【ABM・ミサイル迎撃ミサイル(1)】本当に有効なのか?命中率はどのくらい?

トランプ・アメリカ大統領

現在、弾道弾迎撃ミサイル(ABM anti-ballistic missile)として日本に配備されているのは、スタンダードミサイルSM-3とパトリオットミサイルPAC-3です。更に日米で新システムを共同開発しており2017年度には配備する予定になっています。でも、本当に有効なのだろうか?




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迎撃ミサイルの命中率、撃墜率はどのくらい?

かつて、ナチスドイツが弾道弾V2(現在の北朝鮮の短距離弾道弾と基本的に変わらない無誘導弾)でロンドンを爆撃していたころは、高射砲などによる迎撃は不可能と判断されて諦めた事実があります。

当時、連合軍は地上戦で基地を叩くことに専念しました。その前にV1がありましたが、これは飛行機の形をしていてラムエアジェットエンジンで、現在の巡航ミサイルよりもスピードは遅く、無誘導で命中精度は、かなりアバウトでした。

都市部の無差別爆撃ではこれで効果はあるものです。

現在の巡航ミサイルでは誤差は数メートルと言われています。このV1は高射砲や戦闘機により迎撃が可能でした。現在の巡航ミサイルは低空を地形をぬう様に侵入してくるので、発見が難しく迎撃は不可能と言われています。


それから航空機用の対空誘導ミサイルを改良して撃墜を目指したのですが、弾丸を弾丸で撃ち落とすようなもので、命中することは不可能に近く、迎撃ミサイルに核ミサイルを搭載し、爆発の影響を広範囲にして低い命中精度をカバーしようとしました。これは、敵の核弾頭を無力化できても自分の核爆弾で自国を攻撃することになり、ある程度の損害を覚悟することになります。

近年のABMは通常爆弾で的確に弾道ミサイルを迎撃することになり、かなりの精度を要求されていました。そのため開発は半世紀に及び、やっと現在の形が出来てきたのです。

イラク戦争当時、イラクからの短距離弾道弾を迎撃した実績では、命中精度は27%程度であったと言われています

 

現在のSM-3の撃墜率

政府関係者は90%で、PAC-3と合わせると100%近く迎撃できるとしていますが、これは現実には難しいでしょう・・・【ABM・ミサイル迎撃ミサイル(2)】本当に有効なのか?

 

【アメリカは北朝鮮を攻撃できない?】
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