【豊洲市場問題から学ぶ(2)】水はコンクリートの天敵[1]

日記

豊洲新市場が大問題となっています。問題が非常に多岐に渡り、どこに切り口を求めるのか迷う状態です。

その中で基礎知識がいる内容も多く、今回は基礎の基礎としてコンクリートの話を取り上げておきます。

酸化が寿命を決める

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豊洲市場の建物の地下に水が溜まっている様子が明らかになりましたが、皆さんの住むマンションなどでも水が出ているところは結構あります。水が出ていて良いわけもないのですが、住民は危機感を持っていないものです。それは、場合にもよりますが多くの問題点は、これから2~30年後ぐらいに建物の寿命が縮まっているという問題であるからです。今、目の前の問題ではないからです。

コンクリートの建物の寿命は50年ぐらいに設定されて設計されています。コンクリートは「完璧に施工できれば千年持つ」と言われます。完璧に施工できれば「防水工事なしにプールが出来ます」。しかし、完璧な施工は100%出来ないのです。乾燥に伴い、必ず微細なヒビが入ってきます。そのヒビに水や空気が入ると酸化が始まり、アルカリ性であるコンクリートを中和してしまいます。コンクリート壁で守られている鉄筋はコンクリートの中のアルカリ性被膜で覆われ錆から守られています。酸化がコンクリート内部に及んで鉄筋のアルカリ性被膜を壊すと、鉄筋は錆てしまい3倍以上に膨れ上がり、内部からコンクリートを割ってしまって強度を奪ってしまいます。「爆裂」といわれコンクリートの寿命であり、通常の設計、施工は、そこまで50年以上は持つように考えられているのです。

逗子マリーナの場合[1]

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逗子マリーナでは7号棟と8号棟に地下駐車場があります。この2つの駐車場は対照的な造りとなっています。先に出来ていた7号棟は、「大変良いコンクリート」です。換気、排水装置、さらに消火装置と完全な駐車場としての造りで、現在は知りませんが、10年程前までは目視ではヒビひとつなく、水が地下から染み出ているところも、溝も含めて見当たりませんでした。完全に乾燥しているのです。大雨が降ったときには、入口スロープからの水の侵入が見られて、この排水が入り口近くで間に合わなかった時には、床一面に浸水が見られました。津波や高潮、大雨の時の排水能力の強化は必要です。地下水位が海抜0メートルですから厳しいところです。・・・つづく。

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