どんな小さな店舗でも、店づくりとチラシ作りは重要です。ただ漫然とやるのではなく、実際に大きな売り上げを上げた実績をもとに、そのコツをお伝えしたいと思います。この記事は、すでにメールマガジンで発行したものに、現在の動向に合わせて加筆や画像を加えての再掲載です。
店づくりやチラシのコツは?
まず、単刀直入に、、店づくりやチラシのコツは、店舗を「雑誌」と同じように考えることです。
雑誌と言えば、月刊であっても週刊であっても必ず特集を組んでいるのは、皆さんご承知の通りと思います。
例えば、私の趣味であるゴルフの専門雑誌でも、毎号毎号違う視点でゴルフの特集を組んでいます。大きく分けて、「スイング」と「ギア(ゴルフ道具)」についてですが、同じ「スイング」を語るのでも、ある号は”プロの連続写真からコツを見つけよう”、またある号では”体重移動で飛ばそう!”などと、以下のように毎回違う視点でゴルフスイングについて特集を組んでいます。
↓↓↓こちらは、いつも読んでいる「月刊ゴルフダイジェスト」。メインの特集はキャッチコピーが大きく出ています。
店舗経営も同じように考えてみようというのが、集客のコツです。
というのも、同じ商品を倉庫のようにきれいに並べて「いい商品売ってます!」と言ってみても、お客さんには何のアプローチもできていません。そんなお店は、「いつ行っても同じようだな~」と思ってしまうのです。
でも、雑誌のように月に1回、週に1回でも特集を組んでアピールしてみたら、売り上げが上がったのです!
では、どうやったら良いのか??
シンボルとなる商品群を決める
シンボルとする商品群は、いつも一定である必要はありません。(上記説明の通り、1週間に1度、1か月に1度などその店舗に合った周期で変更する。すると、同じ商品であっても違う魅力をお客さんに訴えることができる)
書店のような場合、シンボルとする商品はその時の話題性のあるものを取り上げるときもありますが、大事なことは「市場」を意識することです。
といっても、いつも言っているように「ポスレジのバカ」はやらないようにしてください。ポスレジデータ=全体市場ではありません。ポスレジデータは顕在化している市場であって、潜在市場は含まれていないからです。
積極的にシンボルとする商品群を変えて、新しい市場を開拓していくのです。
店づくりにおいてのポップや、地域に配布するチラシは、あなたの店舗のキャッチコピー(雑誌の特集)のようなものです。つまり、ポップやチラシでお店の特集を随時アピールしていきます。
悪いポップの例:単品にポップをつける”だけ”ではダメ!
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インスタグラムの「#ポップ作り」で検索してみると、いろいろなものが投稿されていたので、拝借させていただきます。
上の店舗は悪い例でのピックアップで申し訳ないですが、このように、単品のポップを書いているお店はとても多いですね。
たしかに、その商品の特徴がわかるのがメリットです。しかし、新しい市場を開拓していくことはできません。
良いポップの例:「シンボルとなる商品群」をアピールすると?
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この店舗のポップは、 「シンボルとなる商品群」となっています。見た通り、”カレーパーティ”となっており、「カレー」がシンボルとなる商品群です。カレーと一口に言っても、レトルトやカレルーをはじめとした調味料まで含まれます。【カレーを括りとした商品群】はいっぱいありますよね。これで一つのコーナーを作ると、雑誌の特集と同様になるわけです。しかも、楽しそうなポップで、感覚に訴えているところがいいです。
悪い例との違いは、【商品群のコーナー】とすることで、お客様に選択の楽しみが与えられ、購買意欲が上がることです。”カレーパーティー”に興味を持った人は、商品群の中から選ぶ楽しみがあるのです。
また、お客さんはこの店舗に特集があることが記憶に残りやすく、定期的に変更を繰り返すことにより単純に再来店(リピート)を促すことができたり、次の来店時に「今度はこの商品を買おう!」などと具体的に目星をつけていくことさえあり得ます。この時、同時に、商品群の中の商品単体の特徴を描いた単品ポップが役立ちます。
さらに、この特集を1か月以上続けていくと、今まで気づかなかった潜在市場や売れ筋が見えてくる可能性も高いです。販売データだけでなく、お客さんの評判などと合わせて判断していくと、この特集を実行したことで、店舗独自の売れ筋商品を発掘することもできるのです。
定期的に特集を組むのが良いわけですが、雑誌のように月刊とするのか、週刊とするのかは、その店舗の持つポテンシャルによって変わってきます。来客数が少ないのに週刊にしても、来店した人たちへの認知度が低すぎて効果が上がらない可能性が高いでしょう。1か月は最低様子を見なければなりません。
➡【集客の達人No.4】店舗独自の「売れ筋商品」をつくるコツ
上記の「カレーパーティー」特集だけでは弱いかもしれません。これを実行して手ごたえがあったら、「カレー」つながりで他のカテゴリーの商品もアピールすることを考えたら面白いでしょう。
特集、つまり「シンボルとなる商品群」を考えると店舗にテーマを持つことができ、売り方に広がりが出てくるのが分かると思います。
お客様の動向をよく観察し、その特集が、リピーターさんに飽きられてきたと感じたら、次の特集(シンボル、切り口、テーマetc.)を随時考えていけば良いのです。「行くたびにこのお店は面白いテーマを教えてくれる」と思わせることができれば、リピーターがどんどん増えることでしょう。
雑誌の編集者の気持ちになって考えてみましょう!
まとめ:「シンボルとなる商品群」で潜在市場を開拓
もう一度、雑誌の「特集」をよーく考えてみてください。
あなたが雑誌を買う場合、同じ雑誌でも「特集記事」によって購入を判断していることが多いと思います。
お店の取扱商品も、特集に合わせてその商品群の在庫を厚くすることは有効です。そして限られた店舗面積でも、「特集」を変えることで「狙う客層」を順次変えることになり、広い客層を捉えることが出来ます。これは重要な技術です。
それは、結果的に、潜在市場を含めて[存在するすべての市場を想定する]ことにつながります。