湯河原カンツリー倶楽部、知恵の輪サイトの見立て
ゴルフ場の立地条件
首都圏の人口密集地からは遠くとても厳しい立地条件ですが、熱海・湯河原・箱根などのリゾート地としての立地を重ね合わせることが必要でしょう。抜群の景色と、箱根の富士屋ホテルと同じように、何もかもが古い歴史を感じさせる雰囲気があります。コースとしても、狭い・短い・アップダウンがあるハンディと思われる条件での営業となります。
社団法人会員制であることは会員の意志が強く出るのが本来ですが、多くの会員を抱えると太平洋クラブのように会員組織は無力です。湯河原カントリー倶楽部の現状がどのようなものであるのかは不明ですが、これまで会員も営業に貢献してきたのでしょう。それが本来のクラブ組織と言えます。太平洋クラブ、PGM、アコーディアゴルフ(AG)など多くのコースで、会員制とは名ばかりの管理会社の利益追求型となっています。現在まで続いてきた湯河原カントリー倶楽部の管理運営体制の実際を聞いてみたいところです。
予約サイトの口コミ評価から見えるもの
総合評価GDO3.6、楽天GORA3.8と、このコースとしては大変高い評価に感じます。メンテナンス、接客など努力しているのが窺えます。
個別評価で注目すべきは、値段が手ごろGDO4.1、楽天GORA3.9とGDOが逆転し高い評価を与えていることです。GDOのゴルファーが値段の設定で高い評価を与えているのですから、山岳コースの面白さをうまくゴルファーに味わってもらえているのでしょう。グリーンや戦略性について評価が良いのがその証拠です。おそらくは進行面で渋滞が起きているはずですが、全体の印象が良いので、評価を落とさないようです。小田原ゴルフ倶楽部松田コースとは正反対のお客様の反応です。やはり「商売」とはお客様に喜んでもらえることを、与えられた条件の下で精いっぱい行うことが基本ですね。
顧客満足度(CS)は経営者側の姿勢に対して敏感に反応するものです。
値段が手ごろで気持ち良くプレーできれば、生き残ることが出来るゴルフ場かもしれません。
ゴルフ場の広告戦略
山岳コース特有の景色の良さは、小田原城カントリー倶楽部の「天空のコース」のような広告キャッチフレーズに使えるもので、太平洋クラブ御殿場コース、アコーディア・ゴルフ「トロフィアブランド」石岡ゴルフ倶楽部などが行っているトーナメントコースを前面に出した方策と並ぶような、重要なキャッチです。
ゴルフ業界全体が広告宣伝については殆ど無知と言える状態で、コースの特徴をとらえた営業方針を打ち出し、それに伴うキャッチフレーズを考えて、順次宣伝活動をしていくことが重要です。まずは営業戦略を立地条件からとらえることから始めて、立案する必要があります。
<ビジネスマンなら読んでおきたい本:amazonより>
※↑この書籍に書かれていることは、これからのゴルフ場存続のために欠かせない知識のはずです。
まだゴルフ場に営業戦略が必要であるとの認識もなく、広告戦略について協議できる人材もいないのが、日本全国のゴルフ場業界の現状です。これは業界間の格差でしょうが、信じられないほど「殿様商売」体質から抜け出せていないのです。ゴルファー減少が進む現状の市場認識から、立地条件・コースの特徴に即した営業戦略が必要であることを知るべきです。
ただ待っていては現状維持が出来ない情勢です。人口密集地から遠い立地条件のゴルフ場から縮小していくのは全体としての方向性ですが、それには営業方針の影響が大きく出ることを学んでください。立地条件は営業方針との相対的な問題です。