【PGA・ゴルファーライフスタイル調査】サマリー版分析

アコーディア・ゴルフ

PGAの調査資料は、現在サマリー版しか手にしていませんが、分る範囲を見てみましょう。PGM/アコーディア・ゴルフなど、市場分析としてはこの資料だけでは不足であるのは分っていますが、事業計画の出発点を見つけ出す努力には役に立つはずです。ゴルフ業界全体のために向き合ってもらいたいものです。

➡【ゴルフ事業の戦略(4)】PGA「ゴルファーライフスタイル調査」


【コアA層の「基本属性分析」】

要するに「主たる現市場の年齢分布」です。なぜ年齢分布が必要なのかは、これまでも現在も技術的に定かではありません。ゴルファーの年齢分布は直感として大変重要であると感じてきました。あるいは年齢分布は「ゴルファーの心理を理解する」のに全く無関係であるかもしれません。これを踏まえておく必要があります。


この数字に驚く人はいないでしょう。半世紀前からゴルフをしてきた一人として「爺さんスポーツ」のイメージは昔からです。むしろ「藍ちゃん、遼ちゃん」などのおかげで、はるかにイメージは良くなっています。むしろ「リタイヤするのがかなり遅くなった」と実感しています。

では、これで何が分るのでしょうか・? 若い人のゴルフ参加率が伸びないのは、別の理由が昔からあると見るべきでしょう。つまり。今直面している問題点ではなく、少なくとも日本のゴルフ市場では昔から変わらず「爺さんゴルフ」なのです。

アンケート調査では数字に出にくいゴルファーとしては「金欠病」が社会に蔓延しているのが、隠されているのでしょう。これを突き止める調査をこの調査が出来ているのでしょうか?

1か月に5万円以上使えるゴルファーはプレーフィーで35%、用品で15%以下です。これは「用品よりもプレーフィーなら出す」と言うことですし、それはゴルファーとしては「金欠病」だからです。社会全体が「給料が上がらない経済不況」とゴルフの優先順位が低いことです。若い人でも携帯電話にはお金を出すのでしょう。

こうしてデータを見ていくうちに「ゴルファーの本音」が見えてこないと対策も立てようがないこと、その本音は、データに現れないことの方が多いことが分ります。

しかし、社会全体の「可処分所得」・「労働時間」・「可処分所得の使い方」を見てみれば、ゴルファーの本音も予測出来てきます。ゴルファーの年代分布も、年齢別可処分所得と労働時間を見れば、予測がつくことです。これは深堀する前に「大局を見る」ことを優先しておく必要があることを示しています。

「ゴルフ参加動機」調査が必要

現在、接待ゴルフは経費で落とせない時代です。国が「ゴルフは贅沢である」と決めたことで、日本のゴルフの世界が変わりました。「接待ゴルフがゴルフをする動機」だったものが、否定されたのですから、これは大きい。ゴルファーの「ゴルフをする動機」を調べなければ、実情を掴めません。サマリー版では確かに分析は不可能です。若い人のゴルフ参加率を押し上げていたのも「接待ゴルフ」です。

この「購買動機(ゴルフ参加動機)」を見定めるデータがあるのか?が、最大の関心事です。

バブル経済崩壊直後、ゴルフ場利用者が減り始めたとき、コンサルタントを申し込んできたゴルフ場がありました。「コンサルするんだから紹介できるコンペの人数はどのくらいだ!」と聞いてくるのです。「嫌味に聞いてくるのか?」と思ったのですが、そうでもないようです。「ハーフプレイなど時間の自由度を作る」提案を始めたころです。そのころゴルフ場ではまだ、自分たちがひどい「殿様商売」であることに気付けない時代でした。今でこそ「ゴルファーのニーズに合わせる」との案が一般的ですが、そのころは「ゴルフ場側の都合に従うべきである」とした感覚がひどかったころです。

PGA「ゴルファーライフスタイル調査」でも、いまだに「ゴルファーのニーズ」つまり「ゴルファーの気持ち」を汲み取り、満たすことが「商売」であるとの認識がない関係者が多いことを感じさせます。それは「ゴルフをする動機」のデータをサマリー版に乗せていないからです。データがないのであれば言語道断ですが、最重要視できないことが問題です。

スクール未経験者が60%

このデータの分析には「スコアアップを望む人が、ゴルフに前向きな人」との捉え方がにじみ出ています。ゴルファーがスクールに参加しない気持ちを理解していないのです。「基本はスクール無用論」のゴルファーがほとんどなのです。

この間違いは昔から、ゴルフ場支配人、プロゴルファー、アスリートゴルファーにあるものです。

「ゴルフをするのはゴルフプレーをしたいからではない」のです。

これをよく理解していないと、すべてがずれてしまいます。ゴルフ関係者、特にPGA関係者に多い間違いです。

レッスンは反感を買うのが実際

知り合いのレッスンプロが「本気で教えようとすると喧嘩になる」と嘆いています。「レッスンに参加するのは、上手になりたいからではない」のです。自分のやることに「同意してほしい」のです。とくに経験の長い人は「教わるだけで自分を否定された気持ち」になるのです。

それは、私のような企業コンサルタントでも同じです。

私の記事を読んで「反感」を持つゴルフ関係者がほとんどです。きっと言いたいことが積もっていることでしょう。だれでも欠点の指摘を受けることは、不愉快なのです。そのため自分から金を出してコンサルを頼んでいても新しい事実を紹介すると受け取ろうとはしません。コンサルの値打ちはコンサルを受ける側の知らないことを指摘するのが、商品価値ですので、困ることもしばしばでした。

「敵を作っているのか!!」と怒ってしまう人もいました。

この調査を行ったPGA関係者が、この記事を読んだら怒ることでしょう。でも本当のことです。

「市場はお客様の心の中にある」のですから。

私と一緒にデータ分析をしてみようと考える「ゴルフ練習場やゴルフコース」の人は、ご連絡ください。

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添付ファイル:【知恵の輪サイト】で評価したアコーディア・ゴルフ系列のコース