【ABM・ミサイル迎撃ミサイル(3)】本当に有効なのか?

トランプ・アメリカ大統領

現在、弾道弾迎撃ミサイル(ABM anti-ballistic missile)として日本に配備されているのはスタンダードミサイルSM-3とパトリオットミサイルPAC-3です。更に日米で新システムを共同開発しており2017年度には配備する予定になっています。

しかし本当に有効なのだろうか・?

➡【ABM・ミサイル迎撃ミサイル(2)】本当に有効なのか?

➡【ABM・ミサイル迎撃ミサイル(1)】本当に有効なのか?


アメリカ軍が先制攻撃した場合

何が何でもアメリカ軍の第一撃で、核ミサイル発射を防がねばなりません。現在、それは不可能であると見る専門家が多いのですが、これほどトランプ大統領が「吠えている」のですから、何がしかの見通しがあると通常は見るべきなのでしょう。それは現在ミサイル発射基がある場所をある程度特定しており、それを攻撃する武器があると見ておくべきなのでしょう。MOABなどの使い方であり偵察衛星やU2有人偵察機、ドローン偵察機などの高精度の能力を予測すべきでしょう。それでも防ぎきれないと見るべきですが、ある程度の成功確率があるとトランプ大統領は戦端を開くと感じます。


もう一つの38度線付近に展開する砲兵部隊ですが、トーチカなどになっていると考えられるので、MOABは大変有効であると考えられます。これを成功させるにはステルス機や巡航ミサイルによる制空権確保が第一撃としてポイントになるところです。

この2つの作戦が成功したのなら、一瞬で戦争は終わります。日本・韓国の犠牲は少ないでしょう。しかし、この可能性もまた低く、賭けに近い状態と感じています。

戦争でしか解決は不可能か?

今回のトランプ大統領の姿勢であると、これで中途半端な妥協を示すと、最悪、大統領の立場を失うかもしれません。一方の北朝鮮は核開発を放棄することは考えられず、交渉が行われるとしても、いずれは核保有国になることを目指すでしょう。

北朝鮮が核保有国となったとき、それは北朝鮮主導で南北朝鮮が統一されることになる可能性が高くなります。それは日本もいずれ核保有国北朝鮮と対峙する必要があることになり、アメリカの主導権が低下したとき、大変苦しい立場に立つと言うことです。

今のうちに核保有だけは放棄させないと、韓国ともどのように対したらよいのか分らなくなります。そのため是が非でも北朝鮮を中国が説得してほしいのですが、ロシアの介入と共に難しい情勢です。説得が最終的に断念される状況とはいかなる状況であるのかも定かでなく、日本が紛争地域に位置している現実を実感してしまいます。

いやな言葉ですが「戦争するなら早い方が良い」と言えるのが現実でしょう。

【アメリカは北朝鮮を攻撃できない?】
➡【トランプ大統領にとっての武力攻撃(1)】空母打撃群