2019年10月に上陸したスーパー台風19号は、豪雨のために関東甲信越から東北の広範囲の河川氾濫(阿武隈川や千曲川など8つ)をもたらしました。長野県の千曲川の氾濫では、実際の浸水の範囲や深さがハザードマップと一致しており、その有効性が実証された形です。「まさか自分の地域が?」なんて思わずに、便利なツールで随時情報をとって「命を守る行動」をしましょう。
2019年台風19号、警報解除後でも氾濫した河川は8つ! 時間差で油断!
「大雨特別警報」の解除後に「氾濫発生情報」 全国8河川で|NHKニュース
台風19号の豪雨の際、阿武隈川や千曲川など8つの河川で、大雨特別警報が解除されたあとにも、氾濫の発生を知らせる情報が発表されていたことがわかりました。https://t.co/CsKWJj1pFk
— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) October 19, 2019
今回も、気象庁が、事前に最大級の警戒を呼び掛けていました。それでも市民はどれだけの危機感を持てていたのでしょうか???
でもそのおかげで、広範囲に影響があったのに被害者が少なくて済んだともいえるのかもしれません。
神奈川県の箱根では、1日に1000ミリ近くの驚異的な降水量がありました。箱根登山鉄道では、土砂崩れのため枕木ごと流されたり、橋脚が流されて運休を余儀なくされています。これから紅葉の季節なのに…。
そして、台風19号で氾濫した河川は16の河川に及びました。
さらに、、「大雨特別警報」解除後にも新たに「氾濫発生情報」が出されたのは8つの河川でした。
その8つの河川は、宮城県の吉田川、福島県の阿武隈川上流、群馬県の石田川、栃木県の蛇尾川、茨城県の久慈川、埼玉県の都幾川、埼玉県の越辺川、長野県の千曲川でした。こんなにも多県にわたっているのが驚きです!
しかも、警報解除からの時間が、最も長くて阿武隈川上流の9時間20分!!! 約半日です。警報解除後も安心していられない!!!のが、河川氾濫の怖いところです。
神奈川県の相模川では、水量が溜まりすぎた上流の城山ダムの緊急放流の時間が最初の予定より遅れたり、次の予定時間より早まったりでヒヤヒヤしましたが、氾濫まではいかずに済んだようです。
各自治体のハザードマップをあなどるな!!!
住宅を壊滅させたのは、「水の深さ」ではなく「水の速さ」だった。#台風19号 #ハザードマップ #水害 #日経ビジネスhttps://t.co/WnsMNjhjMI
— 日経ビジネス (@nikkeibusiness) October 17, 2019
さて、これだけの大型台風が地球温暖化によって増えていくことは、予測されていました。まずは、それを各自、肝に銘じておきましょう。
「まさか」は実際に起きるのです!
だからまずは、各自治体で発行しているハザードマップを普段からよ~く確認しておくことです。
上記事のように、今回氾濫した千曲川の浸水した地域は、「ハザードマップと一致」していたと言います。
洪水や土砂災害のハザードマップは、各自治体のホームページで確認ができます。ただし、微妙な色分けなどがネットの画面でははっきりしないことも多いので、最寄りの公民館や市役所に行けば、印刷されたきちんとしたものをもらうことができます。
例:平塚市のハザードマップ
自治体によっては、ハザードマップが古い場合も!
「50~150年に1回の大雨」→「1000年に1回の豪雨」に想定基準が上がった洪水ハザードマップ。しかし都道府県が管理する全国1643河川の23%が古い基準のままであることが分かりました。#日経イブニングスクープ
▶自治体河川、浸水想定2割古く ハザードマップに影響https://t.co/qppuCbhEYe pic.twitter.com/1QQDcYnnKO
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) November 13, 2019
河川の水位は、ネット(スマホなど)で確認できる!
また、台風に限らず大雨警報が出るとなったときは、「河川の水位情報」を確認してみましょう。特に、流域にお住まいの方は必須でしょう。
それを確認できるのが、Yahoo!の「河川水位情報」です!!
自分の地域に流れる河川(どんなに小さな川でも)の水位情報がリアルタイムで見ることができるので、危険な場合は現場に行かずとも確認することができます。雨雲の様子も見れます。
ついに、氾濫発生を示す、紫色になる川が出始めました。
Yahoo! 天気防災 河川水位情報https://t.co/T2fE78CNPK pic.twitter.com/onmGVzDnDX— 富永秀一 (@otomitv) October 12, 2019
河川の水位情報は、氾濫発生なしの水色→ 注意:黄色→ 警戒:オレンジ→ 危険:赤→ 氾濫発生:紫まで細かく見れます。
カメラを設置している個所もあるので、その場合は出かけなくてもチェックできるのです。
普段の大雨でも、水位がどのくらいになっているかをネット(スマホなど)の情報と現場の状況とで見比べていれば、万が一の時、非難するのに判断がしやすいのではないかと思います。
上流ダムの放流状態と、下流の洪水予測を確認できる!
各地の河川水位情報については、台風19号上陸時にTVでもアナウンスしていたので役に立ったのですが、実は、こんな情報もあります!!
当時相模川の上流、城山ダムの緊急放流の時間が決まらずヒヤヒヤしていました。ただでさえ大雨で水位が上がっているのに、ダムからの放流があったらさらに水位が上昇するわけですから!!
そこでネットで調べていたら、神奈川県の「雨量水位情報・洪水予測」のページでは、城山ダムの放流状態が見れることが分かったのです。
そこには、ダムの放流による下流の水位変化の予測(洪水予測)もありました。これによって、少なくとも数時間後に川の水位がどのくらいになるかも予想できます。
もちろんリアルタイムで更新しているので、普段も放流をしているのかどうかを確認できます。ダム自体が現在何トン放流しているのか放流量も記載があるので、数時間前との差を確認することもできます。
上図は10月22日午後時点のものですが、台風19号の緊急放流後の水位予測も実際に見ることができました。たしか、相模川の水位が8mにもなる箇所があったかと思います。現在(10月22日)は上流で5m、下流で2m程度なので、その多さが分かります。そのため氾濫を心配していたのですが、事なきを得たようで安心しました。
皆さんも、ダムの下流にお住まいだった場合は、上流ダムの放流情報をネットで見つけておいた方がよいのでは?と思います。
自分で「命を守る」行動を!「まさか…」でははいけない!
いろいろ調べて分かったのですが、今はネットでさまざまな情報を得ることができます。
地球温暖化によって、災害が身近なものになってきました。「まさか…」と思うのではなく、「来るかも!!」と思って、事前に自分の地域の情報を自分で取っていきましょう。
そうすれば、自分の命を守れる”可能性が高まる”のです。
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