令和8年8月13日の夜から14日未明にかけ千葉県を襲った ゲリラ豪雨、『令和8年8月千葉豪雨』 で被災された方には、心よりお見舞い申し上げます。
この『令和8年8月千葉豪雨』では、 人的被害、建物被害だけでなく、「車」に関する被害が深刻となりました。8月19日現在の情報では、冠水、水没などにより道路上に残された車両は約2,700台に達しているとされています。
また、2018年7月にも、西日本一帯に起きた記録的な豪雨によってお亡くなりになった方が237人でした。インフラも大打撃を受けました。
さて、地球温暖化が進み、ゲリラ豪雨はどこで起きてもおかしくない現実があります。
ゲリラ豪雨が起こったとき、あなたがクルマに乗っていたらどうしたらいいのでしょうか? 万が一水没したら、脱出できるのでしょうか??
予備知識を頭に入れて、命を守る行動に出られるようにしておきましょう。
【警告!】ゲリラ豪雨で浸水した冠水道路には進入しない!
『令和8年8月千葉豪雨』では、 クルマに関する被害が深刻となりました。8月19日現在の情報では、冠水、水没などにより道路上に残された車両は約2,700台に達しているようです。
ゲリラ豪雨がやってくると、短時間に多くの雨が降るため、あっという間に道路が冠水してしまいます。
『令和8年8月千葉豪雨』では、12時間で「348.0ミリ」平年8月の3倍の雨量だったいいますから、想像を絶する量です。
ですから、そうなった場合、
まずは、冠水しているなと思ったら、できるだけ通らない!ことです。
いつも通っている道ならば、普段から冠水しやすい道路なのかはよく観察しておきましょう。
【要注意】冠水しやすい道路とは?
- アンダーパス:鉄道や他の道路の下をくぐっている道路で、周辺より低く掘り下げられており、ゲリラ豪雨だと周囲からの雨水が流れ込みやすい。
- 低地・すり鉢状の地形:想像通り、周囲よりも低いため雨水が集まりやすく、かつ排水能力も場所。
- 河川や海岸の近隣:ゲリラ豪雨によって水位が高くなり、雨水が川へ正常に放流できなくなり逆流や内水氾濫が起きやすい。
冠水した道路に進入しないためには
冠水しているのが見えたら、意識を「脱日常」にすることです。
「いつも通っているから大丈夫だろう」
「早く家に帰らなきゃ」
といった安易な判断は禁物で、
「このまま進んだら、もしかして車が止まっちゃう?」
「クルマ止まったら家に帰れないよ」
と万が一の精神で、いったん立ち止まって冷静にゆっくり考えるくらいの方が安全です。
こんな時は、他のクルマがどう動こうと関係なく、地頭で推測して考えてみましょう。
危ないと決断してバックしようとすれば、後続車も危ないと気づき、次々にバックしてくれるものです。
冠水した道路でクルマはこうなる 最悪、クルマは廃車に!
では、冠水したアンダーパスなどに侵入したらクルマはどうなってしまうのでしょうか?
最悪、クルマは停止します!
悪い例ですが、SNSにあがった動画を実際に見てみましょう。
それは、車自体の推進力で前方の水位が盛り上がってエンジンルームに水が入ってしまうからです。こんな場合、どうしても通過したいのであれば、水が盛り上がらない程度の超低速で走行するしかありません…。それよりも、進入しないほうがベスト!
ほかにも、冠水の水かさがあれば車が浮いて進めなくなってしまうかもしれませんし、マンホールのふたが水圧で開いていたら車がはまってしまうかもしれません。
すると、あとは水没していくだけです。怖いです!
↓↓↓2019年(令和元年)8月も九州に豪雨があり、クルマが水没して心肺停止になった方がいます。
九州北部の大雨で2人死亡 車水没、心肺停止1人 (共同通信) https://t.co/wXe7B45Vcu #linenews
— Moon Light クーニ (@kunio8917) August 28, 2019
冠水した道路を走行したトヨタ・アクア(ハイブリッド車)はどうなったか?
もちろん、エンジン停止して修理工場送りとなったそうです。そして、中古エンジンに載せ替えして復活したようです。
いつも拝見している増満自動車さんのYouTube動画(登録者数15万人ほど)をご紹介します。
↓↓こちらの動画をどうぞ! 冠水道路を走行してエンジン停止したクルマのオイルパンから出てきたのはエンジンオイルではなく、なんと…!!!そして、エンジンのコンロッドは無残にも折れて…。
エンジン停止、その理由は?
冠水時のウォーターハンマー現象では、シリンダー内に吸い込まれた水が圧縮できないため、上昇しようとするピストンが急停止し、強烈な衝撃でコンロッド(ピストンとクランクシャフトをつなぐ棒)が曲がったり折れたりします。

こんな無残なエンジンにしたくないですよね!
だから、冠水時にはできるだけ走行しないでおこう!!!
↓↓↓↓X投稿に、ウォーターハンマー現象のわかりやすい説明画像がありました!うさ夫防災士さん、ありがとう!
水位は何センチが限界??愛車の最低地上高を確認しておこう!
では、具体的に水位ごとのクルマへの影響をみてみましょう。
| 浸水の深さ | 水位の目安 | 想定される危険 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 10cm未満 | 道路の縁石が見える程度 | 走行できる可能性が高く、駐車中でも問題ない場合が多い 車種やスピードによってはマフラーに水が入る可能性があるため注意 | 水を跳ね上げないように慎重に走行 (歩行者に水をかけたら道交法違反) |
| 10~30cm | タイヤの下半分程度 | エンジンへの影響(マフラーやエアクリーナーに水が入る)が出るおそれ➡故障 ブレーキが利きにくくい・ハンドル操作が難しいため、他車に衝突の危険性 | 原則として走行を避ける |
| 30~60cm | タイヤが隠れる程度 | エンジンルームや車内に浸水し、車体が浮いて流される危険。 水圧でドアも開きにくくなる | 危険! 無理に走行せず、早めに避難 |
| 60cm以上 | 車の床面を超える高さ | 座面近くまで水が入り完全停止 電気系統やハイブリッドシステムなどが故障でエンジン停止 車体ごと流される危険 | 非常に危険‼ 脱出不能になる可能性高く、車に留まらず避難を優先 |
上の表を見る通り、走行できる水位は10センチ程度が限界とみておきべきでしょう。
「まだそのくらいだったら大丈夫じゃない??」と思った人、リスク管理上はアウトです。
想像してみてください。
最近のゲリラ豪雨の雨量は、ちょい昔の比じゃないです。1時間に50~80ミリで済めばいいですが、100ミリ以上降ることもあります。
すると、アンダーパスにもボーっとしてる間に水位がどんどん上がってきます。距離があって、かつ渋滞気味のアンダーパスだったら、走行してる間に水位が上がってしまう場合もあるかもしれません。
それによって車に閉じ込められ、脱出できずに亡くなった方もいらっしゃいます。
だから、冠水した場所には入らない、入ってしまって車が停止してしまったらまず車から脱出することです。
自動車の標準の電装品は上の方に設置してあることが多いですが、吸排気系に水が入るとエンジンが止まってしまうので、アウトです。
まず、事前に自分のクルマの最低地上高が何センチあるか確認しておきましょう。
SUVなら大丈夫、という人もいますが、SUVのカテゴリーに入っていても、マツダ・CX3のように最低地上高はセダンと同じ程度というクルマもあります。
本格的な四輪駆動車なら、最低地上高が20センチ以上はあって、中には60センチの水かさがあっても前進できる車もありますが、セダンは16、17センチしかありません。
➡スズキ・ジムニーは最低地上高20.5センチある!!!【注目のスズキ・新型ジムニー】はなぜスゴイのか? ブレーキ式LSDの絶妙なきき具合で「おばあちゃんの買い物車」になった!
冠水時の運転の仕方
どうしても冠水時でも運転しなければならないとなった時、どうやって運転しますか?
いつも通り運転してはいけません。
吸気口に水が入らない程度の水位なら、エンジンが止まらないように、アクセルを開け続けるのがエンジン停止を回避する方法です。
難しいですが、少々開け気味にゆっくりとゆっくりと進むのがいいです。時速にすると10キロ程度かもしれません。
まだわからない人にもっと説明すると、クルマを前に進ませるためではなく、エンジンを止めないためです。つまりマフラー(排気管)から排気を出し続け、水をマフラーに入れさせない(逆流させない)ためです。
一度エンジンが停止してしまうと、マフラーから水が入り、アクセルを踏んでもエンジンはかかりません。
また、水はフロントからもエンジンルームに入ってきます。なので、クルマが進む力で水が盛り上がらない程度の速度でクルマを走らせなければなりません。
万が一、進むのが無理でバックする場合も、エンジンが止まらないよう「R」レンジに速やかにシフトチェンジしてバックします。
水かさが15センチ程度でも大丈夫かもしれませんが、前進するにも、水は波をたてて水かさは上がりますし、対向車が通る場合もその波を受けます。
それによって吸気口に水が入る可能性は大です。
またクルマが渋滞を起こして、前車が止まってしまった場合は自車もアウト、エンジン停止で再始動できない可能性があります。
周囲の環境もあわせて考えると、アクセルを開け続けるのは、難儀なのです。
だから、冠水道路には入らないほうがいいのです。
万が一、水没したら車のドアは開くのか???
JAFの実験を行っていますので、動画で確認してみると、実感がわくかもしれません。
完全に水没するとドアが開く!
まずは、セダンタイプのクルマの場合です。運転席に座った女性が被験者になっています。
30センチの水位の場合は、簡単に開きます。次に、水位が60センチになって、水が入り込んですぐには、うんともすんともドアは開きません。外と中の水圧に差があるからです。
しかしです! 完全に水没して水が腰のあたりまでつかる(外と中の水位が同程度になると水圧が同じになる)と、ドアが開くようになります。
なので、水没してしまっても、慌てずにタイヤが地面についてからドアを開けるようにするとよいでしょう。60センチの実験では、女性の力でも24秒で開いています。120センチになって、首あたりまで水が来てしまっても、完全に水没してしまうとドアは開きます。
「スライドドアなら開く」は勘違い!
では、スライドドアのミニバンはどうなのでしょうか? 後席に座った女性が被験者です。
スライドドアだと、なんとなく水の抵抗が少なくて済むと思っている人もいるそうですが、そうではありませんでした。結果はセダンと同じ結果でした。つまり、30センチだと簡単に開きますが、スライドドアでも、60センチ以上になると、完全に水没してからでないとスライドドアは開きません。これは、セダンと同じです。
ということで、実際に水没した場合の大変さが分かったと思います。なので、絶対にこんな思いをしたくないなら、冠水道路には近づかないほうが身のためということになります。
ドアも窓も開かなかったら、窓を割る??
予備知識を持っていたのに、それでもとっさに冠水道路に侵入してしまった! それに、水没するまで待って、ドアを開けようとしたが開かなかった!! さーて、あとは救助が来るまで待つか、死が待っているだけになってしまいます。
そんなとき、窓を割れるものがあったら、あなたは助かるでしょう! さて、何を使用したら窓は割れるのでしょうか??
JAFの実験では、小銭を入れたビニール袋、ヘッドレスト、スマートフォン、ビニール傘、車のキー、脱出用ハンマー(ポンチタイプ、金槌タイプ)をそれぞれ試しています。
結果から言ってしまうと、脱出用ハンマー以外で窓は割れなかった、ということです。被験者は女性でしたが、脱出用ハンマーのポンチタイプ、金槌タイプとも有効でした。
男性の場合、ヘッドレストを使用したら割れて助かったという話を聞いたことがありますが、力の強い人の場合は有効かもしれませんが、やはり脱出用ハンマーを手の届く範囲に用意しておいた方がよさそうです。
脱出用ハンマーには、シートベルトカッターもついたものがあるので、ベルトを解除できないということも回避できそうです。
↓↓↓こちらが、脱出用ハンマーでシートベルトカッターがついているものです。
いかがでしょうか。これだけの予備知識をもっていたら、万が一の状態に陥っても、慌てずに助かる知恵が働くかもしれません。本当に何が起こるかわからない昨今ですが、このような災害に合わずに済むことを祈るばかりです。
皆さんも、気を付けてお過ごしください。
また、被災された方には一日も早く日常生活が戻ることをお祈り申し上げます。
