【NISSAN GT-R物語(14)】なぜ?4WDが必要なのか[2]

日産とGT-R物語

なぜGT-Rの4DWは必要なのでしょうか? GT-Rは通常FRで走行しています。そしてリアタイヤがスリップし始めると、前輪にも駆動力をかけて4WDになります。ですから再びアクセルを放してしまうとFRに戻ってしまい、コーナリングスピードも落ちて立ち上がりも遅くなります。



日産のアテーサE-TSとは?

ATTESA E-TS(アテーサ イーティーエス)とは、日産自動車が開発した電子制御トルクスプリット四輪駆動システムの名称。「Advanced Total Traction Engineering System for All Electronic – Torque Split」の略である。(Wikipedia

 

4WDシステムATTESA E-TSは、運転操作や車両挙動をダイレクトに判断するセンサーを備えた、ヨーモーメントコントロールを採用。ステアリングの操舵量を検知する舵角センサー、車両の旋回情報 を判断するヨーレートセンサー、Gセンサーなどからの情報を瞬時に分析し、ドライバーの思い描くコーナリングラインを予測しながら、実際の走りを理想に近づけるよう、きめ細かく前後トルク配分を制御。あらゆる路面で旋回ライントレース性と加速性を高次元で両立させている。 

引用/日産公式サイトhttp://www2.nissan.co.jp/GT-R/performance_power.html

 

なぜGT-Rで4WDが必要なのか?

日産のアテーサET-Sは、基本的には常時FR駆動し、走行条件に応じて前輪にトルクを0:100%~50:50%の範囲で配分する。

トランスアクスルGTR

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/トランスアクスル

 

GT-Rの4WDは、通常はFRで走行しています。リアタイヤがスリップし始めると、前輪にも駆動力をかけて4WDになります。

ですから再びアクセルを放してしまうとFRに戻ってしまい、コーナリングスピードも落ちて立ち上がりも遅くなります。だから、我慢してアクセルを踏み続けることで、飛び出すことを防げる限界が高くなります。

現在では、スキッドコントロールとも連動、非常に高度な制御をして、コーナリングスピードの限界を上げるようにしています。

つまりFRで走行するより4WDとして駆動力をわずかにかけ続けるほうが、コーナリングスピードが上がるんだね。レースではめちゃ有利です。

 

しかし、プリウスなどのE-Fourなどで問題となっているのは、FFの状態からスリップが始まり後輪のモーター駆動が働くまでのタイムラグがあり、30km/h程度以上のスピードであると、後輪駆動が間に合わずにスリップしてしまう問題があるのです。

もちろん、日産のアテーサET-Sの方がトヨタのE-Fourよりは反応は良いとしても、フルタイム4WDと比べるとその差が問題となっています。

プリウスE-Four

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出典:トヨタ公式サイトhttp://toyota.jp/technology/chassis/efour/?padid=ag325.jpperformance_efour-more02

 

進化するクルマの4WDシステム

4WD化の流れが世界の方向性ですが、フルタイム4WDであっても、現在は4輪にかかる駆動力をそれぞれ個別に制御(クロス制御)する方向です。

4輪にかかる駆動力をそれぞれ個別に制御(クロス制御)するなんて、4WDの高度な技術だね。

 

BMW750などハイエンドセダンでは、横Gセンサー、ワイパーなど、それにカメラからの情報を得て、前方の路面状況を事前に判断し、後輪がスリップする前に予測して前後、左右の駆動力を配分するシステムが備わっています。

えー、さらに4WDは進化してるんだ! カメラやセンサーからの情報で事前に路面の状態を感知して、スリップする可能性を予測して、コントロールしてるんだね。

今後の人工知能による自動運転では、広く採用されるシステムとなっていくかもしれません。

このような開発の流れになっているのは、GT-Rで求めてきたレースなどの必要性もあります。でも、これから大きな市場と目される中国の自動車市場では、現地の路面の悪さに対応することが必要だからと言うこともあるようです。

進化する新しい4WDシステムは、雪道やアイスバーンでもフルタイム4WDと同等の性能を発揮できる強みがあり、より実用性の高いシステムであると言えます。

第三世代2017年 日産R35 GT-R

nissan.co.jpGT-R-2

出典:http://www.nissan.co.jp/GT-R/exterior.html

 

現在のR35GT-Rに見られるサスペンションセッティングの変化は、現代の高性能GTの共通の変化です。またそれは実用車のホンダ・オデッセイなどにもみられる現代的セッティングでもあります。

ダウンサイジング・ターボエンジンと日常使用に適合する乗り心地の良いサスペンションセッティングは車の性格を変えつつあるのでしょうか・? さらに見ていきましょう。・・・・⇒NISSAN GT-R物語(15)】GT-R2017年口コミ![1]

 

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