店舗独自の「売れ筋商品」をつくるコツ【店舗マーケティング】

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店舗独自の売れ筋商品をつくるって、どんな意味かすぐに分からない方も多いのでしょうか。店舗は世間で人気になっている売れ筋を売るものと思い込んでいる経営者、店舗運営者も結構いるのかもしれません。でも、自分の店舗独自の売れ筋を作ることも可能なんです。


メルマガの読者の方からの質問がありました。『前回までの内容に「売れ筋を追うな!」とあるのに、メールマガジンでは、「売れ筋を作るコツ」を書いているのは矛盾があるのではないか?』 これについて、店舗における売れ筋商品について、誤解のないよう少々補足させていただきます。なお、この記事は筆者の店舗運営の実践経験から得たノウハウです。

 

「メーカー」と「店舗」の売れ筋商品は違う!

<メーカーにとっての売れ筋商品>は、文字通り、自社製品をヒット商品に作り上げられるかどうかが勝負であります。

<店舗にとっての売れ筋商品>は、どのメーカーの品でも良いので、その時、売れる品が売れ筋商品なのです。

<この2つを混同している店主>の方々が多く、これは大手のスーパーなどにおいても、メーカーや、問屋の営業マンの言われるままに受け止めている方が多いようです。

メーカーにとっては自社製品を売り込みたいのであり、問屋にとっては自社取り扱い製品が売り込みたいのです。
ヘタをすると、在庫の多いものをはきたいがために、売れ筋といってくる営業マンすらあります。気を付けましょう。

 

矛盾…

店主や店長の方は、店頭での販売活動まで店側に代わって行ってくれること、例えば、試食などのイベントをやってくれたりやポップなどを用意してくれるメーカー、問屋の商品を買いたがります。それは、”楽”だからですよね。

しかし、本当は店舗側から見ると、1メーカーの商品が売れても、全体の売上にはあまり貢献しないのです。

よく考えてみてください。
特定のメーカーの品を売り込めば、客は、他のメーカーの品を買わずにそのメーカーの品を買います。ですから、その売れ筋商品を置いていることで、客数は多少増え、売上も多少増えるのですが、全体としては、他が売れ残ることになります。

店全体として売り上げを上げたいのに、これでは矛盾を起こしてしまいます。

 

メーカーなりの「売れ筋商品」がもたらすもの

さて、売れ筋商品を知っているお客様は、いったい何%いるでしょう?

あるメーカーの売れ筋商品など特定の商品を指名買いするお客様は、全体の客の何%を占めているのか?これはあいまいなもので、固定客化の進んでいる店は、この割合が増えて安定していきますが、向上もあまりしません。

むしろ、固定客化が行き過ぎると、新規客を取り込めずにゆくゆくジリ貧となります。これにもしっかりした理由がありますが、他の記事で説明します。

ここで、大事なヒントですが、<商品の銘柄をお客様に指名させず、良い商品を提案できる店>が、売上を伸ばすことができるのです。

 

教訓★店舗オリジナルの売れ筋商品の作り方

店舗自ら、独自の売れ筋商品を作り出していくべきです!

独自ブランドを製作しろということではありません。既成の商品から、店舗独自の売れ筋をつくる努力をするのです。
つまり、コンセプトを決め、売り込めるとにらんだ商品を、店の内外で提案していくのです。

例えば酒屋さんで、夏には冷たい飲み物が売れるのは当然のことで、特にビールは夏が主力であります。
このような季節変動に頼るだけでなく、お客様の<夏の過ごし方>というライフスタイルとして、飲み物の提案を演出してみてはどうでしょう。

つまり、地域のお客様へのライフスタイルへのお店からの提案です。

缶ビール、ビンビール、樽ビールと多様な商品があるのですから、夏の過ごし方にあわせて、提案してみます。
例えば、
(1)山や、海などに出かける人には、缶ビール、人数によっては、樽ビール。
(2)1人で晩酌なら、ビンビール。
(3)親戚を呼んで、大勢ですごすなら、樽ビール。

これに、「おつまみの提案」も加えて、ディスプレイし、それを広告します。

すると、たとえ、この例に当てはまらない人であっても、お客様それぞれの過ごし方と、ビールとの兼ね合いとを意識してくれるのです。つまり、そうやっていろいろな提案をすることでお客さんの潜在欲求を引き出すわけですね。すると、お店側の提案を施したディスプレイを見ると、”あっ、ビールが飲みたいかも!”と思い、行動を起こしてくれる、すまり購入してくれるのです。

ただ、漫然と整然と商品を並べ、また値引きシールやポップを貼って安売り合戦に入るのでは提案がなさすぎます。

上記の例は、まだまだ粗い提案ですが、お客さんに次から次へと、「夏」”をドンドン提案をしていきます。次は、「味くらべ」の提案でもいいでしょう。店の1部に”夏休みコーナー”を作って提案し、それをチラシなどで広告するのです。しかも、店全体が、夏休みの過ごし方に傾注するのです。
例えば、「夏休みは、ビールでいこう! でも、おいしい水もあるよ!」みたいに。。。すると、自然と店に活気ができ、半ズボンでサンダル姿のお客さんがドンドン増えることでしょう。

前述に「店全体で」と言ったのは、そういった提案を施したディスプレイを常時やっていることがお客様に知れ渡ると、あそこの店に行けば何かまた面白い提案があるかも!と思うだけで、来店してくれるようになってくれるからです。

ということは、秋には秋の、冬には冬の、と言うようにシーズンごとのやり方があるはずです。

そうすると、おのずとどんどん売れる商品が出てきて、店舗独自の売れ筋商品が出てくることになります。あなたのお店が独自に提案した売り方でできた売れ筋商品です。

これが、【店舗独自の売れ筋商品を作る】ということですし、この売れ筋商品は、他のどこの店にもありません。貴方の店にしかない、オリジナル売れ筋商品となるのです。

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【集客の達人No.4】店舗独自の「売れ筋商品」をつくるコツ(オンライン店舗コンサルティング、店舗マーケティング)