【資金効率(2)】3つの業種[2]

日記

資本主義の社会ではこれが本題です。ファンドの資金効率の考え方と、ビジネスモデルとしての資金効率の考え方の相違など、明確に認識している専門家に、いまだに私は出会っていません。長くなりますがこの問題を見ていきましょうか・・・

☚【資金効率(1)】3つの業種[1]

3つのメカニズム

サービス業が一番ファンドには向いている業態と言えるかもしれません。資金効率を考えるのには、単純で分りやすいからです。

日産自動車のゴーン社長の判断基準は「グローバル買い付け」でサプライヤーからの買い付けでコストが決まる体質です。一方トヨタの「下請け体制」は「造り方」の勝負です。どちらも資金効率の最適化を狙ってきたのですが、製造技術の開発が勝負を決めてきました。「I o T」の第4次産業革命の基では、MR・仕入れ・製造・販売・アフターメンテナンス・再販までのすべての過程が結びつく必要があります。その「システムの構築ぐわい」で「資金効率」決まるでしょう。

在庫管理・製造方法・販売方法が結びついたのが製造業、在庫管理・販売方法が物販、販売方法だけがサービス業と区別すると、全ての業種はこれらどれかに分類されます。その3つのメカニズムで資金効率が判断できるのです。

資金効率の中身

PGMのAGに対する敵対的買収に乗り出した当時の神田社長の「物販は資金効率が悪い」との判断は当然と言えば当然ですね。何しろサービス業であるゴルフ場運営では「在庫」がないので、在庫管理を考慮する必要がないので、「在庫は余計な資金」となるからです。では、この判断は正しいのでしょうか・?

投下資金の量からいえば、サービス業のほうが少ない資金で運用できる可能性は高いと言えます。ではゴルフ場に来るお客様のすべてが、顧客になりえる物販の市場をとらえないことは、商売としては、かなりの怠慢と言えることでしょう。目の前に毎日現れる顧客に気づかないようなもので、ゴルフ場がゴルフ用品販売をしてこなかったのは、異常とも言える状態です。わざわざ量販店に出かけて試打も出来ずに買うのですから、顧客側から見てもかなりのドジであります。習慣を変えることが両者のWin-Winです。

資金量からいって、サービス業だけで行くこともあり得ます。でも目の前の宝の山を】見逃すことにもなります。ファンド体質からいえば「在庫管理+販売方法」を技術開発しながら行うこと自体が、「おっくう」なのです。「怠慢」と言った方が適切です。そしてトヨタのように、社会で必要とされる産業の中で「工夫」次第で圧倒的「資金効率」を得ることが可能なのです。

資金効率とは、単純に「少ない資金で稼げる商売」ではなく「工夫に工夫を重ねて、少ない資金で稼げる商売」なのです。

【資金効率(3)】3つの業種[3]➡