして、濃淡も出しています。この「当てなぼかし」については説明を割愛してしまいますが、これは素人に簡単にマネはできないでしょうね。

さらに、降りしきる雨を表現した黒い線ですが、これも方向が微妙に違う線を彫った版木を2枚使って、2回摺っています。色も薄い黒と濃い黒を使い分けています。この技で、橋を渡る人たちのせわしなさを表現しているのですね。

あ、そして、使用している和紙は「越前和紙」だそうです。繊維が長いので、摺っても破れにくいのです。

↓↓↓こちらは、越前和紙に染めとシワ加工したもの。折り紙をはじめ、いろんな用途に使って、越前和紙の感触を身近に楽しめます!

たぶん、この『ニッポン行きたい人応援団』の番組では放送しきれないほどの技が凝縮している浮世絵なのだと思い知らされます。日本人として、この価値の重さを知っていなきゃならないでしょう!

 

豆知識:多色刷りからきた「見当」の話

よく私たち日本人が使う言葉の中に「見当」という言葉がありますよね。よく「見当をつける」とか言います。この言葉が、この多色刷りの版画からきた言葉らしいのです。

版画を作成するとき、1枚の和紙を何回も版木に合わせて摺るために、「見当」という目印を版木につけておかないとズレてしまいます。なので、角や1辺の真ん中に「見当」を付けておくのです。

そうなんです!「見当をつける」というのは、このことからきていたのですね。

でも、その日の湿度などで「見当がずれる」場合もあったりして、見当を削ったり、継ぎ足したりすることもあるそうなのです。

ということで、浮世絵について日本人なのに知らなかった方、少し参考になったでしょうか? そして、ちょっと気に入った浮世絵があったら、お部屋に飾って眺めてみてはいかがでしょうか?

有名な版画であれば、他にもいろんな商品に流用されていますので、身近に楽しむこともできます。

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