【マツダ・アテンザ(5)】燃費[1]

マツダ・スカイアクティブ・テクノロジー

トヨタのTNGAよりも一足早くマツダは「スカイアクティブ・テクノロジー」を進めていました。アテンザは、その展開の結果であるのですが、少し規模の小さなマツダでは成果は如実に表れてきており、2015年を過ぎて第二段階に入っています。生産の平準化を進め、設備の稼働率を上げ、投資効率が向上しています。車が工業生産品である以上、これを知らずして車は語れません。

アテンザを取り上げて、車そのものの理解を進めましょう。

【マツダ・アテンザ(4)】GVC[2]➡

アテンザはクリーンディーゼル

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出典:http://www.mazda.co.jp/cars/atenza/review/

マツダは燃費向上策としてハイブリッド・エンジンではなくクリーンディーゼル・エンジンを選択しています。日本国内ではディーゼルは嫌われ市場が成り立っていませんでした。その理由の一つとして、トラックのディーゼルエンジンのイメージが強く残り、乗用車、特に高級車にはふさわしくないとの思い込みがありました。ヨーロッパでは古くからディーゼルの燃料が軽油であることに目を付けて「安い燃費」を実現する方法として受け入れられてきました。

ディーゼル・エンジンには独特の音がしています。カリカリとするエンジン音が室内にまで入り、振動も大きかったことで、日本市場ではガソリンエンジンとモーターの組み合わせのハイブリッド・エンジンが普及してきました。

EUではハイブリッドは殆ど普及してこなかったのですが、ここにきてプラグイン・ハイブリッドが増えてきました。

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出典:http://www.mazda.co.jp/cars/atenza/feature/driving/economy/

この世界的市場の動向の背景として「燃費規制」と「交通環境」の違いがあります。日本のJC08燃費測定モードにみられるように「高速巡行」の設定がなく、日本市場では80km/hまでの速度での燃費が重要視されています。

ヨーロッパの高速巡行が必要な環境に比べ、高速道路での最高速度でも100km/hに制限されている中では、空気抵抗が80km/hを超えるころから急速に増える条件でも、ミニバンが大きな市場を得るなど、携帯電話の「ガラ系」と言われるような現象が起きています。

ナチュラル・サウンド・スムーサー

この情勢の中でマツダ・アテンザはクリーン・ディーゼルを選択し、その効率を大幅に上げて対処してきました。また、日本市場開拓に大きく貢献した技術としてはナチュラル・サウンド・スムーサーがあります。これによりディーゼルは「うるさい。振動がある」とする評判を封じ込めることに成功したようです。ディーゼルの日本市場を開拓したためにドイツ車もディーゼル搭載車を日本に持ち込み始めました。

【マツダ・アテンザ(6)】燃費[2]➡

「大人の車学」

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【マツダ・アテンザ(1)】スカイアクティブ・テクノロジー
【マツダ・アテンザ(3)】G-ベクタリング・コントロール(GVC)[1]

【TNGA(Toyota New Global Architecture)-1】
【マツダ・アテンザ(5)】燃費[1]
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