【真珠湾攻撃から75年・中国空母「遼寧」の位置づけ(3)】~空母機動隊が持つ意味

社会

1941年12月8日(アメリカ1941年12月7日)日本軍による真珠湾(パールハーバー)奇襲攻撃から太平洋戦争は始まったとされています。真の話ではマレー半島コタバル上陸作戦が時間的に早かったと言われていますが、対英米戦争を直接引き起こした攻撃であったことは真実です。それまでの経緯はともかく、アメリカ人にとって屈辱の日として記憶されているのも事実です。それを安倍首相は払しょくすることが出来るでしょうか? 日米の和解は沖縄の基地問題を置いて、実現できるとは思われません。現在は、中国の軍拡の動向も気になります。



☚【真珠湾攻撃から75年。中国「遼寧」の位置づけ[2]

空母機動部隊が持つ意味

戦術核があったとしても、世界は結局は通常兵器で戦争することになり、その通常兵器の優劣が戦闘の決着をつけることになっています。

シリア情勢を見ても、ロシアの反体制派に対する空爆が戦闘の決着をつけたようです。アメリカが政府軍に対して空爆を行わないとした姿勢でいる限りは、これは分り切ったことです。アメリカはロシアとの戦闘になることを避けたのでしょう。プーチンの押しの強さとでも言いましょうか?

そのような世界中の戦闘条件の中では、空母は大きな役割を果たしています。空母1隻で小国の軍事力を凌駕するほどの威力を示しているからです。この存在そのものが、その国の政治力となっているのです。

アメリカの世界の海での覇権は、空母機動部隊により作られていると言っても良いくらいなのです。

 

中国遼寧が目指す、外洋艦隊の意味

旧ソビエトも、アメリカのこの動きを見過ごしていたわけではなく、外洋艦隊を作ろうとしていました。

それが、現在、中国海軍として就役している空母「遼寧」です。中国は「カジノ船」にすると言ってロシアから船を買い取り、空母に改装。装備品は全て取り外して民間船としての利用を前提にした取引でしたが、中国はこれを空母として独自に改装したのです。

ソビエト、中国共に、アメリカの絶対的な世界の海での覇権を揺るがそうと考えたのです。

彼らは、空母を戦略的兵器として考えている訳ではありません。現在では戦略核は、潜水艦発射SLBMに移っています。現状はミサイル迎撃システムのように「スターウォーズ」となって、空母は戦略的戦争では無力なほど弱者です。

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それでも、中国が空母機動部隊を保有して、外洋艦隊を持ちたいと考えるのは、経済的、あるいは国連などの世界政治の中での発言力を持つことが狙いです。アメリカのように。

やはり、外洋艦隊とは洋上の動く軍事基地であり、空母1隻で小国の軍事力を凌駕するほどの威力を持っているからでしょう。

 

↓↓↓コロナ禍2021年現在、中国による南シナ海の実効支配や尖閣諸島周辺の領海侵犯など強硬策に対し、日米豪印の「対中国抑止策」が動いています。その一環として、フランスも最新鋭空母クイーン・エリザベスを派遣する準備を進めています。

日米の和解はなったのか?

2016年12月28日、日本の安倍首相が真珠湾(パールハーバー)を訪問し、オバマ大統領と共にアリゾナ記念館で献花しました。これは、歴史的に大きなイベントでした。アメリカ人は、75年前の戦争の遺恨を感じる・・・➡【真珠湾攻撃から75年・中国「遼寧」の位置づけ[4]