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フォージドアイアン、実は難しくない!(1) 軟鉄鍛造(フォージド)と鋳造の違いでわかる打感の良さとは?

2018/11/14

フォージドアイアンと聞くと、プロはもちろんのこと、アマチュアでも上級者が使用するイメージを持つゴルファーが多いようですが、今は易しいクラブも出ていて初心者でも使えます。私の経験から言うと、早いうちからフォージドアイアンにしておくことで、上達も速いかもしれません。それはなぜか?まずは、フォージド(軟鉄鍛造)アイアンと鋳造アイアンの違いを見てみましょう。



アイアン製法のいろいろ【鋳造】【鍛造】【削り出し】

ゴルフクラブのアイアンやパターは、鉄を加工してできてます。その鉄の加工方法は、【鋳造】【鍛造】【削り出し】がほとんどです。その中でもパターを除けば、削り出しだけで出来ているクラブを私は知りません。

それで、鋳造でも鍛造でも、最終的には削るというよりは磨きを行うのがほとんどですが、それは最終仕上げの意味合いが大きいです。

ゴルフが大好きなら、アイアンの製造法である【鍛造】【鋳造】の違いをぜひ知っておきたいですね。

 

「フォージド・アイアンは難しい」と思い込んでいるゴルファーが多いようですがが、「それはなぜ?」と考えることから始めると、意外にも「鍛造だから難しい」とは決めつけられないことが分かってきます。

易しくフォージド・アイアンを使って、さらにスコアアップに結び付けましょう。「打感」など、フォージド・アイアンのメリットを傍受しよう。

 

 

「キャスティング(鋳造)」とは? これでクラブは易しくなった!

まず、【鋳造】について。

【鋳造】とは、簡単に言えば「型に溶かした鉄を流し込み、冷えたら型から取り出す」ことで製造する方法です。適応範囲は大変広くて、自動車では、エンジンブロックなど多くの部品が鋳造されています。材質も金属に限らず多種にわたっていて、業種も多岐にわたります。

【鋳造】では、最初に製品となる形を何らかの材料で作り、凸型とします。その凸型から凹型を作り、そこに溶けた材料を流し込み、冷まして型から取り出します。その最初の凸型をワックス(ロウ)を削り出して作る方法を「ロストワックス製法」と言い、アイアン・クラブの製法に多く使われてきました。「ロスト」ですから、凸型から凹型を作る際、石膏や砂で凸型を囲んだら、ワックスを溶かして流しだして凹型にするので、「ロストワックス」と呼ばれています。

↓↓↓こちらが【鋳造】アイアンの製造工程(YouTubeより)。補足しておきます。最初に出てくるのがアイアンヘッドの凸型(ワックスでできている)。そこへセラミックの粉を段階的に付着させて「ドーナツのよう」と言っているのが凹型となる。焼き入れすると、中のワックスが流れ出て(ロストワックス)完全な凹型となり、そこへ鉄を流し込む。固まった後、セラミックを粉砕するとヘッド本体が出てくる。大量生産であることもわかります。

最近では、3Dプリンターで凸型を作ることが出来るので、大変楽になったと思います。最近は、3Dプリンターで金属素材でも作り出せるようになったので、ゴルフクラブの試作品などを作るにも、随分と楽になってきたと思います。もしかして、オリジナルのゴルフクラブを自分で作ることも叶うようになってくるかもしれないです。

 

さて、【鋳造】でアイアン・クラブを作る最大のメリットは、形状が自由に取れることが考えられます。ポケットキャビティーなど複雑で機能性のある形状を作ることが可能です。

ゴルフクラブが進化して、アマチュアにとってもゴルフが昔よりも易しくなって、より飛ばせるようになったのは、【鋳造】のおかげと言えるのです。

 

「フォージド(鍛造)」とは? 刀鍛冶から受け継がれる技術

次は、【鍛造】について。

【鍛造】は「叩き出し」と言われたりするように、基本はハンマーやプレスで叩くように成型される製法です。鋳造と比較すれば多少面倒といえますが、鋳造では作れない素材の強度などを作り出せます。

これも適応範囲は広く、最も日本人になじみのある製品では「日本刀」があります。現在では、「包丁」で鍛造製品もあります。

余談ですが、最近「刀剣乱舞」のゲームから始まった日本刀ブーム(特に女子)がありますね。GHQに押収された名刀が行方不明になっていたらしいのですが、その名刀を現在の刀鍛冶が復元製作しようと計画し、クラウドファンディングで募集したところ、たった5時間で目標額の550万円を超えたといいます。最終的には、4500万円も集まったとか! しかし、これで日本の刀鍛冶の伝統を受け継ぐことは楽になったのではないでしょうか。

鍛造アイアンも負けてはいられません!

↓↓↓こちらは、鍛造アイアンの製造工程です(ちょっと長いですが、最初の半分だけが肝心)。ぜひ見て(聞いて)ほしいのは、「鋳造」「一般的な軟鉄鍛造」「ミズノの軟鉄鍛造」の【音】の違いです。こんなに違うのか!とビックリしますよ。これが、実際にショットした時の「打感」の良さにつながって、心地良さにつながるのです。

日本刀の製造工程を見た人は「何度もたたく」と感じるでしょうが、アイアン製造では型でプレスするので最高で4回ほどです(上記ビデオでは最初に3回、仕上げのプレスが1回で計4回。いいクラブは4回プレスされている)。型で基本形をプレスするので、ポケットキャビティーの形状などは造りにくく、多くは機械加工をしています。

この「叩き出す」という製法から、鉄の組織が繋がって伸ばされる(ミズノは「グレインフローフォージド製法」で特許あり)ので、曲げに強い特性があります。ロフト・ライ角など、2度ぐらいは調整可能の柔軟性を持っています。製品を購入した後でも、専用機器で自分に合ったロフトやライ角に変更することが可能になってきます。

こうした特性から、プロは「フォージド・アイアン」を好んでいますが、その事情は、少々プロの理解とも違っているようです。

 

↓↓↓こちらがミズノの「グレインフォージド製法」を使ったミズノ「MP-T7」ウェッジです。口コミ評価は5点満点。スペックも豊富で、カスタムなので、追加料金でメッキ仕上げ(カラー)も自分で選択できます! アイアンセットを買う前に、軟鉄鍛造の良さを試してみよう!

次は、「フォージドアイアンが難しいと言われるワケ」「打感の正体」について、引き続きご覧ください!



 

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