仏・新型アルピーヌA110、ラグジュアリー仕様「Legende」発売。デザイナーは日本人! 2018年後半に日本上陸!【新旧比較動画あり】

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車を楽しむのに「お国柄」を味わうことも目的の一つだ。質実剛健なドイツ車、楽天的なイタリア車、家具のようなイギリス車、豪放なアメリカ車、無国籍な日本車など、お国柄はそれぞれだ。その中で優雅な芸術性を持ったシトロエン、ルノーなどのフランス車は、独特の味わいを与えてくれる。モデルチェンジするごとに、大型化することで価値を高めようとする車が多い中で、新型アルピーヌA110の「小さく軽く」見せることを狙ったデザインは注目に値する!



魅惑のシルエットは半世紀前のまま

仏ルノーのスポーツクーペ、「A110」懐かしいモデルである。昨年、新型アルピーヌA110が発表されたとき、写真を一目見たら、半世紀ほど前の1962年登場の初代アルピーヌA110を連想させた。

↓↓↓左がnew。右がold。

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これほどシルエットが似ているにも関わらず、新型A110は現代のライトウエイト・スポーツカーであり、また、イギリスのライトウエイトスポーツとも、イタリアのGTとも違った風合いを見せている。

しかしデザイナーは、日本人の、それもマツダ・RX-7を手掛けたことのある岡崎淳氏と分かって驚いた。それは紛れもなくフランス風ライトウエイトスポーツの匂いを感じさせているからだ。

ラグジュアリー仕様の「Legende」新発売

アルピーヌA110(エーワンテン)は、ジュネーブモーターショー2018でラグジュアリー仕様の「Legende」新発売することを発表した。

またA110は、発売記念モデル限定で1955台の「プルミエールエディション」が発売されていたが、ヨーロッパでは発売から5日で完売する人気だった。このモデルは比較的簡素な作りで、1962年登場の初代A110のラリーカーのイメージを追っていた。もちろん日本にも配分されていて、2018年後半には日本に上陸する予定だ!

今回発表のの「Legende」仕様は、本格的発売に際して用意されていた豪華仕様で、実用化に向いた仕様と言える。アルピーヌ・ブランドはルノーの傘下であり、現在ではルノー日産のブランドとなる。日本でも「アルピーヌ」ブランド車の輸入販売事業を行なうビジネスユニット「アルピーヌ・ジャポン(ALPINE JAPON)」を設立したことが10月に発表されている。

 

そもそもアルピーヌA110って、どんな車?

今回発売された「アルピーヌA110」のルーツと言える「初代A110」は、1962年に登場しラリー、レースで活躍した車でおなじみだった。

※画像引用:ウィキペディア(アルピーヌ・A110)

その後、1995年にアルピーヌ・ブランドは生産終了していたのだが、昨年に復活を遂げたのだ。

RRからMR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)、オールアルミ製へ

そもそもA110は純粋な2座席スポーツカーで、初代A110がRR(リアエンジン・リアドライブ)であったのに対し、現代版A110は、MR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)となった。

また、オールアルミで造られ、ガラス面積を制限するなど軽量化が行き届いて、車重は1.1トンに過ぎない。(プルミエールエディションは1103kg)

そのボディには、ルノー日産アライアンスの1.8L直列4気筒ターボ・ガソリンエンジンをルノースポールがチューニングして、最大出力252ps/6000rpmで、最大トルク32.6kgmを2000回転からフラットに発揮するパワーユニットが積まれている。トランスミッションは、ゲトラグ製7速DCT。

注目すべきは、初代アルピーヌA110のRRから、MRにエンジンを積み替えて、よりハンドリングを洗練されたものに仕上げたようだ。しかもMRにした理由が、面白いことに初代A110のシルエットを壊さないようにしたためだと言う。

競合車はなに?

全長4180×全幅1798×全高1252、ホイルベース2420、トレッド1556/1553となっており、純粋な2座席スポーツと見れば、ポルシェ718ボクスターあたりが競合車となるのかもしれない。日本のスバルBRZ、トヨタ86あたりも考えられるが、これと言って比較になる車種が見当たらないのも、この車の独特の魅力であろう。

↓↓↓ポルシェ718ボクスター

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何しろ「アルピーヌA110」はフランスらしいデザインで、しゃれた印象が強くする。1962年登場の初代A110に似たプロポーションを持ち、派手なエアロパーツをまとわない姿が、独特の味わいを出している。

 

デザインは、マツダ・RX-7の日本人「岡崎淳」氏

しかしだ、この車のデザイナーは日本人の岡崎 淳氏だった。マツダのデザイナーを務めてRX-7を手掛けていたようだ。

この新型アルピーヌA110のデザインで注目したいのは、「ダウンフォース」を得るため成型されたアンダーフロアだ。初代A110のプロポーションは「お尻が下がった」ポルシェ911のような姿だ。

↓↓↓かつての「A110」のリア。

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このデザインを引き継ぐには、リアを跳ね上げるわけにはいかなかったようだ。

さらに、このデザインで200km/h以上で巡行するEUの道路事情でダウンフォースを得るには、派手なリアスポイラーを付けねばなるまい。しかしそれを、アンダーフロアの成型で不要にした手法がフランスらしさを生んでいる。隅々まで行き届いた処理が日本人らしさをのぞかせるが、小さく軽量に見えるシルエットが美しい。

↓↓↓アンダーフロアにカバーをして、下面の流速を高めることを狙っている。(グラウンドエフェクト)

参考:新型アルピーヌA110はトップスピード250km/hオーバー!(MoterFan)

 

アルピーヌA110の乗り味は?

その乗り味は現代流になり、かなり実用的なソフトな乗り心地を実現して、スピードを上げればスムーズに全輪が流れだす、きわめて素直なハンドリングであるようだ。知らず知らずにスピードを上げてコーナーを抜けてしまう、ラリー車のドリフトを当然とするハンドリングに仕上がっている。

それは、初代A110からのDNAだが、オールアルミ車体とガラス面積を制限するほど軽量化したボディーはラリー車そのものだ。

固められた足回りは、日常的に使用する道路環境では、突き上げ感が伴うものと予想する向きも多いことだろう。しかし、現代のサスペンションセッティングは、スプリングを強化するのではなく、細かい振動を許し、大きな振幅に対してはダンパーで受け止め、ロールやダイブを少なくして、路面に沿ってバネ下重量物を動かすようだ。

タイヤは、アルピーヌA110専用に開発されたミシェランPS4を履いており、乗り心地にも貢献しているようだ。

 

アルピーヌA110の価格は?

日本には2018年の後半上陸予定だ。ヨーロッパでの価格は、日本円に換算すると800万円前後からのようだ(軽量のプルミエールエディション)。日本国内では、いくらで発売になるのかは分からないが、人気は高いだろう。

BMW・M2、M5、ポルシェ・718あたりと値段的には競合するだろう。5座席と2座席だが迷う人もいるだろう。

でも、そのプロポーションはフランス風だ。2座席だが、車内にバックなどを置くスペースがあり、車体前部には実用的なトランクもある。一度試乗してみてはいかがであろう。

世界に比較する車なし!なぜか?

「アルピーヌA110」は、質実剛健なポルシェなどのジャーマンGTでも、楽天的イタリアンGTでもなく、紳士のお遊びブリティッシュ・ライトウエイトスポーツでもない。流れるような軽快なフィーリングを感じさせる、フレンチ・ライトウエイトスポーツを味わってみるのは”大人の楽しみ”だ。

↓↓↓フランス語分かる人、新旧「A110」の比較をお楽しみください。

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