ゴルフは、一人前に遊べるようになるまでに多くの練習が必要で、コースデビューには数年を要することもあります。私は子供のころからクラブを振り始めてコースデビューには10年かかりました。コースデビューをするまでは、打ちっぱなし練習場を上手に使いましょう。そのコツについてです。
打ちっぱなし練習場では、余計な意識を持たない!
私は子供のころからクラブを振り始めましたが、コースデビューには10年かかってしまいました。特段に練習メニューもなく、親父が時々教えてくれても「ボールをよく見ろ!頭を動かすな!」としか言いませんでした。
でも、打ちっぱなし練習場で好き勝手にボールを打っていると、どこかのおじさんが「いいスイングだ!」と感心してくれました。子供がゴルフをするなど極めて珍しい時代で、目に付いたのでしょう。
それから大人になってコースデビューしてしばらく経つと、「最初の頃の方が素晴らしいスイングだったよ…」と、よくラウンドに連れてってくれたシングルプレーヤーに言われたことがあります。
ゴルフ歴が長くなり、いろいろ知識がついて余計な意識を持つと、自分に素直に振れなくなってくるのです。コースでラウンドし始めると「ボールに当てたい!」という意識が強くなり、手打ちになてしまうなど、自分に合った素直な体の動きを失ってしまうのです。
そこで、打ちっぱなし練習場に戻って調整することになります。
でも、子供の時のように、はじめから「自分に合ったスイング」を目指せれば、遠回りをしなくても済むのです。
そこで、打ちっぱなし練習場の使い方にも注意してみると、自然に自分に合ったスイングが身に付くことも多くあります。
おすすめの「4スタンスゴルフ」理論
ゴルフ理論は、昔からベン・ホーガンの「モダンゴルフ」、デビッド・レッドベターの「ザ・アスレチックスイング(Aスウィング)」などと進歩してきました。これらの理論もそれぞれの着目点を示してゴルフ普及に貢献してきたのですが、やはり優れたゴルファーの「成功事例」であり、どんなゴルファーにも通じる理論ではありませんでした。
そこに、横田真一プロの「4スタンスゴルフ」が登場してきました。廣戸 聡一氏の「4スタンス理論」に基づくゴルフスイング論です。この理論は、ゴルファーのスウィングを4つのタイプに分類し、全ての人に適応できるところが理論として優れたところです。
打ちっぱなし練習場で練習するときも、この4スタンスゴルフ理論を基に練習するといいでしょう。
自分の身体に合ったスイングを身につけられます。
「4スタンスゴルフ」の4タイプを意識して練習
4スタンス理論は、4つのタイプに分類されています。例えば、プロゴルファーも、以下のようにタイプが違います。
A1:石川遼、松山英樹
A2:ベンホーガン、タイガーウッズ、宮里藍
B1:青木功、横田真一
B2:ジャックニコラウス、ジャンボ尾崎、渋野日向子
伝説のゴルファーでもあるジャック・ニコラウスですが、「フライングエルボー」といわれ、バックスウィングで右ひじが開いてしまう特徴がありました。彼は、メジャータイトル最多ダッシュ記録保持者です。こうした名手と言われるゴルファーにも、定石と言われたスイング理論に当てはまらないクセが多く見られます。
また、松山英樹は石川遼と同じくA1タイプで、大きく体重移動があります。A2タイプのタイガーウッズのように、その場でくるっと回転しているようには見えません。
こうしたプロゴルファーのクセについては、従来「練習量が多いので許されるのだ」としてきました。
でも、4スタンス理論ではそのクセが「その人にとって最もパフォーマンスが高い動き」とされます。独自のスイングでもいいとされるのです。基本はあるが、「人それぞれで良い」と見ているのです。
こういったクセ、つまりタイプ別の特徴をよく知った上で、打ちっぱなし練習場で練習していくと成果が出てくると思います。
4スタンス理論を読んで、自分がどのタイプか調べておきましょう!
打ちっぱなし練習場の使い方
インドアと打ちっぱなし練習場の使い分け
「インドア練習場」と「打ちっぱなし練習場」とどちらが良いのか?と考えているゴルファーは多くいるはずです。
インドア練習場では「たった20~30ヤードしかない、かごの中で打ってどうする」と感じる人もいるかもしれません。何しろ弾道が見えないのですから。
でも、インドア練習場では、弾道にこだわらずスイングを意識して練習することができます。
弾道が見えてしまうと「真っすぐ飛ばしたい」「距離を出したい」など意識が出てしまい、余計な動きを覚えてしまうことも起きます。
打ちっぱなし練習場でもっとも注意しなければならないのが、「打ち上げる意識」です。ボールを上げようと、自分で引っ張り上げようとしてしまうのです。でもそれでは逆で、下に打ち込む意識がないとボールは上がりません。
アマチュアゴルファーの90%は「ボールが上がらない」ことに悩んでいます。逆に、プロのように「ふけあがって飛ばなくなる」と悩んでいるアマチュアは5%程度しかいないのではないでしょうか?
打ちっぱなし練習場で注意すること(階数の使い分け)
こうした「打ち上げる」「あおる」意識を自然に持たないようにするには、2F・3F打席など階上の打席を利用するのは大変有効です。目線を上げる意識がなくなるため、打ち上げようとする意識も自然となくなる傾向にあります。
2F/3F打席はボール料金も安いので、練習費用を抑えられるメリットもあります。
1F打席では、アプローチなど近距離の感触を付けるために使いたいですね。「時間貸し」を利用して、たくさんのボールを打つようにすると、アプローチの距離感を持つことができるでしょう。これも練習費用節約になり、練習効果も上がる使い方です。
また、インドア(室内だけでなく距離の極めて短い)ゴルフ練習場では、素振りを多く交えながら、打数を抑えて「スイング軌道」を覚えることに集中します。
ボールの行方を気にせず、思った軌道にクラブヘッドをのせられているかをチェックします。
練習ポイントの優先順序は?
打ちっぱなし練習場で練習をがむしゃらにしても効率は上がりません。目指すべきポイントを絞り、順番に練習していくことです。
練習場も練習方法によって選べると、練習効率も上がります。以下に目指すべきポイントの優先順位を示します。
①気持ちよく振れている?
初心者であれば、最初に注目すべき点は、「気持ちよく振れているのか?」を最優先課題とすべきです。気持ちよく振れていないと、力をクラブに伝えることができません。
それが将来の飛距離を決めることになるので妥協しないことです。
これにはゴルフクラブの仕様、特にシャフトの仕様が関係してくるので、ゴルフクラブは最初から自分に合ったものをチョイスすべきです。選び方は別の機会にお話しします。
②ヘッドをボールに当てられているか?
ゴルフ経験が長くても、クラブの「スイートスポット(ヘッドの芯)」に当てられたと満足できるスイングは、アマチュアのアベレージゴルファーにとっては数えるほどしかないものです。
「気持ちよく振れる」ようになったら、ボールをスイートスポット(スイートエリア)に当てられるのかに注力します。でも、あくまでも「気持ちよく振る」ことが優先です。
③狙った方向にボールが出ているか?(出玉チェック)
弾道が狙った方向に出ているかをチェックすることは、「スイングプレーン」が狙い通りであるかのチェックにもなるのです。
ボールの方向性が正しくても、サイドスピンで曲がってしまうことが通常ですが、最初は無視してスイングプレーンを正しく作ります。
この練習には階上の打席、またはインドア練習場の打席が向いています。
④ヘッドの面を合わせる
ヘッド面を合わせるのは、腕のローリング(ねじり)によります。これは初心者の時は難しく、ゴルフスイングで唯一、自分で意識的に合わせる必要がある動きと言えるかもしれません。
この練習には、インドアではなく打ちっぱなし練習場に出る必要があります。インドアでもシミュレーターがあれば良いかもしれません。
飛距離を気にせず「合わせに行く動作」です。そのとき、体の動きが止まることなく自然に動き続けることが出来るまで練習が必要です。
⑤スピン量をコントロールする
アベレージゴルファーでこのレベルに達している人はまれです。シングルプレーヤーにならないと必要性すら感じられないからです。
足を使ってヘッドを滑らせるなどしてスピン量をコントロールします。こうした練習には、打ちっぱなし練習場の「時間貸し」「1球あたりの値段」などで使い分けることで費用の節約が図れます。
打ちっぱなし練習場の使い方、注意事項まとめ
打ちっぱなし練習場は、それぞれ料金体系が違います。レッスンプログラムにもいろいろあります。
設備を事前に調べて、それらを使い分けることで利用価値も上がり、ゴルフの上達を早めるでしょう。
個人レッスンにも色々なレベルがありますが、RIZAP GOLF(https://www.rizap-golf.jp/plan/ )が、最も丁寧に個人用レッスンプログラムを組んで実施しているようです。
でも、まずは「4スタンスゴルフ」理論に従って自分のタイプを知ってから検証してみる必要があります。