トヨタのTNGAよりも一足早くマツダは「スカイアクティブ・テクノロジー」を進めていました。アテンザは、その展開の結果であるのですが、少し規模の小さなマツダでは成果は如実に表れてきており、2015年を過ぎて第二段階に入っています。生産の平準化を進め、設備の稼働率を上げ、投資効率が向上しています。車が工業生産品である以上、これを知らずして車は語れません。
アテンザを取り上げて、車そのものの理解を進めましょう。
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出典:http://www.mazda.co.jp/cars/atenza/grade/#atenza-sedan
マツダ・アテンザの敵はドイツ勢
マツダ・アテンザとドイツ勢のBMW320dとを、主要諸元で比較してみましょう。
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/atenza/grade/#atenza-wagon(マツダ・アテンザワゴン)
注目のスペックは?
上記の主要諸元比較表で見ると、マツダ・アテンザはセダンのほうがワゴンより全長で30mm、ホイルベースで80mmほど長くなっています。逆転していますが、ワゴンは日本国内仕様でセダンがグローバルの基準であるためです。
動力性能でBMW320dとの比較を見てみると、馬力当たり重量に大差はないのですが、アテンザのトルク当たり重量が優れているのが目を引きます。
特に、エンジン特性を見ると、アトキンソンサイクル(アトキンソンミラーサイクル)・エンジンを採用したことによる低速域での扱いやすさが、マツダ・アテンザの最新の技術でありましょう。
このエンジン技術に関しては、ディーゼルエンジンの日本国内の市場を開拓した実績は大きいと感じます。
マツダは、世界標準のクリーンディーゼルの市場で、内外装ともドイツ勢をターゲットに戦っていくことを強く意識しているのでしょう。
上記の比較表を見ると、燃費性能では、JC08モードでBMWdシリーズがマツダアテンザより若干劣っているようです。
でもこれは、JC08モードの測定基準が最高速度80km/hまでになっているためと思われ、ドイツアウトバーンの速度無制限に合わせた基準となれば逆転するかもしれません。
100km/hのエンジン回転数を見てみると、BMWdが1,600回転と極めて低くなっていることで、BMWの狙い、つまりアウトバーン走行を重視していることが分かります。
現代のミッション・セッティングにおいては、トップで最高速度を出すのではなく、巡航速度でエンジン回転数を落とすように考えられています。
日本のハイブリッド車が100km/hを超えると急速に燃費が悪くなるのと好対照ですので、気になるところです。
こうやってドイツ車のBMW320dと比較してみると、クリーンディーゼルエンジンを選択したマツダ・アテンザセダンは、ヨーロッパでの販売を強く意識していることがうかがえます。
アテンザ・ディーゼル2.2Lエンジン
出典:http://www.mazda.co.jp/cars/atenza/feature/skyactiv/
大幅チェンジの理由
電子制御の採用により、クルマもパソコンの世界のように技術進歩のスピードが上っています。そのため、クルマも「3年経つと古代の遺物」とまではいきませんが、旧式となってきます。
最新の技術を常に搭載することが商品価値をもたらすため、5年に1度のモデルチェンジを待っていることは出来なくなってきました。
もちろん、燃費に対する要求も厳しさを増し、性能向上は欠かせなくなってきています。
そんな中で自動車メーカーの、生産技術の革新も激しさを増しています。今回2016年のマツダ・アテンザのマイナーチェンジは、マツダが最先端のメーカーであることを示していると受け止めることが出来ます。・・・次は【マツダ・アテンザ(3)】GVC[1]➡
【マツダ・アテンザ(1)】スカイアクティブ・テクノロジー➡
【マツダ・アテンザ(5)】燃費[1]➡
【インプレッサ】スバル・グローバル・プラットフォーム(1)~動画あり➡
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