【資金効率(6)】アセットライト[3]

アコーディア・ゴルフ

 

星野リゾート、アコーディア・ゴルフなど「資金効率の面」からアセットライト経営を目指す動きがあります。ファンド全盛の時代、企業が取り組まなければならない課題でもあります。

【本物の資金効率(1)】  【資金効率(1)】3つの業種[1]などでご紹介した資金効率を考えた「アセットライト経営」について、見ておきましょう。


☚【資金効率(5)】アセットライト[2]
☚【資金効率(4)】アセットライト[1]

■仕事を楽にしよう

私が最初に社員に呼び掛けたのが「仕事を楽にしよう」でした。「困難な仕事になっていることを、みんなで問題点を解決して楽にできるようにしよう」と言う意味です。それぞれの担当者は、横の連絡もなく他人の分まで背負う人はいないので、自分の責任範疇で非効率なことをしています。同じ仕事の繰り返しや、重複は数知れずです。

例えば、仕事の段取りですが、毎日同じ段取りを繰り返してから仕事を始めることを、繰り返しとは思っていないことが良くあります。自分では同じ段取りを当然と思い込んでいるのです。それもかなり難しい段取りをしていることがあり、それを職人芸のように自慢に思っていたりします。それを治具を作るだけで解決したりします。

皆さんも、まず朝の段取りから見直してみてください。なぜこの作業を繰り返しているのか?と考えるのです。必要がない方が良いはずです。こんなことから初めて、本題に近づくのに1年以上がかかります。

■実例:大きなバケットのロット生産

1.5㎥~3㎥の大きさが主力製品でしたが、0.5㎥~6㎥ぐらいまである、ある建設機械メーカーの建設車両用のバケットの生産工場の改善作業、「工程結合」でした。2㎥のバケット30ロットでも中間在庫の起き場所は大変です。なにせ工程数が部品製作を入れると40程度はあるのです。2㎥×30×20ぐらいとします。部品から完成品置き場まででは必要な場所がその位であるからです。1,200㎥ぐらいが必要であると出ます。積み上げられれば面積は減りますが取り回し時間が増えます。起き場所だけで1mに積み上げて1,200㎡となります。このロットだけの在庫場所です。実際の作業工場面積は3,000㎡ぐらいです。材料置き場を入れると6,000㎡と倍ぐらいが必要でした。これを運搬するクレーン設備、フォークリフト、トラック、作業員などと、国家資格の必要性や、事故を防ぐ手立ての要員、そして天井走行クレーンが設置できる建屋など重設備です。その上に工作機械ですので、とても採算を取ることは難しいのです。もっと上げれば運搬機械のガソリンを保管するのにガソリンスタンド並みの設備、ガスタンクや配管、酸素タンクに配管、炭酸ガスタンクに配管、電力供給に必要な変電所など、設備・管理費用は尋常ではありません。減価償却費は、それでも機械加工工場と比較すれば、かなり軽いのです。

製造業のアセットライトの正体

この誤りは救いがたいものでした。この設備を自慢していたのですから、大笑いです。またこの設備を投資したので親会社が系列に参加してくれと言ってきたのです。

ゴルフ場などのサービス業の下請けとは、実情が違って実質「共同出資者」・・・

【資金効率(7)】アセットライト[4]➡

【市場を掘り起こすとは?(1)】ライフスタイルに提案[1]
【本物の資金効率(1)】
【資金効率(1)】3つの業種[1]
【市場を掘り起こすとは?(1)】ライフスタイルに提案[1]
【グローバル発注と系列】カルロス日産と章男トヨタの戦い[1]
【アコーディア・ゴルフのMBKパートナーズによる買収について(1)】
「東芝、横須賀の植物工場を12月末に閉鎖。レタスなどの生産・販売も終了」[1]
【ゴルフ場の立地条件(1)】たまに集客の達人!