【東京モーターショーで気になった1台(下)】AI技術のバグを退治せよ!BMW8シリーズ・コンセプト 明るい未来のために!

BMW

筆者は、【東京モーターショーで気になった1台(上)】において、BMW850iのオーナーだった経験から、欠陥車に苦労したエピソードを書いている。そこから、東京モーターショーに展示されたBMW8シリーズを見て推察できる、AI技術の落とし穴について言及したい。



 

AIブームの中、増える欠陥車に対する対策

自動車市場が縮小する中で、メーカー、ディーラーの欠陥車に対する対応をやり直してほしいものだ。現在では「ユーザーをクレーマー扱い」して、クルマ(企業側)の欠陥を葬り去る手法が流行っているようだ。このやり方を奨励しているコンサルまで存在しているが、それは感心しない。

電子制御プログラムには、必ずと言って良いほど「バグ(間違い)」が存在する。このまま自動運転車を製造していくと、まれにバグに出会うことになる。ユーザー側も気付かない故障が出ることになる。

現在でも制御プログラムのバグは存在しており、ユーザーの気付かぬうちに事故につながっている場合もあるだろうが、表ざたにならない。銀行オンライン(ATMなど)でさえ「バグ」が存在すると、開発当事者たちが言っている。

「バグの無いシステムは無い」が「開発者は成功してほしい」(日経BP社:ITpro「記者の目」より)

この世の中、つまり文明は「品質保証」が支えているので、欠陥車対策に答えを出しておかないと、テスラの事故車のような犠牲者が増える恐れがある。ブランドにおごねることなく、真摯に向き合っていくことが、電子制御の技術的課題をクリアすることになっていく。メーカーはごまかさずに正面から対処できないと自動車市場が、ますます縮小してしまうだろう。

テスラ車死亡事故、米当局が自動運転が一因と報告へ=関係者(ロイターより)

自動車工業会として、欠陥車問題を精査しておかないと、電子制御が大量に搭載されていく現代の技術革命の中で、AIによる事故が多発しながら隠蔽されていくことにもなる。現在も制御不良の事故が隠蔽されている可能性が高い。豊田章男社長には、全市場の将来を考えて最優先で取り組んでもらいたい。

「クレーマー問題」があるのであろうが、逆に「ブランド・メーカーがクレーマーまがいの姿勢を取る」のでは、興ざめである。

半世紀にわたって、40台以上の車を乗り次いできた自動車ファンからの真摯な願いである。

 

BMW850後継車はハイテクの塊 バグは克服せよ!

新しいBMW850の後継車、8シリーズコンセプトカーは電子制御満載である。AI自動運転もどこまで進んでいるのか楽しみだ。


しかし、先代850が登場したときも、日本車に対抗するため、当時最先端の電子制御を積んで、失敗したことを克服できているだろうか? メガサプライヤーのボッシュとの責任の所在の調整も、出来ているとは思われない。

【東京モーターショーで気になった1台(上)】

グローバル発注の負の部分だが、自動車工業会として「AI自動運転時代」を迎えるにあたり、絶対に克服してもらいたいものだ。パソコンプログラムのように「フリーズ」してもらっては困る! 車は命にかかわるのだ。くれぐれも申し上げておくが「バグ」対策を技術的に克服しておくことが、自動運転普及の絶対の条件である。

EV車・自動運転開発の裏にみる、自動車産業 VS IT産業のギャップとは?(財経新聞:筆者投稿の記事より)

そして、行政側あるいは国会議員は、日本のPL法(製造者責任法)を改正して、欧米並みに「メーカー側が欠陥でないことを証明できなければ賠償責任が生じる」ようにしておくことだ。それがプログラムのバグを、メーカーがなくす努力をするきっかけになる。くれぐれも「クレーマー対策」と、「欠陥車対策」を混同して、全てをユーザーの責任に押し付けてはならない。そして現在の制御プログラムには「バグ」が存在していることを認めて、安全策を立てることだ。

東京モーターショーの8シリーズコンセプトでは、最先端技術への期待ももちろん膨らむが、このような負の部分も担保しておくことで、より明るい未来が待っているのだと思うのである。

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