【理想主義的社会主義(3)】グローバル企業の力[3]

日記

産業革命以来、資本主義が生まれて数百年の歴史で、「資本主義と民主主義」が一対であるがごとき幻想を描いている人も多いことでしょう。「自由こそ民主主義」ではないことも認識する必要があるのです。

☚【理想主義的社会主義(2)】グローバル企業の力[2]

巨大格差の広がり

62名の人間の総資産と、世界人口の半分程度の「底辺の38億人の総資産」が同じであるとの研究結果があるそうです。人間の能力はこれほど差があるものでしょうか?「努力する人は報われる」としていた資本主義経済の信奉者たちは、これほどの「怠け者」が世界にいるとでも言うのでしょうか? ありえない数字です。

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日産自動車のカルロス・ゴーン社長の年収が11億円余りであると聞きます。日産自動車製造工場に働く社員は400万円ほどでしょうか。ゴーン氏と社員の一人は、これほどの能力差と、仕事の重要性に差があるというのでしょうか?

村上ファンドは数百億円の利益を上げます。分野が違えどもそれほどの能力差を皆さんは認めるのでしょうか?

石川遼選手は、年収数億円でありましょう。確かにゴルフは石川選手は天才的です。でも皆さんの能力、私の能力は、分野が違えども彼とそれほど違うでしょうか? おかしな話です。

小泉進次郎衆議院議員たちが提唱した「健康ゴールド免許」について、私は反対でも賛成でもありませんが、国の財政を健全化しようとの発想であれば「とんでもない間違い」です。でも彼は国会議員であり、私はただの隠居です。でもそれほど能力に差があるでしょうか?

これが社会と言うもので、格差が正当であるはずもないのが現実です。今、世界で起きつつある巨大な格差は、人類の危機を起こす可能性が考えられています。

理想主義的社会主義の名残

自分の意見を主張することが出来る仕組みが、「社会制度の中に作れていない」と民衆が感じたとき、暴力革命がはじまります。まず日々の生活の中で社会制度に、もっと関心を持つ必要があります。特に企業活動の中で、取るべき施策を決めるとき、経済性だけでなく「民主主義社会制度に反しないか?」と自問自答することが必要になっているように感じるのです。それほど企業は人々を支配する力を付けてきており、「儲かればよい」と軽率に言動することは許されない責任を自覚する必要が高まっているのでしょう。それは歴史上に現れたことのある「資本家・経営者に期待されたモラルの高い意識」に期待する考え方のように感じます。それは同時に「実現不可能であった」ことも念頭に置くべきでしょう。

人間は「利己的に動く」ゆえに「利己的心が経済発展の力となる」と考えたのが「資本主義」でしょう。それは同時に民主主義は「社会制度として作り上げなければならない」ことを示しています。国家権力がグローバル企業を支配できないのであれば、一体どんな制度を作ればよいのでしょう?

これまでの経済理論を擁護するのではなく、経済学者の本当に活躍すべき場面です。「現在の社会体制の支配下にある産学共同研究」では出来ない「人類全体のための研究課題」です。

・・・・つづく