【商売の自明の理(2)】

アコーディア・ゴルフ

「自明の理」とは「基礎として誰もが心得ている考え方」とでも言いましょうか、「当たり前のこと」です。「商売の自明の理」となりますと「お客様が買いたいと思うこと」が最優先であり、お客様が「なんだこれは!」と怒るようでは、商売にならないことを指しているのでしょう。

☚【商売の自明の理(1)】

☚【ファンドと商売の計算の違い(1)】

☚【ファンドと商売の計算の違い(2)】

【仮説】

あるレストランで、古くなった内装を一新して(1)テーブルも入れ替えて、メニューを一新して価格も少々上げようかと算段していました。一方で、内装などにお金をかけても集客できるかわからないので、(2)テーブルを詰めて座席数を増やし、少々、価格を下げればピーク時には、確実に客数を増やして計算できるので、無駄な投資をせずにこのまま節約して、客数を増やしていこうとの意見もありました。

この2つの意見のどちらが商売としては「自明の理」となるでしょうか・?

(1)内装を一新、価格も上げる

客単価×客数=売上ですので、この場合は、内装を一新し、メニューも改善して質を上げて、客単価を上げ、同じ以上の客数を確保できるかが問題です。内装の工夫、メニューの工夫と、料理の質を上げることが課題となります。

(2)座席を増やし、価格を下げる

今までの料理で座席数だけ増やすので、売り上げ増加を計算できます。問題は古くなった内装で、狭くなった座席配置で、どこまで値段を下げることでお客さんが付いて来てくれるのかが、課題です。

答えは・?

どちらも「商売の自明の理」でありましょう。どちらの生き方もあり得ることです。しかしどちらも条件があります。

(1)に関しては常により良いメニューを開発して、内装も逐一改装していくことが求められます。

(2)に関しては、いつまでも汚いままでは価格が下がり続けますし、高級路線に転換することは、かなり難しく、目先利益が上がったのなら、留保する必要があります。長期的には先細りは目に見えているので、ここがポイント。

投資を抑制していて原価償却をしないで、利益に計上されて配当してしまうと内部留保できておらず、設備を更新することもままならなくなります。実質的に赤字を抱えていることと同じになります。

価格を下げていけば営業し続けることが出来ていても、そのうち客数の減少に向かいます。そのときの設備投資資金が内部留保されずにいるので、苦しくなります。

土地に置き換わっているのであれば、銀行が設備投資資金を貸し出してくれて、続けることが出来ますが、土地などの含み資産も失っていると、実質的に手立てが出来なくなります。それでもお客様の信用があれば、方策はあるのですが、「安かろう悪かろう」で信頼を失ってしまっていると終わります。(2)の場合でも、新メニューの開発など「おいしい味」を開発し続けておくことが必要です。

アコーディア・ゴルフ(AG)の置かれた状況

明らかに仮説「答えの(2)」の事例です。ここまで十分な利益を上げて・・・つづく

【商売の自明の理(3)】➡