トランプ・アメリカ大統領 日記

【トランプ次期大統領就任式まで僅か(2)】「反知性主義」知性のもたらしたもの

2017/01/15

2017年1月20日トランプ・アメリカ大統領が就任します。先日行われた記者会見では「知性」のかけらも示せなかったトランプ氏でしたが、「保護貿易主義」とも言える閉鎖的な経済政策は、トランプ氏自身に莫大な富をもたらした、現在の資本主義が作り出したグローバル経済を否定するものでもあります。

☚【トランプ次期大統領就任式まで僅か(1)】「反知性主義」知性のもたらしたもの


グローバルファンドだけが豊かになる社会

メリル・ストリープさんが、どれほど知性豊かなスピーチをしようとも、オバマ大統領がどれほど知性ある大統領であったとしても、その知性のもたらしたものが「差別と偏見に満ちた見下しや、見捨てる行為」であるなら、誰も知性など信じることなどないでありましょう。

国家が反映するとはいかなることなのか? グローバル企業・グローバルファンドなど資産家・投資家だけが不相応な富の配分を受けて、社会の働き手が「知性がないと見下されて、ただ働き同然の給与」では、社会の奴隷と言わざるを得ません。

トランプ氏の支持者たちが受け止める「知性」とは、「差別と偏見」であり、それは排撃されるべき行為でありましょう。CNNやマスメディアの姿勢が「知性」であるとしても、それがもたらすものが「偏見と差別」であるのなら、それは打倒されなければならないものとなってしまいます。それをトランプ氏はこともなげにやってのけるところに、支持者は感動しているのです。

この矛盾に満ちた社会現象をどのように理解すればよいのか? 「知性」を掲げても「自由・平等」を勝ち得ることが出来ないとすれば、ヒトラーのように破壊する人物の登場がふさわしいのかもしれません。

保護主義経済が基本

トランプ次期アメリカ大統領が主張する「保護主義経済」はグローバル企業が登場するまでは当然の型でしたが、経済成長が止まり、失業率が上がり所得が伸びない状況になると、規制を開放して経済のグローバル化が急速に進んで、企業が多国籍企業になっていきました。現地生産だけにするべきでしたが、人件費の安い国で生産し、所得の高い国で高い値段で販売すると、大きな利益が出ることになり、ビジネスモデルとして定着して、先進国では「空洞化」との現象が起きて、アメリカ・デトロイトのような現象となって失業者が増えていったのでした。昔の「日米貿易摩擦」の始まりでした。

このとき日本車の輸入に対して「高い関税」を掛ければバランスするのですが、それではアメリカ企業の市場もアメリカ国内にとどまり、成長できなくなってしまいます。そこで企業の拡大を優先したことで、「自由貿易」の流れが出来て、企業はグローバル化して発展し、富が増大したのですが、ピケティー氏が言うところの「富の配分の不平等」がラストベルトを生み出し「見捨てられた人々」を産み出してきたのでした。

投資ファンドが世界で稼ぎまくり、世界のGDPの6倍の資金が運用されていると言われます。

それなら「保護主義に戻って雇用を取り戻す」としているのがトランプ氏の理屈です。それではアメリカの車は高いものになるでしょう。でも国内に輸入される車には関税を掛ければ同じです。その代りアメリカ国内の自動車は世界の国々より高いものになりますが、国内限定市場であれば問題はないことになります。しかし、アメリカ企業は世界の市場で、競争力を失います。でも現地生産を許すのなら、問題は起きません。全世界の企業が消費地で生産し、消費地のみで販売すれば問題はないのです。人件費の安い国で生産し、逆輸入するより企業の利益は減りますが、自国の失業者は減ります。

このルールを世界で一斉に作れるのであれば、トランプ氏は天才でしょう。確かに「神に使わされた雇用を生み出す使い」になれるかもしれません。

富の公平な配分が前提

でも、富の配分がトランプ氏のように事業主・投資家に偏っていることを是正できないと、いずれにしても経済は破綻します。それは結局のところ資本主義経済を大幅に修正することが必要で、「人間の能力や貢献度」をどのような基準で、どのような方式で評価するのかが問題です。

人間の本能を抑制することを求めた共産主義は失敗しています。今や共産主義は自由を制限され、極端な格差に苦しむ資本主義社会制度です。トランプ氏の発想が成功する可能性を見出すことは困難です。またトランプ氏自身は「平等を求める」人ではありません。最も不平等に富を集めた人物の一人でありましょう。

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