【プリウス燃費】実走行燃費は![2]

トヨタ

新型プリウスも登場以来4代目となりました。ハイブリッドカーが普通になる中で新型プリウスも普通の車としての性能が要求されるようになりました。JC08モード燃費で40km/Lを記録する車種も取り揃えてきました。若干、軽量化を無理に進めた車種で不自然さは残りますが、燃費性能が先代より向上していることを疑う余地はないようです。その技術的内容を見て、実走行との乖離の問題など、日常使用について考えてみましょう。

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燃費を左右する技術

トヨタは4代目プリウスを造るにあたりTNGA(Toyota New Global Architecture)の初めての適合車としています。技術的進歩を遂げていることは明確ですが、TNGAが技術的に何をしているのかなどは他の項目で説明するとして、燃費を左右する技術的要件を見ておきましょう。

軽量化

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出典:http://toyota.jp/prius/performance/performance/

車の性能を語るうえで最も必要なことは軽量であることです。特に燃費に関しては、豪華装備などで車重が重くなっても、性能的にはエンジン出力を上げれば、基本的に性能を上げることが出来ます。しかし、その場合燃費が悪くなるのは当然です。そこで車重当たりの燃費は向上できても、軽自動車に対して絶対値ではかないません。

地球温暖化を防ぐためには、車重当たりの燃費ではなく、車重そのものも減らすことが求められています。

新型プリウスの軽量化の努力では、高張力鋼鈑の多用があげられます。強度の必要ないところはアルミなどで軽量化しますが、強度が必要な部位では、重量当たり強度で優れる材料を使うことが、軽量化に結び付きます。それが高張力鋼鈑であり、カーボンです。順次使用部位を増やしていく傾向ですが、コスト高であります。

100kg軽量化すると1km/L燃費が伸びると言われています。エンジンなどの条件によりますが、部材の節約など周辺の効果も生まれてくる軽量化はそうしても進めなければならない技術です。

今後、有効であると見込まれる材料は、カーボンです。ゴルフシャフトなど一般消費財にも多く利用され始めており、値段も一層下がってくるものと見られます。

B787などの胴体は一部丸ごとカーボンで作られており、その技術は日本の企業です。車ではBMW750など高級車では既に使われ始めています。

空気抵抗

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出典:http://toyota.jp/prius/performance/aerodynamic/

プリウスも80km/Lを超えるあたりから空気抵抗が増え高速道路ではかなり燃費が悪くなります。

Ra(空気抵抗)=λ(空気抵抗)×S(車両全面投影面積)×V²(車両走行速度)

速度Vが上がるにつれ2乗で抵抗が増てきます。全面投影面積が小さいほうが有利になります。100km/hになると燃費の半分は空気抵抗であり、ミニバンに限らず背の高い車を好む傾向を考え直す時期でしょう。80km/hを超えると急速に空気抵抗が高くなり、燃費が落ちてきます。

新型プリウスは空気抵抗係数Cd0.25ですが、ミニバン、SUVなどはCd0.4前後で圧倒的に高速巡行ではプリウスが有利です。

ヨーロッパなどの200km/hを超える巡行では、ミニバンは適さないのでしょう。ミニバンは日本国内のガラパゴス状態です。

転がり抵抗

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出典:http://toyota.jp/prius/grade/grade4/

転がり抵抗=車両総重量×転がり抵抗係数(路面抵抗、タイヤ、車輪重量、軸受けグリス温度など)。

車両総重量が大きくかかわり、転がり抵抗係数でタイヤの状況が空気圧で大きく変化したり、転がり抵抗では幅が狭いタイヤが良いようです。実際に必要以上に幅の広いタイヤをつけると、車輪重量の増加とともに燃費を落としている状況です。

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