【資金効率(1)】3つの業種[1]

日記

資本主義の社会ではこれが本題です。ファンドの資金効率の考え方と、ビジネスモデルとしての資金効率の考え方の相違など、明確に認識している専門家に、いまだに私は出会っていません。長くなりますがこの問題を見ていきましょうか・・・

なぜ3つの業種に分けるのか?

現実の2事例

先日、日産自動車はバッテリー開発部門を売却しました。日産はハイブリッドに大きく後れを取り、「電気自動車で行く」とカルロス・ゴーン社長は、就任直後語っていました。それは日産自動車はCVTとバッテリー開発で先行していたからで、高性能のバッテリー開発が急務でした。しかし、その後これと言って成果を上げられず、今後、コスト面でバッテリー専門サプライヤーから買う方が、世界的視野ではコストが安いと判断したのでしょう。そして発展途上国でのブランドである三菱自動車を傘下に収めました。生産台数でトヨタ、VWなどに伍していくためであります。この判断が「資金効率」を考えるうえで、大変良い例になります。

もう一つもっと身近な問題では、PGMとの統合を目指して平和が神田元所長を配して、敵対的TOBに打って出たときの資料で「物販は資金効率が悪いので廃止する」としていました。これは面白い判断で、ファンド体質を良く表しています。

3つの業種に分ける理由

サービス業(販売方法)

基本的に在庫がありません。人件費が最も大きなコストですが、寝かせる資金が必要ないのが特徴です。

焦点は販売方法、つまり営業施策になります。営業のやり方次第なのです。つまり客単価×客数をいかに低いコストで実現するかです。

物販(在庫管理+販売方法)

物販ですので在庫品が当然にあることになり、そこが資金のたまり場です。資金効率を考えると在庫管理がメインとなります。すると在庫を極力持たない販売方法が資金効率を決めます。仕入れ方法、物流方法、販売方法が必要になります。つまりサービス業の販売方法にプラス、仕入れ量の最小化とリードタイムを最短にする販売方法です。そして店舗面積の縮小です。

製造業(在庫管理+製造方法+販売方法)

サービス業に物流を合わせた業態が販売業で、それに製造過程を加えた業態です。最小の在庫で最短のリードタイムで、最小の設備面積を求め続けるのが製造業です。メーカーとは3つの業態を全て持っているのです。

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