【新型トヨタ・カムリ(2)】トヨタ・カムリ新旧比較表

トヨタ

新型トヨタ・カムリが2017年1月北米モデルが発表されました。続いて7月10日、日本で発売されることが決まりました。日本企業でありながら発表を北米が先行する、寂しい状況が続きます。TNGA適合の3車種目になる新型トヨタ・カムリには世界戦略に基づいてプリウスに始まった共通のシャーシが使われています。

新型トヨタ・カムリはこれまでのイメージを一新する「スポーツ・セダン」を前面に出した機能が満載です。

写真出典:http://toyota.jp/camry/new_camry/




トヨタ・カムリ新旧比較表

ここで、トヨタ・カムリの2017年モデルと前2011年モデルの新旧比較表をあげておきます。

新型は2017年アメリカモデルからの推定で、注目点もあげておきます。

新旧モデル比較で、気になる注目点は?

・全高は30ミリ低くなっている。ワイドアンドロ―になってカッコ良くなっているのではないか?

・最低地上高は、あとで確認たところによると145ミリとなっており、若干低くなっている。

・室内寸法は、全高が低くなった分ちゃんと確保されているのか?

・車重は、10キロほど重くなっている。

・最高出力は、131[178]/5700(kW[PS]/rpm)で上がっているが…。

・エンジン最大トルクは、米モデルで25kgfmだが、日本モデルは221[22.5]/3600 (N・m[kgf・m]/rpm)。

・ モーター最高出力は、88[120](kW[PS])。あれっ??

・燃費(JC08モード)では、実際の日本モデルは24.6 km/L。WLTCモードでは、グレードによって21.6 km/L~27.1 km/L。

・トランスミッションの電気式CVTは、2011年モデルより改良されているのか?

・駆動方式はFFだけだった?のが、4WDも加わっている。

 

勘違いが多い「共通部品」についてーちょっと経営の話

当然ですが、TNGAをすすめるトヨタは、2017年カムリでもTNGAを基本に開発してきています。そして、カムリの新型パワートレーンは、部品の大幅な共通化でコストダウンをはかっています。

よく考えてみれば他の車種と部品を共通化できるのに、車種、機種ごとに設計していると、それぞれ独自に部品を作ってしまうものです。だから、「他の車種と共通部品」と言うと、「同じものだろ?」と思いがちです。

しかし、現在、トヨタのTNGAやマツダのスカイアクティブテクノロジー、スバルのグローバルプラットフォームなどと言って各社がしのぎを削る共通部品化の意味合いは、必ずしも同じ部品を使うということではありません。


 

「生産現場で共通部品として扱える」のが共通部品です。組み立てラインでは「同じラインで流せる」のであれば「同じ車種」として取り扱うのです。コマツの組立工が40以上の機種を組み立てられると語っていましたが、同じラインで組み立てられるのであれば、ラインの現場では同一の車種とみなします。

製造業を良く知らないと分からないかもしれないね…。

 

こういったトヨタ生産方式やTNGAなど生産技術が、これまで製造業の社運を制してきた事実、そして企業の資金効率を決定的に支配した事を、多くの業種の経営者たちが理解できていないのが現実です。トヨタ生産方式を導入しようとして失敗した企業も多くあります。

トヨタ生産方式ってほんとに画期的な「考え方」「ノウハウ」なんですよ。筆者も、自社で導入しその資金効率の良さを身をもって感じてます!

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提案型販売は資金効率を上げるのが目的

もっと話を広げていきますよ! 実は、筆者は「トヨタ生産方式」を物販で試したことがあります。

物販(店舗)で資金効率を上げる目的で「提案型販売」を考えだしました。その中で、「広告技術」は「資金効率を上げるのが目的」と筆者は理解しているのですが、それが物流や店舗経営者にはよく理解されないていません。

そのため、広告代理店は「イベント」を好みます。一発屋みたいなもんですね。イベント直後は売り上げが上がるのですが、長続きしないのです。多額のイベント広告費をかけても、費用対効果はどうなのか考えると?マークがつきます。

だから、実直な経営者は「平準化」を理解することが重要です。これは、トヨタ生産方式や新しいTNGAの考え方も「平準化」が基本です。

例えば、経営者でなくても、オリンピックという国家的大イベントで、オリンピック後に景気が持続するかが問題とされるているのをご存じの方も多いでしょう。

それは、ピークだけ作るイベント効果では無駄が大きすぎるからなのです。

 

さてさて、カムリに話を戻しましょう!!!

TNGA新プラットフォームの燃費性能の良さ

■空気抵抗が低減されるから低燃費

TNGAの動きの中で新プラットフォームの造りが最重要です。

上記『新旧モデル比較で、気になる注目点は?』で示したとおり、新プラットフォームの新型カムリは全高の低さがあります。2017年カムリでは、2011年モデルと比較して全高が30ミリ低くなっています。

エンジン・ミッションなど重量物の取り付け位置などが下げられて、重心も30ミリ下がったと言います。

また、2017年新型カムリでは、旧型に比べて全高が30ミリ下がっているので、床高も下げられていないと室内高が窮屈となる可能性があります。

↓↓↓新型カムリと同じプラットフォームを持つプリウス床下

出典:http://gazoo.com/news/article/st3/Pages/2016/02/RES_269741.aspx?MAKER_CD=A%20&CARTYPE_CD=425&GENERATION=

同じ新プラットフォームを持つプリウスの床下を見てみると、マフラーが丸形ではなく楕円形となっています。床を下げているのが見受けられますね。

2017年新型カムリが全高を下げたことは、クルマとしての操縦性・空気抵抗の低減・高速燃費などで良いことばかりです。期待できますね。

特に、90km/h程度の走行で、エンジン出力の半分を空気抵抗に食われると言われるんだよね。

だから、全高を低くすれば高速走行での燃費を良くすることが出来ます。

アメリカやEUのフリーウエイなど高速走行の多い場面では、大きく貢献することになります。ハイブリッドエンジンの燃費効率は、日本国内のJC08モードでは優秀でも、高速走行の多い北米やEUで効果はかなり落ちてしまうのは、空気抵抗によるところが多いのです。

EUや北米で高速走行に不利(全高が高い)なミニバンが流行らないのは、そういった道路事情で日本国内と比較すると高速性能を必要としている背景があります。

ミニバンは、日本国内の高速道路でも90kmまでにしておくほうが燃費が伸びます。100km/hを超えるころから急速に燃費は落ちてしまいます。100~110km/h以上を多用する人は、プリウスの全高の低さは大きなメリットでしょう。今回の新型トヨタ・カムリも30mm車高を下げたことは、メリットが大きいことと考えられます。

↓↓↓何度かディーラーに通って、営業マンに説明してもらおうと思いましたが、カムリの特徴さえも言えない営業マンが多すぎます。詳しいことは知りたいファンは、こちらを読んでみましょう。

 

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■軽量化の努力があるから低燃費

2017年新型カムリは全高が低いことだけでなく、新プラットフォーム構成する材質をより軽量な高張力鋼、超高張力鋼(ホットスタンプ)などに替えて軽量化を進めています。

軽量化の努力も、すべての面でクルマの性能に良好な結果をもたらすもので、特に燃費にとって基礎的な技術です。「100kg軽量化すると1km/L燃費が伸びる」と言われる状況では、何よりも重要な技術です。

また最近は、外装内装ともに豪華装備の必要性があるマーケットです。皆さん、エクステリアやインテリアが気になりますよね。

クルマの基礎的構造材での軽量化は、一方で、電子コントロール部品や、室内の快適性を上げる装備に重量をかけられることにもなるので、商品力として考えた時も死活問題なのです。

世界の自動車メーカー各社が、カーボンなどの軽量な次世代構造材の開発にしのぎを削っている状態です。

すでに、日本企業は、飛行機のB787の胴体の一部を丸ごとカーボンで造り、そのまま窯で焼き上げる技術を開発しています。BMWは i 8、i 3、750などでカーボンボディを使い始めており、今回の新型カムリでは物足りない部分でもあります。

新型カムリ・ハイブリッドエンジン熱効率の戦い

現在、世界には大きく3つのハイブリッド方式が存在しています・・・・

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