2020コロナ禍が続く中、残念なニュースが飛び込んだ。ホンダがF1から撤退するという。「これは終了であって、再参戦はない」とのことだ。黄金時代、ホンダ創業者・故本田宗一郎氏がF1の現場に足を運んで、音速の貴公子・アイルトンセナと抱き合った場面が思い出される。そして、宗一郎氏が言った「走る実験室」が1つなくなることは、ホンダという企業にとって今後どう影響してくるのかが気になる。
2020年、ホンダ・F1撤退のニュース
レッドブルと組んで、少しずつ良くなってきたと思ってたのに、すごーく残念だ!!!!!
え……。
ホンダ 自動車レース「F1」から2021年シーズン限りで撤退へ(NHKニュース)https://t.co/fJfkLhZR64
— NHK広報局 (@NHK_PR) October 2, 2020
ホンダは、自動車レースの最高峰、「F1」への参戦を来年、2021年シーズン限りで終了し、撤退すると表明しました。
自動車業界が大きな転換期を迎える中、最も重要な課題となっている脱炭素やエネルギー分野の開発により力を入れていくとしています。(上記NHKより引用)
ホンダが自動車レースの最高峰F1から2021年シーズンを最後に撤退します。研究開発の負担が増すなか、電動車などの次世代技術に経営資源を振り向けます。https://t.co/rhvgmJTLFk
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) October 2, 2020
今後は環境対応のため燃料電池車(FCV)やEVなどの研究開発に経営資源を重点的に投入する必要があると説明。(上記日経より引用)
たしかに、今はFCVやEV、さらには欧州に自然由来の水素エンジンの開発話も出てるから、企業として全方位に構えていくのは大変かもしれない…。だけど、頑張ってほしかった!
ホンダはこれまでF1を「走る実験室」と位置づけてきた。レース用の車両開発で得られた知識と経験が市販車にも生かせるとして、毎年、数百億円程度とされる開発費を投入してきた。(上記日経より引用)
「走る実験室」がうまく機能してなかったね!
「走る実験室」とは、偉大なるホンダ創業者である故本田宗一郎氏が言って、これまでも実践し続けてきたことだ。経営者にとっては、とても意味のある言葉だ。
最先端の技術を試すための実験室、研究所であることはもちろんだが、企業としての広告塔の意味もある。
だから今では、トヨタで豊田章男社長が自らレースを引っ張って先を行っている。社長自らがテストドライバーだということもあるが、走る商品を売る「クルマの会社」なんだから当たり前と言えば当たり前だ。
だから、トヨタは売れに売れている。
レースで毎年数百億円を投入したとしても、それは投資であるから、レースで培った技術を投入した市販車の売り上げで元以上をとれば会社として成り立つのだ。
会社としてのストーリー作りが、なにがなんでも大切なんだ!!!
だけど、ホンダは…結局それがヘタだったのか???
個人的な感想ではあるが、ホンダという会社のストーリー性がないように思う。ホンダはそれぞれのセクションが分断されている。
それを言いたかったのが、当サイトの以下の記事だ。
【2020年は期待できる!ホンダジェットがF1マシンを救った!】それでも瀕死状態、ホンダのワイガヤ文化を復活させないと!
日本独自の技術が、異国へ流出???!
日産GT-Rの日本独自のエンジン技術が、カルロス・ゴーンによって売られてしまった時もビックリしたけど…。
レッドブル、ホンダF1の知的財産権を買い取ってエンジンを自社開発? https://t.co/woz1qcmMkD F1Gateより
ホンダの場合は全員「社員」で開発も研究も社内で完結してるから難しいよね。例のホンダジェット由来のターボとか。
チームをリクルートするのはあり得るかも。— てつおさん (@t20_nak) October 3, 2020
2021年以降、レッドブルはホンダのF1パワーユニットに関連するすべての知的財産を購入し、そのホンダのF1エンジンを開発し続ける別のパーティーを見つける、もしくはミルトンキーンズの自社工場でさらに開発するという発想だ。(上記F1-Gate.comより引用)
レッドブルもレースの世界で生き残っていかなきゃならないし、メルセデスやフェラーリとは組みたくないらしいし、大変だ!
だけど、F1に関わる知的財産権を売っっちゃうって、ホンダはエンジン技術にもう未練はないってことなのだろうか。
たしかに、これからBEVの発売ラッシュになるし、正解はEVの方向に動くだろう。
しかし、ガソリンエンジンが消えてなくならないかもしれない可能性もある。それは、ガソリンエンジンの熱効率が開発によってメキメキ上がっているからだ。
マツダが2017年に40%を達成して、2020年には様々なメーカーで50%を達成しつつある。つまり、低燃費になり、CO2削減が進んでいるということ。
それに、EVにも問題がある。EVに関わるインフラを整備する(古いのを壊す+新たに造る)ために、またコストがかかったり、CO2を排出したりしてしまうのだ。
その点、中国がすんなりEVが作れているのは、これまでのエンジンのインフラがなかったからできたことなのだ。「中国、EVですごい、日本遅れてる」っていうのは、ちょっと違う。中国はまっさらだったから、すぐできただけなのだ。
だから、EU・米・日本は、エンジンに関わるインフラを残しつつ変革していくということも模索されているのだ。
最新では、自然由来の「水素エンジン」がクローズアップされてきている。
関連記事:EVより地球温暖化対策にいい「水素エンジン」!? マツダ・ロータリーエンジンも使えて、実現可能か!?