大人の車学

【ダイハツ・ロッキー、トヨタ・RAV4、スバル・フォレスター】流行の幅広タイヤは本当にいいのか??

「タイヤは太くて薄いほうがかっこいい」というのが最近の流行だろう。でも、本当にタイヤは太いほうがいいのだろうか??最近の人気SUVであるダイハツ・ロッキー、トヨタ・RAV4、スバル・フォレスターで比較しながらみていこう。



ロッキー、RAV4、フォレスターのタイヤサイズ

ダイハツ・ロッキー、トヨタ・RAV4、スバル・フォレスターのタイヤサイズは以下の通り。

同車種の中でも、グレードによってタイヤサイズが違っているのが分かる。

タイヤサイズ 車両重量(総重量)
ダイハツ・ロッキー 195/65R16~195/60R17 970kg~1050kg(1,245~1,325 kg)
トヨタ・RAV4 225/65R17~225/60R18~235/55R19 1,500kg~1,690kg(1,775~1,965 kg)
スバル・フォレスター 225/60R17~225/55R18 1,520kg~1,640kg(1,795~1,915 kg)

 

タイヤサイズの見方

トヨタ・RAV4のタイヤサイズを例に挙げてみる。自分のタイヤサイズを知りたければ、側面に刻まれているから見てみよう。

225/65R17

225=タイヤの幅(ミリ)、65=扁平率(%)、17(インチ)=タイヤの内径。(Rはタイヤの種類でラジアルタイヤのこと)。

この記事で問題にするのは「太さ」、つまりタイヤの幅のことだ。

 

タイヤは太いほうが良いのか?

タイヤの働きで注意すべき点は?

タイヤは、見れば分かる通り、クルマの重量を支える大事な部品だ。地面と直接接するから、タイヤの良し悪しは直接クルマの走りに影響する。

しかし最近は、ほとんどの人がタイヤに注意を払っていないことだろう。それは、昔と違ってタイヤの品質が大変良くなり、ディーラー任せにしておいても十分実用に耐えるようになってきたからだ。

新車購入の時、タイヤを選んで決めているであろうか。

実際のところ、決めた車種についているタイヤサイズで自動的に決まってしまっていることだろう。

オプションがある時には、最近は太いタイヤ、大きなタイヤを選ぶ人もいるだろう。その理由も様々だ。

タイヤを選択するときの注意すべき点はあるのだろうか?

接地面積と単位重量

注目すべきは、「車重に対するタイヤの幅(太さ)」だ。

最近流行の幅広、大径(インチアップ)タイヤにするワケは何であろうか?やっぱり「スタイルがかっこいい」からだろうか。

ユーザーが、タイヤを選ぶ理由を考えてみよう。
スタイルがいいから
コーナーを速く走れるから
滑らないようにしたいから
オフロードを駆け抜けたいから
等々、理由は様々だろう。

だけど、ここでは【安全】を中心に考えてみる

現代のタイヤは安全性を十分に考慮して決められ、ユーザーが空気圧チェック以外チェックする必要がないほど、ぴったりのタイヤが選択されている。

その基準は、「どの様な環境の道路で、どの様な走りをするのか?」である。だから、まずは自分の走る環境を、大きく「舗装路面」と「オフロード」に分類して選択するとよいだろう。

例えば、雪道、アイスバーンが主体の極端な場面では、スタッドレスタイヤ、スパイクタイヤなどを選ぶしか選択肢はなく、その場合は余り幅広タイヤとしないことだ。接地荷重を考慮するべきである。

「保安基準」の接地圧は「kg/cm」

実際に走行中のタイヤの接地面積は、変動して一定にはならない。

そのため、「保安基準(クルマの安全確保と公害防止のため、道路運送車両法に基づいて定められた詳細な技術基準)」では、タイヤの接地圧は「タイヤ接地幅あたりの荷重」で表す。

<参考>道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.09.26】〈第二節〉第 257 条(接地部及び接地圧)
(接地部及び接地圧)、第 257 条、三

単位は「kg/cm」で、200kg/cm以下でけなればいけないとなっている。

ダイハツ・ロッキーの場合

では例えば、ダイハツ・ロッキーで見てみよう。(タイヤサイズは195/65R16)

引用:ダイハツ・ロッキー(ダイハツ公式サイト)

 

保安基準では、1cmあたり200kgでなければいけないから、それにダイハツ・ロッキーのタイヤ幅(太さ)19.5ミリをかけてみる。

200kg×19.5㎝=3,900kgとなる。3.9トンまでがロッキーのタイヤの1センチ設置面積当たりの限界となる。

次に、ロッキーの車両総重量(最大乗車定員が乗った状態)を見てみると、1,245~1,325 kgとなっている。そうすると、上記限界に対してかなり軽いことが分かり、はるかに超える余力があることになる。

ということは逆に、タイヤは実用性のある範囲で195より細くしても良いことになるのがわかるだろう。

同じように、トヨタ・RAV4とスバル・フォレスターのタイヤ幅は225だから、200kgをかけると4,500kg。これも、両車の総重量と比べると、最大であっても1700kgないわけであって、まだまだ限界まで猶予があることになる。

引用:トヨタ・RAV4(トヨタ公式サイト

 

引用:スバル・フォレスター(スバル公式サイト

 

用途別でどんなタイヤを選んだらいい?

①スタイル重視

スタイル重視で幅広タイヤ、大径(インチアップ)タイヤを選ぶ場合、メーカーオプションの範囲であれば、どれを選んでも心配はない

↓↓↓トヨタ・RAV4では、オプションで235/55R19の大径タイヤが選択できる。

引用:トヨタ・RAV4・オプションタイヤ235/55R19(トヨタ公式サイト

 

ただし、街中だけでなくオフロードカーで沼地などで走らせる場合は、別に判断が必要だ。また、SUVでワインディングを飛ばすなどの場合、道路状況を考慮する必要がある。

②コーナーを速く走りたい

ワインディングロードを飛ばすなど、コーナーを出来るだけ速く走らせたいときは、タイヤの選択に最も注意が必要だ。

一般的に、コーナリングには幅広タイヤが有利とされていて、舗装道路ではいいが、オフロードでは違ってくる

舗装道路では、幅広タイヤは基本的に「踏ん張る」ことが出来る。それは接地面積が広いため摩擦が大きく、スピードを上げても限界が高いのだ。

しかし注意が必要なのは、限界を超えてタイヤが滑り出した時、幅広タイヤでは一気に滑り出し、アマチュアドライバーではカウンターステアつまり逆ハンドルなどで体制を立て直すことが間に合わなくなる可能性が高い。練習を積んでいないと、限界付近のコントロールは難しい。そのため、細いタイヤでわざと滑り出しやすくして、感覚を磨くために練習したりもする。

③滑らないようにしたい

漠然と、「太いタイヤは滑らない」と考えると危険だ。

舗装路面であっても、雨などが降って滑りやすくなった路面では、幅広タイヤは余計に滑る。雪道などでは、「細いほど良い」と言える時もある。

だから、通勤などで毎日使用していて、急な降雨や降雪が考えられるときは幅広タイヤはおすすめできない

でも、そもそも「クルマは滑りながら走っている」と考えているほうが良い。滑らないタイヤなどないからだ。「滑り方のクセを見極めて走らせる」と感じることだ。

④オフロードを駆け抜けたい

オフロードではタイヤは滑るのが前提であり、それでも駆動力を得たいのであれば、あまり幅広タイヤはおすすめできない

むしろ幅が狭く溝が深く、形状が工夫されたタイヤを選ぶべきだ。それに、タイヤのスリップは「空転」であり、スピードだけでなく燃費に響いてくる。

 

インチアップ(大径)と偏平率のはなし

最近は、オプションで大径タイヤが選べるようになっている場合が増えている。

「的確なタイヤサイズは?」と言えば、ディーラーが用意しているものはどれも的確だ。それぞれ特徴があるだけだ。

「大径」と言っても、タイヤの外径が大きいわけではない。外径はほぼ同じで、ホイールの径が大きくなる。つまり、タイヤの外径が大きくなるのではなく、内径が大きいのだ。

そうすると、自然に偏平率が大きくなる。つまり「ぺちゃんこ」タイヤ(薄くて扁平)となる訳だ。

SUVの場合、それほど偏平率が高くない。そして、スポーツカーになるほど偏平率が高くなるのが鉄則だ。

例えば:195/60R17と表示されていたら、偏平率は60%だ。セダン、ミニバン、軽四輪など日常使うには60~70%ぐらいが使いやすい50%程度でも実用になるが45%、40%となってくると、街乗りでは乗り心地が悪くなることが多い。もちろん、タイヤの銘柄にもよる。

一方、スポーツカーは乗り心地を犠牲にしても偏平率を上げてくるのはなぜだろう。「ハンドルの反応がダイレクト」であるからだ。最近出たトヨタ・GRヤリスはラリーカーベースつまり競技仕様をベースにしているため、タイヤサイズは225/40ZR18で偏平率は40%と高い。

偏平率が低いとタイヤのサイドウォールが長くなり、衝撃を吸収してくれるので乗り心地は良いのだが、ハンドルを切っても長い分歪んでしまい、機敏に反応してくれないのだ。スポーツカーを好む人にはそれがタイムラグと感じられ、逆ハンドルをきるタイミングなどが取れず許せないのだ。

街乗りにおすすめの偏平率は?

普段は街乗りで、たまに高速巡行するなどの使い道だったら、偏平率50%~65%ぐらいにしておくことをおススメする。

40%、35%などとなってくると、ちょっとした道路の障害物でも乗り越える時にホイールを歪ませてしまう危険が出てくる。

↓↓↓ホイールに傷つけるとやっかい!!!

 

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また、それほどのハンドリングはサスペンションセッティングが決まっている時だけに感じられるものだ。一般道路を走っている時、環境が変わってしまい無意味となるものだ。

 

燃費がいいのは、太いタイヤ?細いタイヤ?

ずばり!

タイヤが太い → 転がり抵抗が増える

タイヤが太い → 重量が増える

どちらも、燃費に悪影響を与える要素だ。

例えば、ソーラーカーレースのタイヤは自転車のように細い。それは貴重なバッテリー容量を大切にするため、モーターの出力を制限しながら走るためだ。つまり、車重を軽く、タイヤの「転がり抵抗」も軽くして航続距離を伸ばしているのだ。そうすると、燃費(この場合は電費)がよくなる。

 

市販のBEV(純モーター駆動車)であるBMWi3も、タイヤの幅がとても細い。これもソーラーカーと同じ考え。

↓↓↓BMWi3.

 

でも、タイヤが空転する度合いが多いと燃費が悪化する原因となってしまう。

例えば、オフロードカーでは悪路走行が多いため、タイヤがスリップするのは当然となる。ラリーカーの疾走する場面を見てみれば、滑らせてコーナーを回っている。「ドリフト族」が目指している走り方だ。あれはタイヤが空転しているのであり燃費が悪い。また、オフロードでは滑らせるほうが速く走れることが多いが、舗装路面ではかえって遅くなる。



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