【豊洲新市場問題から学ぶ(1)】結論ありきの作文[1]

アコーディア・ゴルフ

築地市場から豊洲新市場に移転する計画で、混乱が生じていることは皆さんも聞き及んでいることでしょう。この問題から見えてくることは大変多くあり、これからも表面化する内容があるのでしょう。そこで問題を冷静に見て学ぶべきことを拾っていくと、我々の身近な問題も良く理解出来るのではないでしょうか。

結論ありきの作文

アコーディア・ゴルフ(AG)の場合

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AGの中期事業計画について「ゴルフ市場分析から入らないのはおかしい」と過去に書きました。それは「初めに結論ありき」で「あとから作文」しているからと考えざるを得ません。民間企業の事業計画で、これほどMRを無視して事業計画を立てようと考える、その発想は「官僚の作文」としか言いようのないものです。官僚は身につまされた将来の危険について感じていないので「作文」が出来てしまうのですが、明日の運命を感じている民間企業であると、これは出来ない範囲です。

MRのデータのとり方でも「思い込みがあってはいけない」といつも気を付けていました。先入観を持たずにデーター分析しないと事実誤認をすることになり、会社を倒産させてしまうことを恐れるからです。

しかし、AG社員から将来の不安について、買収されること以外では聞いたことがありません。幹部から「AGと言う企業にはこだわらない」とした声を聴くことがあっても、社員の生活を憂える声を聴いたことはありません。

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AGの事業計画は「自社株買いありき」で作文されたものでしょう。見事なまとまりですが、この中期事業計画に基づいての事業展開は、現在、不能な事態であるはずです。買収されるゴルフ場を含めて、ゴルフ市場の動向を考えずに、立てた計画であるからです。

結論を決めていながら、それを裏付けるストーリーを書くのですから、どこかに矛盾が出てしまいます。

そして犠牲になったのが社員の権利でした。

一体、こんな矛盾した行為が出来るのはどうしてなんでしょうか? それは社会を構成している官僚組織、役所組織、つまり行政の姿勢が、極めてこの「結論ありき」に偏っているので、社会全体の常識となってしまったのでしょう。

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