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【集客の達人No.44】お客様の「購買意欲」は立地条件と関連する

2019/07/30

今回はお客様の「購買意欲」についてです。マーケティングでは「購買意欲の7段階」などと名がついていますが、実践的ではありません。購買心理を読むことは大事ですが、実際には店舗の立地条件と深く関係があるのを忘れてはなりません。



 

売上データには潜在市場はあらわれない

(どんな小さな店舗でも、店づくりとチラシ作りは重要です。ただ漫然とやるのではなく、実際に大きな売り上げを上げた実績をもとに、そのコツをお伝えしたいと思います。この記事は、すでにメールマガジンで発行したものに、現在の動向に合わせて加筆や画像を加えての再掲載です。)

まず、お客様の購買意欲を知ろうとするとき、店舗がある立地条件は大切です。しかし、多くの人はそこに見えている人通りや集まる人の層に気をとられるものです。また、現状の調査をするときにも店の前に出てきている人々を観察してしまいます。なので、交通量調査などを参考にしてしまいがちなのです。

しかしこれは、私が『ポスレジのバカ』と名付けた現象で、現在の顕在化している現象のみしかとらえていないのです。つまり、ポスレジデータ、交通量調査のデータは顕在化している現時点の数字でしかありません。(潜在市場は捉えられていない!)

これでは、その場所にある市場全体をとらえていることにはなりません。交通量調査では見えていない潜在している市場があるのであり、むしろ潜在市場の方が大きいことがあります

なぜ、それが言えるのか? ヒット商品や、ブームを呼ぶ店舗について見ればこのことはわかります。

例えば、回転寿司は、1兆5千億ともいわれる寿司業界の3分の1を占める(2002年時点)に至りましたが、これを20年前、誰が予測し得たでしょうか?

また、CDが売れなくなった理由の一つといわれる携帯電話の影響は、20年前のマーケット調査で現れていたでしょうか?

このように、誰もがわからない潜在市場を予測して掘り起こすように店舗運営することが、成功に結びつくコツなのです。

 

「購買意欲」を掻き立てるには、立地条件を把握する

では、店舗の立地条件を見るとき、何に注目するべきなのでしょうか?

基本的には、その土地に集まる人たち、そこに住む人々が何を求めているのか、何を求めて出かけてくるのかが重要です。

お客様の「購買意欲」は、立地条件の内容によって決まるからです。

 

吉祥寺にある駄菓子屋さんの場合(コンサル例)

その駄菓子屋さんは、吉祥寺の駅前から歩いて3分ほどのところにありました。商店街のはずれにあり、一方通行の狭い道です。

人の流れからも一つ筋違いのところにあって、そのためか売り上げ不振でありました。

そこで、立地調査の第一段階は、街全体の雰囲気を感じ取ります。

吉祥寺の街に立ったとき、おしゃれな店がたち並んでおり、この街に人々が期待する
ものがわかりました。そして、当該店舗は、その期待には違わないおしゃれな店構えをしていました。店づくりでは、「おしゃれな今どきの駄菓子屋さん」が演出できていました。

これは大事なことで、人々の購買意欲の基準にあっていることが、最低限度必要なことです。これが、昔ながらの近所の雑貨屋さんであったなら、少なくとも吉祥寺のその場所では不利になってしまうのです。ここまでは合格でした。

 

次に、店舗周辺を重点的に見ます。その店から2~3分のところには、地元の人の日常の買い物をするスーパーがあり、そこには多くの人々が集まっていました。吉祥寺が、かなりの範囲の広さ(周辺地域)の人にとって買い物する場所になっていることを考え合わせると、その人々を当該店舗のある数百メートルの距離を誘導できれば、広告費を大幅に節約できるはずだと考えられました。

すると、「おしゃれな駄菓子」から「実用のおやつ」にする必要があるとわかったのです。せっかく店の周辺には日常の食料や用品を求めて買い物に来る多くの人々がいるのに、「おしゃれな駄菓子」だけでは、圧倒的に必要な客数が少なすぎると判断できました。その人々のライフスタイルに組み込まれなければ、その店舗は生きていけなくなるでしょう。(これが、鎌倉なのどの観光地域だったら「おしゃれな駄菓子屋さん」でもやっていけるかもしれませんが…。)

 

「購買意欲」を掻き立てるサンキュードラッグ

ここで、先日テレビ東京「カンブリア宮殿」で放映されたサンキュードラッグについて、例として取り上げたいと思います。

以下記事をお読みいただけると、「地域密着」を徹底的に行い、住民のライフスタイルにがっちりと組み込まれようとする戦略が見えます。

地域密着のドラッグストア、人気の秘密:読むカンブリア宮殿
引用:テレ東プラス)
・サンキュードラッグは、高齢化社会における店舗として、モデルになる店舗になるでしょう。

記事を読んでさらにお分かりいただけたと思いますが、上記の例として出した駄菓子屋さんも、住民のライフスタイルの一部となれるよう「実用のおやつ」をアピールする必要があるのです。それが、お客様の購買意欲を掻き立てるのです。

 

しかし現実は…、その店の店主は≪おしゃれ≫を基本にしたいとのことで、≪実用性のあるおやつ≫についての組み立てに抵抗してしまいました。

すると、店から見えるところまで多くのお客様になるべき人々がきていながら、みんな≪おやつ≫の買い物はスーパーですませてしまうことになります。
オーナーは、≪ケーキ1つ分で3種類のお菓子が味わえる≫≪紅茶によくあう駄菓子≫≪抹茶によくあう駄菓子≫などのキャッチフレーズを提案しても、目立たない店の片隅にコーナーを設けるだけでした。それは、現在オシャレを求めて来店しているお客様にはあまり関心のないことで、”多く”の新たな市場を呼び込むための提案ですので、店の外での広告がなければならなかったのです。売り上げは、さほど伸びませんでした。

 

「購買意欲」=立地条件に宿るお客様の期待値

お客様の購買意欲は、そこに住む住民やそこに集まる人々の「期待値」によります。

立地調査をするとき、最も重要なのは、この「お客様の期待がどのようなことであるのか」を見抜くことです。

この期待に反した店の運営は、うまくいくことはありません。

店舗のコンセプトを、そこに住む人々、そこに集まる人々の期待にあわせてこそ、繁盛店は出来るのです。 業種、商材によっても、その期待はそれぞれ違います。 的確な「期待」が何であるかの判断が第一歩です。

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