【商売の自明の理(3)】

アコーディア・ゴルフ

「自明の理」とは「基礎として誰もが心得ている考え方」とでも言いましょうか、「当たり前のこと」です。「商売の自明の理」となりますと「お客様が買いたいと思うこと」が最優先であり、お客様が「なんだこれは!」と怒るようでは、商売にならないことを指しているのでしょう。

☚【商売の自明の理(2)】

☚【ファンドと商売の計算の違い(1)】

☚【ファンドと商売の計算の違い(2)】

アコーディア・ゴルフ(AG)の置かれた状況

明らかに仮説「答えの(2)」の事例です。ここまで十分な利益を上げて内部留保金もあったのですが、乗っ取り騒ぎで「自社株買い」がダメージになっています。評判もかなり落としていますので、新規買収も難しくなっています。さらには「預託金を返さずに買収後、土地を売るとなると法的問題」だけでなく、会員がその資金を返済に回すように求めることは、当然と言えます。そのため買収してS-REITで土地を売却、資金を回すとの構想は、現実的には買収するコースの会員には受け入れがたいことでしょう。競合他社ではS-REITは直ぐには使えませんので、全額ではなく半額でも土地売却資金を返金することで話はつく可能性もあります。ただしその分、買収金額は高くなり、手元に次の買収資金が十分に残りにくくなります。

さらには、大和証券がこれ以上S-REITで売却できるでしょうか? 実績が悪いので苦しいところでしょう。大和証券のファンドが5年間での実績をどのようにして稼ぎ出すのか? アコーディア・ゴルフの決算には表れてこないので不明です。もう2年後には答えを出さなければなりません。

資金が豊富な今のうちに「買収拡大」から、新たなビジネスモデルを構築しておく必要があります。

資金的にどうしても、さらにS-REITで売却する必要性が出てくるのでしょう。海外に活路があれば、まだまだ拡大の余地はあるはずです。

3大都市圏に集約するのは、時間がかかりますし、人口減で市町村が消滅してしまう危険が出てきた現在、若い社員の希望を繋いでいく長期的経営は、どのゴルフ場でも、かなり難しくなってきたはずです。ゴルフ参加率向上策を業界全体で、真剣に取らないと、業界全体が消滅してしまうことになりかねない社会情勢です。

AGユニオンも誰を相手に、協調・交渉するべきかも定かではないですね。

・・・つづく