2016年式新型ホンダ・オデッセイ・ハイブリット(1)

ホンダ

2016年2月ホンダ・オデッセイ。ハイブリッドがマイナーチェンジを受けました。最近の傾向で少しのデザイン変更などではなく、かなり大幅なマイナーチェンジで、新メカニズムを満載してきました。

オデッセイのハイブリッドシステム

システム

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出典:http://www.honda.co.jp/ODYSSEY/webcatalog/performance/?from=ODYSSEY-header

ホンダのハイブリッドシステムは、5月にマイナーチェンジされた新型アコードのスポーツ ハイブリッド i-MMD(以下i-MMD)と基本的に同じものです。以前からハイブリッドシステムはアコードと基本的に共通で、それぞれの用途に合わせたセッティングされているようです。

このシステムは、シリーズハイブリッドに分類されるのですが、高速巡行に入るとエンジン直結で走行するモードを持っています。つまり基本的にEV走行で、発進時バッテリーからの電流で走行を始め、エンジンが発電機を回して発電を始めると、発電機直結でモーターを回し、バッテリーの残量が少なくなると充電もしながら走ります。高速巡行(60km/h以上)では、エンジン直結駆動で走るモードを持っています。モーター・リダクションギアもエンジンギアも1速で済ませています。エンジンは0.805×3.888≒3.13で巡行しますので、100km/hで2,200回転ぐらいと、案外高回転と推測します。

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出典:http://www.honda.co.jp/ODYSSEY/webcatalog/styling/?from=ODYSSEY-header

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*フリードのデータは旧型のもので新型については改めて掲載します。

居住空間と荷室 オデッセイHV アルファードHV シエンタHV フリードHV
室内 全長    mm 2,935 3,210 2,535 2,625
全幅    mm 1,625 1,590 1,470 1,440
全高    mm 1,305 1,400 1,280 1,265
ホイルベースmm 2,900 3,000 2,750 2,740
トレッド後輪mm 1560 1,595 1,480 1,475
最小回転半径 5.4 5.4 5.2 5.2

*フリードのデータは旧型のもので新型については改めて掲載します。

馬力当り重量、トルク当たり重量はエンジンとモーターの出力を合わせて計算していますが、同時に駆動力として出力することはありませんので、モーターのみの計算にしたほうが良いかもしれません。それは街乗りなどの低速領域ではモーターのみの出力で走行しており、高速域ではエンジンのみで駆動しているからです。すると10kg/馬力、60kg/トルクで全車同じような値となるようです。トヨタの場合、速度によって低速から順次トルクミックスになるようですので、システム出力は分りません。特に後輪駆動のモーターを別に用意している場合などは、同時に流せる電流の制限で決まるのでしょう。

アトキンソンサイクルエンジン

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出典:http://www.honda.co.jp/ODYSSEY/webcatalog/performance/detail/ 

知恵の輪サイト/ハイブリッド・エンジン/【ハイブリッド・エンジン(5)】アトキンソンサイクル・エンジン をご覧ください。

熱交換率の向上を目指して多くの技術開発が行われているガソリンエンジンですが、現在世界最高水準ののガソリンエンジンと言えるでしょう。オデッセイのハイブリッドシステムでは、トルクを無駄なく取り出せるアトキンソン・エンジンは最適な方式と言えるもので、アトキンソンの考えたクランクシャフト2本の組み合わせで実現しているのではなく、ミラーエンジンと言われるように、排気バルブの遅延閉じで実現しています。この方式などで熱交換率40%を実現するエンジンが、現在の世界最高効率と見られております。

発電に主に使われ、高速巡行のみエンジン直結で使われるため、低回転トルクが強いエンジンであることが望まれるのでアトキンソン(ミラー)サイクルエンジンは最適でありましょう。昔のように高回転で馬力を出すガソリンエンジンのみの走行ではなく、低速トルクの強いモーターとの組み合わせで、発電用エンジンとして使われるのですから、ミッションの考え方も様変わりしました。

2016年式新型ホンダ・オデッセイ・ハイブリット(2)➡

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【ハイブリッド・エンジン(4)】レシプロ・エンジン➡
【ハイブリッド・エンジン(5)】アトキンソンサイクル・エンジン➡
熱効率60%の内燃機関が可能か?➡
【ハイブリッド・エンジン(6)】トルクミックス➡