いま、リアル店舗の「チラシ戦略」が見直されている!(3)学生街が要注意!商圏特有の地域ストーリーを把握して売り上げアップ!

集客の達人(経営)

シリーズでお伝えしているように、地域密着のリアル店舗では最近チラシ広告が見直されているといいます。LINEなどSNSを利用した広告、つまりインターネットでの広告も量が増えてきて埋もれてしまい、費用対効果が悪くなってきたという情報もあります。地域密着のリアル店舗は、実は、それぞれ特有の行動パターン(地域ストーリー)があることを知っておいてください。今回は、その例をお伝えします。これが分かると、タイミングよくチラシ配布が可能になってきます。



 

地域ストーリーとは?

「地域ストーリー」とは、店舗運営を実際にやっていて、私が気付いたことです。マーケティングの専門用語にはないのかもしれませんが、「地域ブランド」を作るのにストーリーが必要であるということにもつながるかもしれません。

いずれにしても、これまで会った店舗のオーナーさんで、この「地域ストーリー」に見合ったことを把握されていた方はあまりいませんでした。

前回までの記事でも言いましたが、とにかく、自店がある地域、つまり商圏をよく把握してください。商圏の設定の仕方は前回の記事をご覧ください。

そして、それぞれの内容を広告(チラシ)に盛り込むことで効果が出てくるのです。ですから、数店舗持っている方は、地域によって広告の内容を変えるだけで、集客数が変わることだってあり得ます。

「チラシ広告をしても効果がない!」と思われている方は、ぜひリセットして初めから考え直してみてください。地域に合った広告ができていないことが多いのです。

 

例:ある時期、学生街では売上げが落ちる?

では、地域ストーリーの1つの例を挙げてみます。

私の店舗ではありませんが、相談された面白いケースについてお伝えします。

6大学の1つである大学の城下町、その学生街にあるレンタルショップの例です。ある時期に極端に売り上げが落ちてしまうのです。

オーナーさんから、「4月になって売上が芳しくない」と問い合わせをいただいたので、分析してみることになりました。

3月から5月の売上げ動向に特徴

売上データを見てみると、3月から減り始めて、4~5月は落としています。その後はなぜか徐々に上げています。その傾向が2年続いています。

いつものように、ぐるりと商圏を歩いてみました。神奈川県の政令都市で人口は十分にある地域で、お店の活気も通年で見ると順調です。しかし、その地域は6大学の1つでもある大学を擁する【学生街】でもありました。

この「学生が多い地域」であることが、4~5月の低迷の原因だと判明したのです。

そこでよく考えてみました。大学では4年生が卒業して(既存客数減)、新1年生(新規客)が入ってきますね。

ここでピンときた人もいらっしゃるでしょう。

そうです。3月に売り上げた減ってきたのは4年生が卒業していなくなったからで、4月~5月は、新1年生にお店がまだ知られていなかったので、売上が低くなっていたのです。
そして、その後売上増になっていったのは、新1年生にお店が自然に知られていくスピードを表していると考えられます。

このくらい微妙な人口の増減でも、売上には響いてくるものだということは、気づいてみて正直驚きました。しかし、これがこの商圏の地域ストーリーなのです。

対策は?

理由が分かったので、その後お店はオリジナルのチラシを作り、新1年生が入学した時期に合わせて、下宿があるだろう地域を重点的にチラシのポスティングを励行しました。見事、売上は回復しました。

放っておいても、徐々に新1年生にお店が知られれば売上げは上がったのかもしれませんが、チラシ広告で知られていくスピードを速めることができ、本来あるべき売上げを4月5月と維持することができました

数万円のチラシで、数十万の売上減を取り戻したのですから、元は十分以上に取れたのです。これを放置して何年も原因を見過ごしていたら、数百万の損になっていたことでしょう。

 

その地域に根強くあるストーリーについてよく把握できたことで、チラシ広告による対策ができた例でした。

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次は、ターゲットを設定するのが本当に良いのか?について。いま、リアル店舗の「チラシ戦略」が見直されている!(4)

 

チラシを配布するべき「商圏」はどうやって設定したら良いのでしょうか?(いま、リアル店舗の「チラシ戦略」が見直されている!(2)へ)

【集客の達人No.87】店づくりやチラシを作るコツ~「雑誌の特集」と同じように考えてみる(オンライン店舗コンサルティング)